1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

岩井志麻子 私も#me too だったのか? キャリア女性とセクハラ問題

OTONA SALONE / 2018年5月15日 21時0分

痴漢された女性に、あなたが派手な格好してたからでしょ、とか。

性被害に遭った女性に、二人きりになるなんてあなたにもその気があったんじゃないの、とか。

さすがにそんな典型的なセカンドレイプみたいなことをいった覚えはないけれど。

はっきりしたセクハラ、#me tooではなく、あれは何だったの、やっぱりセクハラ? でも誰が誰に? 私は被害者なのか? と何かもやもやすることはいくつかある。

 

私って被害者だったの?

若かりし頃、男二人とベッドに入ったことがあった。

それは私にとってモテた記憶、ちやほやされて楽しかった思い出になっていたのに。

ある堅くて真面目な女性に、「それって輪姦されたのよ。あなた被害者なのに、なにへらへらしてんの」と真顔で怒られ、えーっ、私って可哀想な被害者だったの、と驚きつつ、その男達にではなく、その真面目な女性に腹を立てたことがあった。

もっといえば、その真面目な女性にこそセクハラされた、性被害に遭わされたとも感じた。

 

性被害に遭ったのか、遭わされたのか

もしかしたら、彼女のいうことが正しかったのかもしれない。

男達は本当に私をただの性的なおもちゃにして、陰で笑っていたのかもしれない。

そして私がその女性にもっと優しく丁寧に親身にいわれていたら、

「私は被害者だったんだ!あいつら許せない。今から糾弾して社会的に抹殺してやる」といきり立ち、彼女をよき理解者で頼もしい支援者としていたのか。

 

彼女が喜ぶだろうと思ったけれど

そういう私もあるキャリア女性に対し、もしかしてそれに類することをしたかもしれない。

そのキャリア女性は水木しげる先生が描いたような容姿だったが、本人もそれを明るく自虐ネタにし、いつも遠目には男と間違える服装をし、男に対してガッハハと豪快に同性のように振る舞っていたし、フェミニズム思想も強く持っておられた。

だから私は絶対に彼女が喜ぶはずの、もちろん私自身が素直に思ったことをいった。

「あなたはまったく女の武器を使わず、実力だけで出世して偉いですね」

 

彼女に嫌われた理由は

その日から私はこのキャリア女性にものすごく嫌われ、共通の知人にこういわれた。

「私は実力でがんばってきたのに、男に色仕掛けをしたと必ずいわれて困ると、彼女いつも自慢気にいってるよ。いや、彼女をそんなふうにいう人、一人もいないんだけど」

 

 

≪作家 岩井志麻子さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください