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まさか「行けれる」なんて言わないよね? 教養のなさが見えちゃう「れ足す言葉」って?

OTONA SALONE / 2018年7月9日 11時30分

「れ足す言葉」という、言葉があります。「ら抜き言葉」は有名なので、ご存じの方も多いと思いますが、「れ足す言葉」とはいったいどのような言葉なのでしょうか。

 

可能を表すのに、ついつい「れ」を入れてしまう「れ足す言葉」

例えば、
「このお店、週末に覗いてこようと思うんだけど、行ける人いますか?」
という質問に対し、参加可能の意思表示として
「私。行けれる!」
と答える人がいます。
この「行けれる」が「れ足す言葉」なのです。可能の「できる」という意味を「行く」に足したわけですが、これは誤用。この場合は、普通に「行ける」でOKなのです。

 

「行かれる?」「行ける!」さあ、何が悪い?

質問が悪い場合もあります。

この「れ足す言葉」、実は質問に引きずられてしまうという原因があります。
例えば、先ほどの例
「このお店、週末に覗いてこようと思うんだけど、行ける人いますか?」
が次のような問いかけだったらどうでしょう?

「このお店、週末に覗いてこようと思うんだけど、行かれる?」
「行けれる!」

「行かれる?」
「行ける!」

リズムも良いですし、この会話は成立しているように思えますよね。
でもここは、そもそも「行かれる」がミス。
この場合は正しくは「行ける?」が正解です。言葉のことをよく分かっていない人は、「可能」の意味を含ませようとして、なんとか「ら」や「れ」を入れる風潮があるようです。
しかし、これは誤用です。「可能」を表したければ「行ける?」でいいのです。簡単ですよね。

ただし、「行かれる」で良い場合もあります。尊敬語として表現する場合です。

「先生は、今からどちらに行かれますか?」

ただし、「行かれる」は尊敬語の中では丁寧さの度合いが低いので、普通は「いらっしゃる」「おいでになる」などを使います。

「このお店、週末に覗いてこようと思うんだけど、行かれる?」
この場合は、文脈から考えて、敬語表現ではないことが分かりますので、この場合は「行かれる?」の方が相応しくないということになります。友達同士の会話のようですし、最初の文の通り、ここは「行ける?」でOKなのです。

 

意外と耳にする 「書けれる」

こちらも字面を見ると「そんなこと言わないでしょう?」と思うかもしれませんね。「食べれる」ほどの出現率ではありませんが、意外に多い誤用です。ちなみに「食べれる」は「ら抜き言葉」です。
「書けれる」は「書ける」でOKです。簡単ですよね。

 

全部アウト!「飲めれる」 「読めれる」「出せれる」

同じく一斉にアウトなのが、 「飲めれる」 「読めれる」「出せれる」などです。
これだけ並ぶと、「そんなこと言わないよ-」と感じるかもしれませんが、少し注意してみてください。意外と使っている人がいます。

「もう、そんなに飲めれないってば!」
「今晩中にこれが読めれる気がしない」
「資料、いつまでに、出せれるって感じ?」

そんなくだけた言葉の中にも登場します。

また、敬語を使うべきシーンでも登場します。これは、さきほど申し上げたように「ら」や「れ」を入れると敬語っぽくなると思ってテキトーに差し込んでいる人が多いからです。

「申し訳ございません。もう、これ以上は飲めれません。」
「今晩中にこの書籍を読めれる気が致しません。」
「資料はいつまでに、出せれるか、お返事をいただけたらと思います。」

話している方を見ると、自分で口に出している言葉について「なんか、変だな」と思いながら話しているという顔付きですが、このように敬語に交じって誤用を見つけることが多いです。
これが新人さんですと、緊張しているのかな、まだ使いこなせていないのかな、ともくみ取れますが、
30代、40代女性ですと、教養のなさを感じてしまうのが厳しいところ。気をつけたいものですね。

 

「ら抜き言葉」より注意しにくい

「ら抜き言葉」は有名ですよね。私もコラムで書きました。

ついつい使いがちな「ら抜き言葉」3大NGは来れる・見れる、もう1つは
https://otonasalone.jp/50881/

とても煙たがられますが、私は自分の友人には「ら抜き言葉」を注意しています。言葉は時代と共に変わるものという考えもありますが、踏ん張る人がいてもいい、私はその立場でいたいと思っているからです。
そんな私も「れ足す言葉」はとても注意しにくいのです。
「ら抜き言葉」と違い、例えば「行かれる」を「行ける」に戻す感覚で、単純に解決できるので、その分、どうしてこんな簡単なことを「れ」を足せば可能や尊敬になると思ってしまうのか、という点が非常にレベルが低い気がするからです。

「食べれる」と言ってしまう友人に「食べれる」はら抜き言葉で「食べられる」が正解だよ、というのは言えるのですが、
「行けれる」と言ってしまう友人には、「どうせ注意したって分からないかもしれない」という言葉レベルの低さを感じるからです。
「行ける」でOKなんだよと解説するのも、小学生相手ならまだしも、このレベルの大人に対しては、注意するのは失礼すぎるかなと感じるのです。

そんなふうに、教養がないなどとがっかりされないよう、れ足す言葉には十分注意しましょう。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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