持ち家希望は78%だが…「賃貸と持ち家、どちらがお得か」論争に正解はある?
OTONA SALONE / 2018年4月22日 11時30分
40代になり1人暮らしが長くなると、「家賃を払い続けるのは勿体ないのではないか?」とマイホーム購入を検討する人は少なくありません。そうなると気になるのが「賃貸VS持家」どちらがお得なのかについてです。どちらがお得かどうかの論争は永遠のテーマですが、正解はあるのでしょうか?
■賃貸VS持家の記事に惑わされず自分合った選択を
国土交通省の「平成28年度土地問題に関する国民の意識調査」によると、40代で「土地・建物については両方とも所有したい」と答えた人の割合は78%、「建物を所有していれば、土地は借地でも構わない」・「借家(賃貸住宅)でも構わない」と答えた人の割合は19.1%と、持家を希望する人が圧倒的に多い結果となっています。
住宅ローンを借入れして持家を購入した場合、完済後は資産になるため、家賃を支払い続けて資産にならない賃貸より持家の方がお得と考える人も少なくないでしょう。
しかしながら、賃貸VS持家について、どちらがお得なのかについての正解はありません。
不動産の価値は建物の老朽化とともに購入価格より下がる可能性も高いもの。中には確かに、土地の価格が高騰し、購入した価格より売却価格の方が高いというケースもあります。が、不動産投資物件としてではなく、住居として購入するのであれば、土地の価格が高騰したからといって引越しをしない限り売却はできません。つまり、住居として購入した人が土地の価格が高騰したからといって売却するわけではありません。結局のところは、考え方や状況などにより人それぞれベストな選択は異なります。
■それぞれのメリット・デメリット
結局のところ、その都度変わる価値観では総合的には判断できません。ですので、どちらか得なのかではなく、自分にとってどちらが向いているのか、賃貸・持家それぞれのメリットとデメリットを考えて選択するのがいいでしょう。
【賃貸の場合】
<メリット>
・住宅ローンがないので収入の減少などによる破綻リスクによる不安はない
・ライフスタイルの変化に応じて引越しができる
・維持費がかからない
<デメリット>
・内装を変えるなど自分好みにリフォームできない
・家賃を払い続ける不安がある
・資産にならない
【持家の場合】
<メリット>
・住む家を持つという安心感がある
・自分の好みに内装などリフォームできる
・住宅ローンの団体信用生命保険に加入することで、保険の代わりになる
<デメリット>
・気軽に住み替えしづらい
・売却したくても買い手が見つからない、希望価格より下回る価格になるなどの可能性がある
・固定資産税や維持がかかる
賃貸・持家それぞれにメリット・デメリットはあります。
例えば、将来は実家に帰る予定で老後住む家がある、住宅ローンの借り入れがプレッシャーで精神的に負担が大きいという人、転職・結婚・介護などによりライフプランに応じて気軽に引っ越したいという人であれば賃貸が向いているでしょう。
一方、持家を購入することで住居があることの安心感、好きなようにリフォームすることもできます。また、持家でもライフプランの変化に応じて引っ越すことは可能です。ただし、売却しやすい物件という前提はあります。ニーズのないエリアであれば売却して引っ越したくても買い手が見つからない可能性もありますので、ライフプランの変化によって引っ越すこともあるかもという場合は、売却できるかどうかも踏まえて物件を選ぶと良いでしょう。
■シングルで購入した場合の物件管理はどうする?
将来、結婚するかわからないけど老後のことを考えると持家があれば安心という人もいます。購入した場合は、住宅ローン完済後は家賃の心配はありませんが、固定資産税と維持費などのお金はかかってきます。その分については老後までに準備しておく必要があります。また、老後は老人ホームに入居したいので管理など負担と感じるのであれば、売却してお金を作ることもできます。いずれにしてもニーズのあるエリアというのは大前提です。
賃貸VS持家はどちらがお得なのかについて正解はありません。自分にとって、どちらが向いているのかどうかを考え自分に合った生活をしていくことを基準に選択していくのが何よりです。
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今関倫子 ファイナンシャル・プランナー
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP(日本FP協会認定)資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受け、多くの経験を経て独立。個人マネー相談、執筆、マネーセミナーを中心に活動中。FPCafe登録パートナー。
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