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べらぼう「唐丸」の正体とは? “悪しき男”に利用された彼が向かった先は【NHK大河『べらぼう』#5】

OTONA SALONE / 2025年2月5日 17時31分

*TOP画像/唐丸(渡邉斗翔) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

吉原で生まれ育ち、江戸のメディア王に成り上がった蔦重の人生を描いた、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第5話が2月2日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。

 

唐丸の正体とは…… “悪しき男”に利用された少年はどこへ?

唐丸(渡邉斗翔)は重三郎(横浜流星)のよき相方であるものの、彼の本名も素性も不明。本放送では、唐丸は彼の“過去”を知っていると言い張る向こう傷の素浪人(高木勝也)と出会い、窮地に立たされました。

 

向こう傷の素浪人(高木勝也) 唐丸(渡邉斗翔) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

向こう傷の素浪人は“お前があの日何をしたか言う”と唐丸を脅し、カネを要求します。唐丸は店の売上の一部をこの男に渡すものの、要求はエスカレートし、ついには金庫ごと渡そうとする事態に。

 

唐丸は自身の罪に耐えきれなくなり、この男を金庫と一緒に川に突き落としたものの、自分も一緒に落ちてしまいました。以降、唐丸の消息は分からないまま……。

 

向こう傷の素浪人いわく、唐丸は死罪に相当する何かをしたそうですが、一体何をしでかしたのかも気になるところです。

 

唐丸と重三郎の大きな夢。唐丸は“かの有名な絵師”となるのか……。

向こう傷の素浪人に「とっくに詰んでんだよ お前は」と言われていた唐丸ですが、彼には絵の並外れた才能があり、この才能を開花させるために力を貸そうとしてくれる人もいました。

 

重三郎は「あっ お前のことは 約束どおり当代一の絵師にすっからな[略]まずな お前の錦絵を鱗形屋から出すんだよ 初めは 「亡き春信の再来」って「春信」の画風 その次は おんなじ花魁を「湖龍斎」風で描くんだよ」と、唐丸にヴィジョンを意気揚々と語っていました。

 

重三郎(横浜流星) 唐丸(渡邉斗翔) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

人生とは残酷なもので、期待できる何かが到来したり、前途に希望を見出したりしたところで何かが起こるもの……。

 

視聴者も唐丸の無事を案じているものの、私たち以上に彼を心配しているのは重三郎ではないでしょうか。重三郎は唐丸が描いた絵を眺めながら、唐丸がこの世にいねえかもしれないと胸の内を花の井(小芝風花)に明かしました。

 

花の井は「わっちは 唐丸は親元に帰ったんだと思ってるけどね」と、悪い方へとばかり考えをめぐらせる重三郎を励まします。さらに、「まことのことが分からないならできるだけ楽しいことを考える。それが わっちらの流儀だろ?」と付け加えました。

 

花の井(小芝風花) 重三郎(横浜流星) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

花の井(小芝風花) 重三郎(横浜流星)  大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

重三郎同様、花の井も生きることの辛さも世の中の冷たさも分かっていると察せます。花の井は女郎としては恵まれた立場にあるものの、この世の苦しみも悲しみも知り尽くしているはず……。だからこそ、まことのことが分からないときは楽しいことを考えることを流儀としたのでしょう。そうでもしないと、過酷な世の中を生きていくことなんて到底できないから。

 

唐丸が未来の写楽であると予想する視聴者も多いようですが、彼の帰りを重三郎とともに待ちたいですね。

 

令和に“蔦重”が駆け巡る理由は、源内の台詞から読み取れる!?

重三郎から「儲け話 考えて 人集めて 金集めていちいち大変じゃねえですか」と問われた源内(安田顕)が自身の胸の内を語ったシーンは、視聴者の心を動かしたのではないでしょうか。

重三郎(横浜流星) 源内(安田顕) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」5話(2月2日放送)より(C)NHK

 

源内は「俺には 抱えてくれるお家もお役目もないんだから。てめえで 声張り上げて回らねえと何一つ 始まらねえんだわ」と、重三郎に語っていました。

 

さらに、源内は「世の中には 人を縛るいろんな理屈があるじゃねえか 親とか生まれとか 家 義理人情。けど そんなものは顧みずに自らの思いに由ってのみ 『我が心のまま』に生きる[略]我儘を通してんだからきついのは しかたねえや」とも述べていました。

 

彼のこの言葉は現代に生きる私たちの心にも響きます。今の世の中は自分の努力だけでは這い上がりにくいといわれています。 “地方に生まれたら不利” “実家が太い/細い” “経験格差”といった言葉に敏感になりがちです。こうした時代思潮だからこそ、コネなしカネなしの重三郎が吉原の仲間のために奔走し、江戸のメディア王に成り上がる姿が描かれている意義があると考えられます。

 

周囲の人たちは”嫌なやつ”の方が多くても人間嫌いにならず、ひどい仕打ちにあっても主人を敬う重三郎のような人は今の社会にもほとんどいないでしょう。

 

また、家族や世間にとらわれながら生きるのはめんどくさいけれども、人と同じルートを歩むのが一番ラクなのかもしれません。それにもかかわらず、私たちは個人の権利や自由ばかりを主張し、我が心のままに生きるマイナス要素はあえて見ないようにしているようにも思えます。

 

結局、どのような生き方であっても、人生とはラクなものではないのでしょうね。

 

本記事ではNHK大河『べらぼう』第5話について深堀りしました。

続いての▶▶江戸時代の生々しい「ご近所づきあい」事情! うす~い壁の家で昼も夜も丸聞こえ。「トラブル」はなかったの?【NHK大河『べらぼう』】

では、江戸の住宅事情と人間づきあいについてお届けします。

 

 

≪アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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