#98 どうする?「ただの友達」から告白されたら【40代編集長の婚活記】
OTONA SALONE / 2018年6月20日 17時0分
46歳・未婚・独身、婚活歴1年10カ月のOTONA SALONE編集長アサミ。婚活パーティや婚活アプリ、紹介でのデートを重ねたものの、恋人ができないまま玉砕する日々。
しかし、新たな出会いを求めて立ち寄った新宿のバーで、かつて仲良くしていたカメラマンのロンドンくんと再会。お互いの恋愛事情を話すうちに、もしかして……な状況に!? これは40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
心に刺さった彼の言葉
さっきから心の片隅で引っかかっていた言葉がある。
ロンドン「恋愛は“する”ものじゃない。“落ちちゃう”もの。Fall in Love、っていうでしょ。好きになろうと努力して始まるんじゃない」
ドキッとした。そう考えると、私は恋に落ちたことはなかった。
お付き合いした人は、相手から好意を伝えられて「ありがたい」と思って付き合ったパターンばかり。私がまったく好意を持っていなかったわけじゃないけれど……好きになってくれたから好きになったというのは否めない。少なからず努力……したのかもしれない。
初恋でさえ「努力」で始まる
そもそも私の場合、初恋の始まりからしてこんな状況だった。
実際の恋愛に関していえば「〇〇さんが好き」と初めて公言した=初恋(?)は中1のときで、相手は2歳年上の先輩だった。しかし、それは同級生の女の子たちがみんな「中3の〇〇先輩が好き」と言い始めたから。
休み時間や放課後、先輩が通りかかるときにキャーキャー盛り上がっていた。そのとき私には対象がいなかったので、一緒にキャーキャーしてみたくなり、誰か好きな人を作ることにした。
(中略)数人、別の小学校からきた人達がいて、その数少ない中から一番カッコよさそうな雰囲気だった人……T先輩を「好きな人」にすることにした。
まったくもって、恋に“落ちて”いない。考えて好きになっている(笑)。
みんなとキャーキャー盛り上がりたいから、なんとかして好きな人を作ったって……初恋って言っていいんだろうか(苦笑)。ま、これはこれで楽しかったけれど。
自分の感情にブレーキを
恋愛を9年以上、していない。
そんな私を、「恋愛センサーが鈍感」なのだとロンドンくんは言った。
恋愛センサーが働かないのは「考えすぎという思考回路のせい」とも言った。
確かに、そうかもしれない。
好き、会いたい、話したいという感情が出てくる前に、相手が迷惑に思うんじゃないか、今の関係性が壊れるのはイヤだみたいなことを考えてしまう。
自分の感情にブレーキをかけたていた。
そうすることで「恋」と認定しなかったこともある気がする。お付き合いしていた人に「オレのこと別に好きじゃないでしょ」と思わせたこともある。
友達のままでいるために。
自分の気持ちの高まりを隠すために。
「ただの友達」という思い込み
ロンドンくんは……「仕事相手」であり、「ただの友達」。それ以上でも以下でもない。
知り合ってから10数年、ずっとそういう関係だった。
気が合うし、一緒にいて楽しい人だとは思う。だけど、お互いの元恋人も知っているし、恋愛対象として考えたこともなかった。お互いにそう言ってたし、女友達みたいなものだと思ってたから。
だけど、さっきから意味深な言葉を口にするロンドンくん。
「ただの友達だから恋愛対象にならない」という私の「考えすぎな思考回路」を、やめるときが来たのかもしれない。
「考えすぎ」をやめてみる
正直、聞くのがちょっと怖い……。だけど、もう考えすぎはやめよう。素直に聞こう。
ロンドンくんが何度か言いかけていた、意味深な言葉の続きを尋ねた。
アサミ「さっき、好きな人できたって言ってたけど……」
ロンドン「うん。だから今日、恋に落ちちゃったんだと思う」
アサミ「昨日までは違ったのに」
ロンドン「そう。前からずっと魅力的だとは思ってたよ。一緒にいて楽しいし、ホッとするし。でもずっと魅力センサー止まりだった。だけど……」
アサミ「恋愛センサーが反応した?」
ロンドン「そう。今日このバーでいろいろ話して……魅力センサーから恋愛センサーに伝達したみたい」
アサミ「うん……」
ロンドン「アサミちゃん、僕ね……好きになっちゃった」
恋愛はケ セラ セラ
いよいよ来る……!
スペイン語で「なるようになる」という意味のカクテル「Que Sera, Sera(ケセラセラ)」を口にして、彼の言葉の続きを待った。
ゴクリ。
カクテルを飲む喉が鳴った。私はいま、緊張している。告白されたら、私は何て答えよう……。
ロンドン「あ、どうしよう」
小さな声で彼がつぶやいた。さっきまで私に恋愛論を語っていた彼とは、また違う表情を見せた。間接照明のバーであってもわかるくらい、耳が赤い。照れている? 彼も、緊張しているんだ。
アサミ「大丈夫? ちょっと酔ってきた? お水、もらおうか?」
たぶん告白をしてくるであろうロンドンくん。彼の緊張を少しでもほぐせたら、と思った。
ロンドン「ううん。今日はそんなに飲んでないし、大丈夫。ありがと」
照れてる彼にキュンとする
ロンドンくんは顔を両手で覆った。本当に照れている。ちょっと可愛い……かも。そして恥ずかしそうに小さな声でこう言った。
ロンドン「笑わない?」
アサミ「うん。笑わない」
ずっとただの友達関係だったから、その先に進むための一歩は意外と勇気がいる。笑われるかもしれないと思うロンドンくんの気持ちはよくわかる。
ロンドン「ロンドンにいる7年で4人と付き合ったって言ったけど……実はそこまで本気じゃなかったかもしれない。さみしかったんだと思う」
アサミ「さみしかった?」
ロンドン「うん。それなりに英語は勉強したし上達したと思うけど、やっぱりネイティブじゃないし、伝えたいことがうまく伝わらないストレスが……あったかも。だから、なんとなく付き合ってた」
アサミ「さみしさを紛らわせたくて?」
ロンドン「たぶんね。日本に帰ってきて、言いたいこと言えて、聞いてもらえて……すごく癒されるのがわかった」
「好きになっちゃった人」って
そうか……。さみしかったんだ。彼は癒しを求めていたんだ。
アサミ「ここで癒された?」
ロンドン「うん。ちょっとずつ感じてたんだけど、このホッとする感じが幸せだなってわかって」
さみしさからの癒し……。だから、こんな宗旨替えのような気持ちになったのね。数年前は平然と偽装彼女をお願いするくらい、何とも思っていなかったわけだから。
グラスのそばに置いていた私の手の上に、スッと自分の手を重ねてきた彼。たぶん私も、顔が赤くなっているはず。
ロンドン「好きになっちゃったんだ」
アサミ「うん……」
あぁ、ついに「ただの友達」から告白されるんだ。
100%、200%恋愛対象にならないって、お互いに思っていたのに。友達の関係を壊すのが怖いと思っていたのに。だけど、そういう思考回路が私の恋愛センサーを阻んでいたんだから、もうやめる。自分に素直に、なるように……なれ!
ロンドン「この人のことが……♡」
彼は恥ずかしそうに指をさしながら言った。そして、その指の先にいるのは……マスターだった。
【ロンドンくんが好きになった人って、え、そういうコト⁉ 6月27日(水)17時の更新をお楽しみに】
≪OTONA SALONE編集長・婚活コラムニスト 浅見悦子さんの他の記事をチェック!≫
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