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恋愛がうまくいかない人、解決のキーワードは「男性性」かも?

OTONA SALONE / 2018年12月1日 20時30分

『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』の作詞をした詩人の覚 和歌子さん。

彼女が手がけたタロットカード「ポエタロ」から、毎話1テーマずつ、カードに沿った覚さんのエッセイをお届けします。

 

今回のテーマは「男」。

一生懸命突き進んでいるはずなのに、頑張っているはずなのに。

なんだか思うように事が運ばなかったり、疲れてしまっているなら、解決のキーワードは「あなたの中の男性性」です。

 

「男」のカードを引くと、解説の文章にはこう書いてあります。

 

この恋愛が、人として足らない自分を許し愛するように相手を想っているものなのか、

自分に恋しているつまり自己愛の投影なのかは、あなたがいちばんよく知っていますね

 

社会の荒波の中で勇ましく生きていると、求められるのはいつだって、

競争社会で勝ち抜いていくための、攻撃的・能動的な自分。

「男性性」という言葉でしばしば代弁される、肩に力の入ってしまうような、自己意識の強い性質たちです。

仕事のみならず恋愛にまで、そんな姿勢で臨んでいませんか?

日常生活や友達との会話にまで、つい自己の強めな戦闘モードを引きずってしまったりして。

 

解説の文章には、こうとも書いてあります。

 

相手のどんな部分に恋しているか、見つめてみましょう

 

いずれにせよ、男女の枠に関係なく、誰しもが「男性性」「女性性」という言葉に表されるような様々な側面を持っています。

ハードな毎日を過ごしていると、つい、戦闘モードにどっぷり浸かってしまいがちです。

大切なのは、自分の中の、伸びやかな女性性にもきちんと耳を傾けてあげること。

たまには戦闘モードの甲冑をはずして、純粋な好奇心と素直に向き合ってみること。

 

経験を重ねるほどに、「これが、わたし」というアイデンティティも強固なものになっていってしまいます。

「わたし」として認めたくない部分も許容してあげたり、少し立ち止まって、もっと伸びやかで自由なコミュニケーションに身をゆだねてみたら

今まで見えていなかった、思いもよらない選択肢に気づけるかもしれません。

 

【男】男たちよ、ごくろうさまでした

地球は今、男性から女性の主導へと変わっている最中だと言う。

 

必死に懸命に戦ってきた男たちよ。

あなたがたは本当によくやった。

えらかった。

 

だがあなたがたが大切にしてきたもの、

国境、民族や家族のプライド、

財産や学歴や家柄というステイタス、

それらは本当に人間が命がけで守るべきものだったのだろうか。

 

はじめから誰の所有物でもなく、

それゆえに奪われ損なわれるものでもなく、

奪われないなら守る必要もない、

それは全て幻想だったのではないだろうか。

 

そのことに女たちはうすうす気づきつつある。

誰に教わるでもなく、

むしろ教わらないことの方に真実があることを知ってしまって、

自分の頭と身体で考えることを始めてしまった。

 

女たちが世の中を回し始めれば、戦いは確実に減るだろう

すべての国が

「いちにのさん」で武器を捨てればいいだけなのだと

女たちは知っている。

 

子どもや老人、障がいのある人、性的マイノリティー、といった

社会的立場の弱い人たちと共存協働する感覚を持てない女、

仕事の頑張りこそがアイデンティティだという「男化」している、

そんな女たちがふえている現代、

「男」のカードは、攻撃性、積極性、主体性などへの見直しとともに、

反対の受容や許容といった

女性性への気づきをうながされるような場合にもしばしば登場する。

 

***

 

覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho

詩人・作詞家

山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。

 

***

 

ポエタロ」とは?

「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。

47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、

かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。

使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、

その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。

1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、

なかなか超えられない壁に直面しているときに。

そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、

次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。

あなたの心強い味方になってくれるはず

 

から

『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』

覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社

 

≪詩人・作詞家 覚 和歌子さんの他の記事をチェック!≫

 

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