モラハラから抜け出すための「心のお守り」を得た私が、ついに夫に立ち向かった日
OTONA SALONE / 2025年2月5日 20時1分
コロナ禍で変わった夫婦の力関係
「夫が家にいることで、心がどんどん疲れていくのがわかりました」
夫からの言葉の暴力や過剰な干渉は、M子さんの自己肯定感を更に奪っていきました。M子さんのやることなすこと全てに文句を言い、「どうしてこんなに何もできないのか」という人格否定の言葉を毎日浴びせ続ける夫。
そのうちM子さんは眠ることができなくなり、食欲も減退してゆきました。
もともとは家事や子育てに一生懸命取り組む方だったというM子さんですが、それらを続ける気力も失われていきました。
「夫の顔を見るだけで緊張してしまうようになりました。夫がため息をつくだけで、自分がまた何か悪いことをしたのではないかと萎縮してしまうんです。私はもう、本当に疲れ切っていました」
M子さんの子どもも、家庭の雰囲気に敏感に反応するようになりました。
「子どもが『パパがママのことを馬鹿にするから、もう宿題は見てもらわないね』と言ったとき、胸が締め付けられる思いがしました。子どもにまで気を使わせている状況に、もうこれ以上は無理だと思いました。」
コロナ禍の在宅勤務による夫婦の距離感の変化は、多くの家庭で新たな問題を引き起こしました。特にモラハラの被害に遭う女性にとって、夫が常に家にいる状況は、逃げ場のないストレスとなります。夫婦は適度な距離感があるからうまくいくので、四六時中夫婦が顔を合わせる時間が多くなるとお互いのストレスが増えて鬱病になる方が多くいます。M子さんもその一人でした。
「パートから帰ってきて一息ついたときにリビングでコーヒーを飲んでいても、夫はすかさず『またサボっているのか。主婦は暇でいいよな、俺が一生懸命働いた金を好きに使っていいご身分だな』と嫌味を言うのです。まるで監視されているみたいですよね。『このコーヒーは私のパート代から出しているから』と必死に言い訳する自分に、『なんでこんなことまで言わないといけないんだろう。私は一体なんなのだろう』と思うようになりました。
M子さんは夜一人になると毎日自然と涙がこぼれ、自分は生きる意味がない、消えてしまいたいという思いでいっぱいになっていました。この家から逃げ出したいと言う思いがどんどん溢れていきました。
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パート先の仲間が私の変化に気づいてくれた
夫のモラハラに悩まされつつも、パート先ではいつも通り働いていたつもりのM子さんでしたが、ある日同じ部門を担当している年上の方が声をかけてきました。彼女はM子さんの顔色が悪く、表情に生気がないことを心配してくれたのです。
「具合が悪そうだけど大丈夫?何かあったら話してね。」と優しい言葉をかけられた瞬間、それまで我慢していた気持ちが溢れ出し、私はつい泣いてしまいました。彼女は私の背中をゆっくりと摩ってくれ、その優しさに触れたことで、誰にも話せなかった夫の態度を全て打ち明けることができました。『M子さんのせいじゃないよ』と言われたその一言に、本当に救われた思いでした」
そのパート先の方はさらに、「私の元夫もモラハラだったのよ。私も夫からの度重なる暴言で自分には価値がないと思い、自己肯定感がなくなっていたわ。でもね、私の人生は私のものだから、夫に支配されることはないと気づいて離婚したのよ。」と話してくれたのだそうです。
M子さんはモラハラという言葉は知っていましたが、それがどんなものか深く追求した時はありませんでした。パート仲間の「モラハラで離婚をした」という言葉をきっかけに、インターネットを駆使してモラハラの情報を集め始めたそうです。
最初は何から手をつければよいのか分からなかったそうですが、様々なウェブサイトや動画サイトに訪れる中で、同じような経験を持つ人々の実体験やアドバイスに触れることができたことが大きな体験となりました。その方達の言葉は、まるで暗闇の中で道標を見つけるような感覚を与えてくれたとM子さんは語ります。
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「心のお守り」を得て…。もう以前の弱い私じゃない
「情報を集める中で、女性支援センターという場所を知り、勇気を持って尋ねてみました。スタッフの方々は私の状況を丁寧に聞き取ってくれ、親身になって相談に乗ってくれました。女性支援センターの具体的なアドバイスは、まさに私が必要としていたものでした。例えば、法的なサポートを受けるための手続きや、経済的な不安を軽減するための支援策について詳しく教えていただきました」
M子さんは離婚にすぐ踏み切ることはしませんでしたが、離婚後の母子家庭の援助などを知ることが心のお守りになったそうです。
その後、夫がいつものように厳しい口調で責めてきたとき、M子さんは冷静にこう言いました。
「私は間違っていないから。あなたがそれ以上言うなら離婚します。」
毅然とした態度のM子さんをみて夫は一瞬ひるみ、そのあと態度が少しずつ変わり始めたといいます。以前のようにM子さんを馬鹿にしたり。責めたりする頻度が減り、むしろM子さんの様子を気にするようになったといいます。
コロナ禍では、夫婦間の適度な距離感を取ることができずにコロナ離婚が激増しました。今もテレワークが普通になり、家で過ごす時間が増えることで、本来は外で解消されるストレスが家庭内に持ち込まれやすくなります。その結果、モラハラが増加しています。
適度な距離感こそ夫婦には大切です。
≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫
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