子どもを産まない女性の脳からは「コレ」がなくならない。脳研究者に聞く
OTONA SALONE / 2018年1月14日 16時0分
「ただ聞いてほしい女」と「すぐに解決したがる男」。
これは男性脳と女性脳の違いから起こることだと聞く。だから女性の話を、「わかるよ」「そうだね」「大変だったね」と共感して話を聞いてくれる男はモテるという。
一般的に男性は論理を重視した「目的脳」、女性は感情を重視した「共感脳」だと言われている。では同じ女性でも、出産の有無で脳に違いは出るのか? その疑問を胸に脳科学の先生に伺ったところ、驚きの事実が発覚した。
産まずに成熟する脳、産んで成熟する脳
脳科学の専門家であり、感性アナリスト、人工知能研究者の黒川伊保子氏によると、女性脳には二種類の成熟の仕方がある。それは、「産まずに成熟する脳」と「産んで成熟する脳」。この二つは別の成熟の仕方をし、それぞれに特性があるという。では、具体的にどのような違いがあるのだろうか。
子どもを産まないうちは、あれしてこれして、その間にあの処理をしようと、段取りの文脈が長くて詳細にとれる。未産女性の脳は、突き詰めてものを考えられるけど、途中でトラブルが起きたりじゃまが入って、その通りに進まないと苛立ちが大きくなりやすい。未産の私自身、確かに!と思い当たる節がある。
一方、子どもを産むと短い文脈で考えるようになる。子育てをしていると、おむつをかえて家を出ようと思った途端に吐かれるなどのくり返し。長くて詳細な文脈がとれないので、何かあってもそこでリセットでき、比較的腹が立ちにくい。子どもを産んだ女性の脳は、突き詰める能力がなくなるかわりに、臨機応変力、タフさが上がるとは、母親ならではで面白い。
産んだ女性は「アンフェア脳」、産んでいない女性は「公平脳」
さらに、子どもを持った女性の脳は、自分が大切なものを強くデフォルメして、そうではないものを矮小化する。つまり偏りが生じ、客観性が薄れ、ものを公平に見ることができない、いわば「アンフェアな脳」。幼子の母親は、一時期「自分の子どもが、この世のすべて」だと思わないと、子育てなんて到底できないからだとか。
対して、産んでいない女性は子どもがいない分、組織全体のバランスを見ながら人を見守り育てることやプロジェクトを育んでいくことを、安定してできる「公平脳」だという。
脳は欠点だけということはなく、何かが欠けて見えるなら何かが突出してできるようになっていて、様相が異なる二つの脳はどちらも社会に必要との解説に、胸をなで下ろした。
無駄な脳はこの世に一切ない
子どもがいる女性の脳は産んだことを境に位相が変化し、子どもがいない女性は母性をあまねく社会に照射できる脳として成熟していく。脳は無駄なことをしないし、無駄な脳はこの世に一切ないとの黒川氏の言葉に、自信と勇気が湧いてきた。
拙著『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』のなかでは、「子どもがいる女性」と「子どもがいない女性」の違いを深掘りするため、脳科学のほかにも、不妊、母性、心理学、社会学の先生方の見解を載せている。
「子どものいる女性」と「子どものいない女性」との差異を知っておくことは、お互いを理解するうえでも必要なことではないだろうか。立場は違っても、お互いを思いやるために。
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『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』 著者:くどうみやこ
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