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もし、知らない間に勝手に離婚届を出されたら? 狡猾な元夫との壮絶法廷記#1

OTONA SALONE / 2018年9月16日 22時0分

泥沼離婚』という言葉を聞いたら、どんな離婚をイメージしますか? 不倫の末、不倫相手の女に子供ができ夫は離婚を決意、それを知った妻が激怒、両親や周囲を巻き込んだ修羅場になり、最後は…。

 

なんて、映画のような泥沼離婚もあり得るかもしれません。このような場合、当事者や周囲の心情は別として、あくまで法的に考えると、離婚時に問題になるのは大きく分けて『有責配偶者からの離婚請求(※)』『慰謝料請求』『財産分与』『親権』『面会交流』の5つになるかと思います。

 

これらの問題は、『離婚裁判』という1つの裁判によって問題を解決できるので、当事者やその周囲の人たちの感情(慰謝料ははらわないと主張、離婚を拒否など)によって問題がこじれない限り、裁判も泥沼のような複雑さにはならないでしょう。

しかし、今回は弁護士も嫌になるような泥沼離婚。『【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3』で紹介した、婚姻届と同時に離婚届を書かせた男とその元妻の、果てしない裁判での争いについて法律的な観点を交えて話そうと思います。

 

※有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは、不法行為(不倫、DVなど)等によって夫婦関係を破綻させる原因をつくった配偶者を指します。原則として、有責配偶者からの離婚の請求は、裁判では認められていません。

 

すべての始まりは「帰省」だった

ことの始まりは去年の1月。普段仕事で忙しい夫のよし夫(仮名)はある日、連休を取り

3日間実家に帰るね

と妻のまゆこ(仮名)に言い残し、子供を連れて実家に帰りました。

 

キャリアウーマンのまゆこは、子供がいない寂しさを感じつつも、家事をしなくていい解放感に浸りながら、3日間を気ままに過ごしていました。

しかし、よし夫と子供は3日を過ぎても一向に帰ってきません。

電話をかけても、連絡がつかない! 普段ならあり得ないことに慌てふためくまゆこでしたが、一週間後さらに驚くことが起こりました。なんと、よし夫が「離婚したからと連絡をしてきたのです。

要するに、よし夫が勝手に離婚届を提出してしまったのです。

 

離婚届は一方が勝手に記入し、提出すると『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。

しかし、この離婚届は、よし夫と結婚する際に口車に乗せられ、まゆこ自身が記入したものでした。

(親権などの詳細は、勝手に変更されていました)

 

後々判明したようですが、よし夫は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう…

 

さらによし夫は、家を出ていった際に、まゆことの共同預貯金をすべて持ち出していたのです。

しかし、そんな夫でもまだ愛情が残っていたので、帰ってくるよう必死に懇願したまゆこですが、よし夫の頑なな拒絶や子供に会わせてもらえない現状に、夫婦関係の修復を諦め、自分の主張を通した離婚できるよう、本格的に行動することを決意しました。

 

よし夫が家を出て1年…。まゆことよし夫による壮絶な争いの火蓋が切って落とされました。

 

よし夫vsまゆこ、離婚騒動における問題点は?

離婚の話を一切されずに家を出ていかれたため、精神的にも経済的にも大きな損害を受けたまゆこの希望は以下のとおりです。

  1. 親権を取り戻し、子供の籍を自分の戸籍に入れたい
  2. この日々の精神的苦痛に対する慰謝料を請求したい
  3. 財産分与で自分の財産を取り戻したい

離婚時に一般女性が望むことと大差ありません。しかし、既に離婚届が提出されていることが離婚問題を複雑にしているのです。

 

最大の問題は親権。離婚後に親権は変更できる?

親権の変更はまゆこの悲願ともいえるでしょう。離婚後に裁判所をとおして親権を変更する手続きを取ることもできますが、容易ではありません。

裁判所は、現状の監護状況や生活環境が子供の発育に問題ないのであれば、無理に変更を加えるのをよしとしません。

これは、安定している現状を崩すことが、子供の精神的な負担や人格形成に悪影響をおよぼす可能性を懸念しているからです。

 

変更が認められる状況の具体例として、親権者が死亡したり、親権者の監護が不十分で子供への悪影響が懸念されたりする場合が挙げられます。

 

よし夫は実家に帰ったため、自身で監護できない場合でも祖父母を頼ることにより十分に監護できている状態で、子供との関係も安定しています。また、経済的にもよし夫の方が安定しています(財産をすべて持って行ったため)ので、変更が難しい状況と言わざるを得ません。

 

しかし、まゆこの場合、離婚届を書き換えられた上に勝手に出されたという経緯がありますので、親権を変更するのではなく『家庭裁判を通し離婚を白紙に戻し、再度親権を決め直して離婚届を提出する』という方法もあります(実際、まゆこはこの方法でよし夫に挑みました)。

 

まとめ

離婚の事実を一度白紙へと戻す調停に挑むまゆこ(と弁護士)の前に立ちはだかる、頭脳明晰なよし夫(実際に有名大学を出ているらしい…)。

まゆこは、離婚を白紙に戻せるのでしょうか?

 

…次回につづく。

 

*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)

 

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