「保険なのにお金も増える」FPだけが知っている3つの方法
OTONA SALONE / 2018年10月23日 11時30分
保険というと「あやしい」「うさんくさい」「めんどくさい」というイメージがありませんか?確かに昼休みにアメちゃんを配りにくる保険外交員さんのしつこい勧誘でイヤな思いをしたことがあるかもしれません。しかし、使いようによっては保険でお金を増やすこともできるのです。保険会社出身のFPだから知っている「知っていて損はない保険でお金を増やす」3つの方法を紹介します。
保険でお金を増やす方法①税金が安くなる
11月になると勤務先から年末調整のための書類を出すように連絡がきませんか?年末調整とはその年の1月から12月までお給料やボーナスをいくら払ったかまとめ、健康保険や厚生年金をいくら払ったか、扶養している家族は何人いるか、シングルマザーなのかなど税金の計算の基礎になる「課税所得」を下げる「ネタ」となる「控除」をふまえて所得税を計算し、毎月お給料から引かれていた所得税を「年末に調整」するものです。つまり、控除になる「ネタ」が多ければ税金が返ってくることになります。
生命保険に加入していて届いた「生命保険料控除証明書」は控除になる「ネタ」のひとつです。勤務先に提出すると、1月のお給料に「年末調整による所得税還付」などと書かれて払いすぎていた所得税を返してもらえます。それが生命保険料控除です。
では、具体的にいくらくらい税金が戻ってくるのでしょうか?生命保険に年間8万円以上支払うと4万円控除になります。といっても4万円も戻ってくるわけではありません。所得税は、計算の基礎になる「課税所得」に税率をかけて計算します。手取り22万円ほどであれば所得税率は5%なので、控除額4万円×5%=2000円所得税が戻ってくることになります。さらに住民税は年間2800円安くなるので、所得税と住民税を合わせると4800円の節税効果です。※所得が多くなると所得税率は上がるため、所得の多い人はメリットが大きくなります。
つまり、年間8万円の積立になる保険(解約金が貯まる保険)で4800円税金が安くなることになり、利回りにすると6%になるのです。へぇ、そんなもんか…と思ったあなたは要注意。この6%はスゴイ数字なのです。現在の定期預金金利はなんと0.01%。8万円でつく利息は8円だけです。(しかもこの8円からも税金がひかれるので6円になります)20年後に200万円を貯める目標で月8000円ほどを積み立てられる保険に加入すると毎年4800円税金が安くなり、20年で総額9万6000円税金を安くできることになります。
この控除は、死亡時の保障の新生命保険料控除とは別枠で年金保険料控除もあります。死亡保障系の解約金が貯まる保険に年間16万円払っても控除になるのは4万円ですが、死亡系の保険に年間8万円、年金保険に年間8万円積み立てると2枠使えるので8万円控除になるのです。同じ金額を保険で積み立てても、仕分けをすることで税金が2倍安くなるので何にいくら保険をかけるか内訳をしっかり考えましょう。
保険でお金を増やす方法②証券会社にいかなくても投資ができる
投資に興味はあっても証券会社に口座をつくるのは面倒でよくわからないという人も多いようです。「変額保険」に加入すると保険料の一部を外国株、日本株、新興国債券など自由に割合を設定して積立投資することができます。
メリットは、証券会社に口座を作らずに投資をスタートできること、死亡した場合に積立額以上の死亡保障があること、生命保険料控除が受けられること、利益が出て解約した場合一時所得扱いになり実質50万円以上の利益でなければ税金がかからないことです。お葬式代など少し死亡保障は欲しいし投資もしてみたいという人に向いています。
デメリットは、保険なので保険料の一部が死亡保障の保障料になるので、積立額の全額が投資にならないこと、10年ほど解約控除というペナルティがあるので短期で解約するとかなり損になることです。投資するなら保険は悪と決めつけているネット記事もありますが、目的に応じて上手に活用すれば悪いものではありません。
保険でお金を増やす方法③外貨積立もできる
日本の金利が低いなか、海外の金利はとても魅力的です。外貨口座を作って外貨の定期預金をする人も増えてきましたが少し面倒ではありませんか?外貨建ての保険なら、保険で外貨の積立をすることができます。メリットは、円建ての保険より保障を多くできる、円建ての保険より解約返戻率が高い、生命保険料控除が受けられることです。
デメリットは、保険料を毎月円に換算するタイプの場合毎月の保険料が変わってしまう(毎月80ドルの保険の場合、1ドル100円なら8000円ですが、1ドル120円なら9600円、1ドル80円なら6400円になります)、解約金や満期金を受け取りたい時に円高なら元本割れになる可能性があることです。
保険屋さんは、外貨保険の設計書で返戻率の良さを猛アピールして積極的に販売しているようですが、返戻率120%としても、現在1ドル112円(2018年10月22日)ほどですが20%為替が変動し1ドル93.3円より円高になれば元本割れです。
2008年リーマンショックで1ドル87円に。2011年東日本大震災で史上最低の1ドル76円に。2014年日銀の黒田総裁の金融緩和第2弾発表で120円にとこの6年で44円の幅があります。利率に注目しすぎて外貨過多になりすぎるのは禁物ですが、通貨分散の一部として活用する程度で利用してもよいでしょう。
まとめ
少し難しいお話になりましたが、保険も使い方によってはお金を増やす方法になります。ただ定期預金や普通預金に入れておいてもほとんど利息はつきません。お金の「置き場所」を工夫してしっかりお金を増やしていきましょう。
稲村優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)、心理カウンセラー
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録パートナー。
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*公式ブログ 「FP優貴子のマネーライフ・エッセンス」
http://ameblo.jp/cfp-inamura/
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