崩壊へのカウントダウン。「妻が入院したから寂しくて」1年ももたずに浮気した男性の言い分は
OTONA SALONE / 2025年2月8日 20時31分
「誠実な男性」と周囲から評価されていた男性が、自分でも理解しきれない「裏切り」に至った背景には何があったのでしょうか。恩義と自由の狭間で苦悩し、現実から逃げ出したい思いに翻弄されたユキヒサさん。その胸の内には、私たちが見過ごしがちな社会構造や個人の孤独が色濃く浮かび上がっていました。
崩壊へのカウントダウン
── 奥様が退院されたのは、いつ頃だったのでしょうか?
「入院から約1年が経った頃です。最初の手術や治療の経過が良好で、退院のめどが立ったと病院から知らされました。本来なら、心から喜ぶべき出来事ですよね。でも、そのときの僕は“いよいよ現実に向き合わなければならない”という恐怖のほうが大きかった。結局、その女性との関係を清算できないまま、妻を家に迎え入れることになりました。自分でも最低な行為だとわかっています。
退院した妻は『また一緒に暮らせてよかった』『感謝でいっぱい』なんて言ってくれるんですよ。でも、僕はただひたすら後ろめたくて、どこかよそよそしい態度になってしまった。今思えば、その時点で妻も何かを察していたのではないかと想像しています」
── 実際に奥様に浮気が発覚したきっかけは何だったのでしょうか?
「妻が、たまたま僕のスマートフォンを手に取ったのがきっかけです。ロックがかかっていたのでメッセージの内容までは見られなかったのですが、ホーム画面の通知に、その女性からの深夜のメッセージが表示されていました。『早く会いたい』とか『次はいつ家に来る?』といった文言がバッチリ出ていたんです。
僕がシャワーを浴びている間に妻がそれを見て、問い詰められました。そのとき、とっさに嘘をついたのですが、明らかに動揺していたし、妻も『何か隠しているな』と察したと思います。そこから僕の行動に対する警戒が強まり、ある日ついに決定的な証拠——僕と彼女が一緒にいる写真やメッセージ履歴の一部——を見られてしまいました。本当にうかつでした。消し忘れていたものがあったんです」
── その瞬間、どのような心境でしたか?
「頭が真っ白でした。ただ、ひたすら『終わった……』と思いました。信頼を裏切っているという自覚は常にあり、それがいずれ露見するだろうとも、ぼんやり感じていました。しかし、実際に妻の目の前で証拠を突きつけられた瞬間、なんとも言えない絶望感と自責の念に苛まれました。
妻の気持ちを裏切ったことの重さもありますが、それ以上に、妻の退院と回復を『おめでとう、よかったね』と素直に言えなかった自分が惨めでした。あのときは、自分の存在自体が嫌になりましたね」
妻の心は完全に壊れてしまった 次ページ
妻の心は完全に壊れてしまった
── そこから、ご夫婦の関係はどのように変化したのですか?
「妻はすぐには離婚を切り出しませんでした。僕が泣きながら謝罪し、『もう一度やり直したい、二度としない』と誓ったからだと思います。でも、妻の心が完全に壊れてしまったのがわかりました。
普段の会話でも、どこか虚ろな感じがするというか、いつも笑顔でいてくれた人が、魂が抜けたようになってしまった。僕がどれだけ取り繕っても、妻はただ『そう』と応えるだけ。彼女なりに葛藤していたのは明らかでした。その一方で、僕も“なぜこんなことになったのか”を自問自答するようになりました。
どうして妻を裏切る道を選んだのか。なぜ同僚の女性に惹かれてしまったのか。まるで、自分が自分でなくなってしまったような感覚に苦しめられました」
── そのとき、同僚の女性との関係はどうなったのでしょう?
「一応、すぐに別れると決意しました。これ以上、妻への裏切りを続けるわけにはいかないと。しかし、相手の女性は最初、納得してくれませんでした。 『どうして今さら?』とか『私はあなたが本気だと思っていた』とか……。
僕は優柔不断な人間なので、『ごめん、僕には妻がいるから。やり直したいんだ』としか言えず、結果的に彼女を深く傷つけてしまいました。ここでもまた、一人の女性を傷つけることになった。そう考えると、自分がしてきたことは、本当に利己的で恥ずかしいものだったと思います」
── 周囲には相談できる人はいましたか?
「正直、いませんでした。これだけ大きな問題になると、誰に言っていいのかもわからないですし。会社の同僚に打ち明けるわけにもいかないし、両親や兄弟に言うのも気が引けて、一人で抱え込んでいました。インターネットで『浮気 後悔』とか『夫婦 修復』なんて検索して、他の人の事例を探してはため息をついてましたね。そうしているうちに、僕の中にある孤独や、自分自身の幼稚さが一気に噴き出してきました」
── 幼稚さ、というのは具体的にどういうことでしょうか?
「僕は元々、優等生タイプというか、周囲からは真面目で誠実な人間だと見られてきたと思います。でも、それは見方を変えれば、常に『誰かの期待に応えたい』とか、『良い人でありたい』という表面上の姿だったのかもしれません。妻にも優しくしていたのは、もちろん愛情があったからですが、それと同時に『自分が良い夫である』というイメージを守りたかった部分もあると思います。
結局、その仮面が破れたとき、本当に弱い自分が露わになったんですよね。寂しいとか、辛いとか、誰かに頼りたいとか。そういう気持ちをうまく処理できずに、同僚の女性に逃げ込んでしまった結果、すべてを壊す結果になった。これは僕の中で深く反省している部分です」
そして新たな泥沼に 次ページ
再生への道のり、そして新たな泥沼
── その後、奥様との関係はどのようになりましたか?
「妻は退院後も完治とは言えない状態で、徐々に職場復帰をしていきました。僕としては離婚されても仕方ないと思っていたんですが、妻は『もう一度時間をかけて、あなたという人間を見てみる』と言ってくれたんです。だから、家事や病院への付き添いも含めて、僕がやれることをやるしかない。僕に対する信頼はゼロに近い状態でしょうが、どうにか取り戻したいと思っていました」
── 同僚の女性との関係はそこで完全に終わった、という理解でよろしいでしょうか?
(この問いに対して、ユキヒサさんはしばらく沈黙しました。顔を伏せたまま、やがて重い口を開きます)
「実は……退院から数か月後、妻が再検査で入院することになりまして……。結果的には大きな病状の進行はなかったのですが、また看病と仕事の両立が始まったとき、僕のなかで以前の苦しさがぶり返したんです」
── 再び”孤独”を抱えるようになったということでしょうか?
「そうです。妻は少しでも元気になればいいと願っているし、僕もサポートしようと思う。けれど、正直言ってあのときのトラウマが拭えないんですよね。『またいつ終わるとも知れない看病が続くのか』とか『これが自分の人生なのか』と、頭のどこかで逃げたい気持ちが大きくなってしまう。そんなとき、彼女の存在を思い出したんです。彼女のほうも、会社ですれ違うときに見せる表情から、まだ僕に未練があるのが見えました」
── それで、再び連絡をしてしまったと?
「はい……。僕はまた同じ過ちを繰り返してしまいました。一度は決別したのに、彼女にメッセージを送ってしまった。『久しぶり。元気にしてる?』と。返事はすぐに来ました。『待ってたよ』と。そこからは、あっという間に以前の親密な関係が蘇りました」
── つまり、現在も不倫関係が続いているということでしょうか?
「はい……。泥沼なんです。妻は再入院から退院し、今また自宅で療養している状態です。ただ、僕もまた看病と仕事で疲れが溜まり、同僚の彼女のもとに逃げ込むことをやめられない。何度も『もうやめなきゃいけない』と思うんですが、彼女は僕にとって唯一、弱音を吐ける相手でもある。妻には二度とあんな裏切りはしないと誓ったのに、また裏切っている。完全に自分でもどうしようもない最悪の状況に陥っています」
── 奥様はその事実に気づいているのでしょうか?
「まだ決定的にはバレていないと思います。でも、気づいている気がします。なぜなら、入院してから現在までレス状態が続いています。妻はもう以前のように『あなたを信じてる』とは言わなくなりましたから。僕が夜遅くに帰るときの表情は明らかに疑っています。それでも、今は彼女自身の体調も万全ではないからか、追求する気力もないのかもしれません。本当に卑怯ですよね、こんな状況を放置しているなんて。自分でもそう思うんですが、同僚の彼女も『絶対に別れたくない』と言っていて、どこにも逃げ場がないのが正直なところです」
── 浮気の代償をわかっていながら、再度その道を選んでしまった今、どのようなお気持ちでしょうか?
「もう自分がどうしようもなく壊れているんだと感じます。妻が入院しているときにしんどいのは当たり前なのに、そこから逃げたい気持ちが勝ってしまう。社会的にも道徳的にも間違っているとわかっていても、同僚との関係を絶てない。だからといって、妻を捨てる勇気もない。僕は妻に対して『また信じてもらえるよう頑張るから』と言いながら、水面下ではまた同じ裏切りを繰り返している。罪悪感や後悔よりも、むしろ自分でも整理できない感情が渦巻いていて、まさに泥沼に沈んでいく感覚です」
おわりに 孤立、孤独から生まれる問題を考える
ユキヒサさんは現在、再び不倫関係に身を置くことで泥沼の只中に沈んでいます。奥様はかつて以上に傷つき、彼をもう信じられなくなっているかもしれません。浮気相手の女性もまた、この先どんな形でこの関係にさらなる傷を負うかはわからない。三者三様の苦しみが続くなかで、いつか破局的な結末を迎える可能性も高いでしょう。
しかし、一方で「どうしてこんなことになってしまったのか」を、社会全体で考える意義は大きいのではないでしょうか。献身や感謝という美徳が、時に人をがんじがらめに縛り、正直に弱音を吐けない空気を作っているのだとすれば、私たちはそこにメスを入れなくてはなりません。
介護などで誰の手も借りることができなければ、たいていの人は追い込まれていきます。そんなとき”いい人” “誠実な人”というレッテルの裏側に隠れた弱さこそ、真に理解されるべき部分なのかもしれないと感じるインタビューとなりました。
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