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40代、おひとりさまを満喫する私の「結婚」にまつわる生きづらさ

OTONA SALONE / 2018年12月5日 21時0分

別に誇っても恥じてもいないが、私は四十数年の人生において、一度も結婚していない。する予定もない。

「国立社会保障・人口問題研究所」の「人口統計資料集2018」によれば、50歳まで一度も結婚したことのない人の割合を示す「生涯未婚率」(45〜49歳の未婚率と、50~54歳の未婚率の平均)は、男性の場合は23.4パーセントで、女性の場合は14.1パーセントとなっている(2015年の国勢調査より)。

生涯未婚で過ごす人間も決して少なくはない現在でも、未婚でいることで、「生きづらい」と感じることは少なからずある。

 

現在進行系で「結婚しない生きづらさ」を背負っている人へ

「結婚」という言葉は、私の人生とはあまりに関係なさすぎてどうも現実味がない。たとえていえば、私にとっては「参院選出馬」「宇宙旅行」「FA権獲得」くらい、遠い世界の出来事だ。

 

まず断っておくが、私は「恋愛」とか「結婚」とかに興味がない。20代から30代半ばにかけてはいろいろな人からくだらない質問をされたり、一方的な価値観を押し付けられたりすることが多く、辟易していた。マジうざい、滅びろ!と思った。「結婚」に関心のない私ですらそうなのだから、「結婚」したい未婚女性で心に深い傷を負った人、現在進行形で「負っている」人は多いと思う。胸が痛む。

 

まだおぼこかった当時は、そういったある種の「暴力」と正面から闘っていたが、ある頃からそんな気もおこらなくなった。凝り固まった価値観の視野の狭い人間と本気で闘っても体力と時間の無駄だということに気づいたことに加え、本気でどうでもよくなったのだ。もはや周囲の視線も気にならない。40歳の壁を超えてから、だいぶ生きやすくなったことを実感している。

 

40歳を過ぎて私が「ラク」になった理由とは

絶賛婚活中の編集長のアサミさんからは、「どんな風にその心境に至ったのか書いてほしい」と言われたのだが、正直、価値観とか好みの問題だったりする。エビが好きな人は多いけど、私は春菊が好きですよ的な。ただ、恋愛至上主義の女性たちとは異なる生き方をしてきて、早四半世紀。不便に感じたこと、憤りを覚えたことはたくさんある。そんなところを書いてみたいと思う。って、そんなの読んで誰が楽しいんだって気もするけど(笑)。

 

私にも恋人がいたこともある。興味本位ではあるが、友人と婚活パーティーに参加したこともあるし、占い師に「私、結婚しますかね」と聞いたこともある。ただ、どれも片手で(余裕で!)お釣りがくるほどの人数や回数で、いずれも私の人生においては記憶と記録に残るレアな体験だ。

 

女子高で3年間を過ごした私にとって、最初に大きな違和感を覚えたのは大学時代だった。女友達とのおしゃべりのテーマのほとんどが「男」なのだ。別につまらなかったわけではないけど、それにしても「男」テーマの話題のボリュームが多すぎるっての! そして、ようやく気づいた。もしや、多くの女性にとって、恋愛とか結婚、そして出産というのは人生における大きなトピックだったりするのかもしれない。それはもちろん悪いことではないし、私のような考え方のほうが少数派だということも理解している。しかし価値観は人それぞれだ。

 

だからね、それでいいじゃない! それなのに誰もが自分が同じ価値観を持っていると思い込んでいる人、自分の価値観を押し付けることがいかに多いことか。そして敵を増やすことを覚悟で敢えて書くけれど、そういった偏った視野を持つ人は女性に多い気がする。いや、もしかしたら男性は、思ってはいても、このご時世、異性である私にデリケートな発言ができないだけかもしれないけれど。

 

私はひとりが好きなの。他人と暮らす気はさらさらないの。誰にも気兼ねせず、自由に生きていきたいの! さすがにもうン十年、熱弁をふるっているので、友人たちは私が結婚にまったく興味がないことを理解してくれていると思う。もしくは、40歳を過ぎても結婚する気配がない女にそんな質問をするのが怖くなったのか、更年期をはじめとする健康問題とか、親の介護とか語るべく別のトピックが出てきたせいか、かつて私をイラつかせた、「結婚しないの?」「早くあやちゃんにもいい人できるといいね」などという質問や発言はされなくなった。ほんっとーに良かった。年を重ねるのは悪いことばかりじゃない。容姿レベルや記憶力、代謝は落ちているけれど、若い頃より「自由」になれたと実感している。

 

なんて書いてみながら、ちょっと去来するもの

とはいうものの、いま書いていて、久しぶりに憤りが蘇ってきた(笑)。「早くあやちゃんにもいい人できるといいね」って、もはやどこをどう突っ込んでいいかわからないトンデモ発言だと思う。まず第一にあなたが言うところの「いい人」が、人生に必要ないと思っている相手への価値観の押しつけ。

 

そして、「早くあやちゃんに“も”」の“も”って一体なんですか? どこにかかるの? もしかして、あなたの恋人や配偶者? ふーん(以下、自主規制)。そうだ! 高校時代の友人と4人とランチをしていたときのことだ。私以外の3人は既婚者なのだが、なにかの話題の拍子に一人が「結婚したくない女性はいないよね」と言ってちらっと私の顔を見たことがある。……なんであなたの価値観=すべての人の価値観だと思うかなあ。15年以上前のことだが、今も忘れられない。

 

そして、あまりの衝撃に何も言い返せなかったが、いったいどう答えるのが正解だったのだろうか。今、同じことを言われても言い返せないかも(笑)。

 

過去を振り返ってみて改めて思う。少なくとも私に「結婚しないの?」「いい人現れるといいね」などと言ってきた人の多くは、無邪気で視野が狭く、なぜか上から目線の既婚者の女性だった。

 

【長谷川あやのおひとりさま道・つづく】

 

≪独女快楽ライフ研究家、ライフスタイルジャーナリスト 長谷川あやさんの他の記事をチェック!≫

 

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