「本来の自分らしく」生きたい人に。今あなたが見落としていることは
OTONA SALONE / 2018年11月17日 20時30分
つい、明日の仕事のことや遠い将来のことをぐるぐる考えてしまって、
ふと頭によぎる、ささやかな興味や関心は後回しにしていませんか?
なんなら、そのまま忘れてしまったりして。
『種』のカードを引くと、解説の文章にはこう書いてあります。
ささやかなことでも見逃さないように。
今気になっているそれこそが、あなたをあなたらしく生かし
本来のあなたと出会わせてくれるものです。
電話の中吊り広告やテレビのCMに何気なく目をやると、
なぜだかたまに、すっと頭に入ってくる単語やフレーズがあります。
それから、ぼんやりとこう思うんです。
ああ、そういえば、英会話をはじめたいと思っていたなあとか、
昔あの場所に行ったことがあったな、また行きたいな、とか。
なんだかちょっと気になること。
これが『種』なのだそうです。
大樹に育って実をつけるためのエネルギーは、すでに備わっているのだそう。
だからあとは、ていねいに水をやるだけ。
どの種がわたしを満足させてくれるのか、すぐには分からないけれど、
どの種にも、まだ見ぬしあわせの可能性が眠っている。
そう考えたら、水をあげたくなってきました。
明日の朝、電車の中で、気になっていたレッスの予約をしてみようだとか、
久しぶりのあの人に、少し連絡してみようだとか。
そういう小さくてささやかなエネルギーが、1年後、
なぜだか海外で暮らしていたり、思わぬ縁に恵まれることになったり
想像を超えた、自分だけのおもしろい未来をつくってくれるのです。
『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』の作詞をした、詩人の覚 和歌子さん。
彼女の手がけたタロットカード「ポエタロ」(ポエム+タロット)をめくりながら、
覚さんから毎話1テーマずつメッセージが届きます。
今回の覚 和歌子さんのエッセイテーマは『種』。
手元にナッツのご用意を。
【種】かめかめぽりぽり
昔好きだった彼はナッツを好んで食べるひとだった。
ナッツさえ食べていれば人は生きていけると信じていた。
事実あまり寝ないのにいつもハツラツとしていたし、
考え方も真っ直ぐで明晰だった。
西洋の栄養学と違って、
スピリチュアリズムでは、食べ物はその栄養素ではなく、
そこにつちかった太陽や水や土や人の手のエネルギーを問題にする。
種には、芽を出し双葉をひらき茎をのばし、
やがて大樹に育って実をつけるためのすべてのエネルギーが、
すでにみっちりたくわえられているのだ。
中学の生物の授業では、
ピーナッツ半かけには2時間直立しているだけのカロリーがあると教わった。
実験と称して半かけを食べたのち、
掃除をさぼった罰で先生に「さっき食ったから大丈夫だよな」と言われて
廊下に立たされている男子はあわれだった。
ともあれナッツさえ食べていれば大丈夫。
お腹いっぱいという感覚にならなくても、
エネルギー的な充実感が感じられれば身体が喜んでいるということ。
縄文人たちはひまわりの種やどんぐりをぽりぽりかじりながら
そんなことを考えていたかどうか。
未来に有機的な思いのある人や、
ていねいに育てていきたい物事のあるひとに
よく出る「種」のカード。
好きだった人のナッツを噛む小気味良い音が、
今でも縄文の小さな打楽器のように記憶の底にこだまする。
***
覚 和歌子
詩人・作詞家
山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。
***
「ポエタロ」とは?
「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。
47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、
かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。
使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、
その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。
1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、
なかなか超えられない壁に直面しているときに。
そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、
次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。
あなたの心強い味方になってくれるはず。
から
『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』
覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社
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