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答えの見えない恋。納得できる次のステップへ進むために

OTONA SALONE / 2018年12月15日 20時30分

「か・が・み」の三文字のうち、真ん中の「が」を抜くと

「かみ」になることはよく言われます。

「が」はすなわち「我=自分」。

鏡はありのままの自分と正面から向き合い続けることの象徴です。

 

……いったいどういうことなの?

『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』の作詞をした詩人の覚 和歌子さんが

手がけたタロットカード「ポエタロ」から、毎話1テーマずつ、カードに沿った覚さんのエッセイをお届けします。

 

この行先のわからない恋愛、わたしはどうすればいいのか

覚さんのエッセイをご紹介する前に、この原稿を書いているわたしの話を。

 

「わたしは一体どうしたら良いんですか?」

 

いくら考えても、ぜんぜん次に進めない。

頼みの綱はあなただけ、ポエタロ!とカードを引いて

出てきたのは「鏡」のカードでした。

 

欲しかったのは、もっと即効性のある明快な答えだったんですけど。

 

ずるずると続けてしまう曖昧な関係を、きっぱりと断ち切るか。

それとも、もう少しだけ続けていても良いのだろうか。

 

何だかモヤモヤする状況、このままじゃ良くないのは分かっているけど

どうしたら次に進めるのか、簡単に分かったら苦労しないのに。

 

カードの解説の文章に書いてあったのが、冒頭の内容です。

 

「か・が・み」の三文字のうち、真ん中の「が」を抜くと

「かみ」になることはよく言われます。

「が」はすなわち「我=自分」。

鏡はありのままの自分と正面から向き合い続けることの象徴です。

 

つまり、答えを知っている神さまは、自分のなかにいるのだそう。

 

悩めば悩むほど、八方塞がりのような感覚に襲われて

ウェブや雑誌のコラムを狂ったように読みあさったり

よく当たると評判の占い師をこっそりと訪ねてみたり

考えることに疲れてとりあえずお酒を飲んでみたり……

 

誰かズバッと答えを教えてくれ!と思わず叫びたくなりますよね。

 

そんなとき、カードが、眠っていたもうひとりの自分に気付かせてくれます。

 

本当のわたしはどうしたいのか。何が好きで、嫌いなのか。

悩みの種なあの人に、どうして欲しいのか。

結局、すべては自分次第で決着をつけられることも。

 

心の声に耳をすますことは、いつでも骨の折れる仕事ですが

惨めでネガティブな自分にも耳を傾けて、しっかりと愛してあげることが

納得のいく、幸せな未来をつくる近道のようです。

では、そんなカードに寄せた、覚さんのエッセイをどうぞ。

 

 

【鏡】知らない私を見せて欲しいの

私がのぞき込むと私の顔が映り、

別の人がのぞき込むとそのひとの顔が映る。

 

同じ鏡なのに、

のぞき込み向かい合う相手によって違うものが映される。

 

そこを取り上げて、人間関係の例えによく使われるのが鏡だ。

 

たとえばクマさんが、

ウサギさんが付き合うときと、ネコさんが付き合う場合とでは、

クマさんの性格やふるまいが全くちがった形で現れてくる。

 

それはウサギさんネコさんそれぞれの

性格やふるまいに対応したクマさんなのだから、

違って当然だとも言える。

 

そう考えるとクマさんの<相手によって態度が変わる>現象は、

意図しなくても自然に起こってしまうことなのだろう。

 

そしてもしそこに愉快じゃないものがあったら、

ウサギさんもネコさんも自分を反省したほうがいいということになる。

 

夫の性格を何とかして変えたい妻はたくさんいて(私もその一人だが)、

夫という鏡に映り込む自分の方を先に変えるのは

トライする価値がある。

 

「相手に変わって欲しければ自分のほうから変わればいいのだ」と

よく言われるのは、

このことを意味している。

 

こういうテーマを持つひとが引くのが「鏡」のカードだ。

 

太古の時代、「知らない自分を見せてくれる」鏡は神具であり神宝だった。

 

“自分をとことん知る”ことの中に神を知る。

神さまは自分の中にいる。

古代の人々の世界観が、私たちに教えてくれる大切なことの一つである。

 

 

***

 

覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho

詩人・作詞家

山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。

 

***

 

ポエタロ」とは?

「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。

47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、

かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。

使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、

その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。

1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、

なかなか超えられない壁に直面しているときに。

そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、

次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。

あなたの心強い味方になってくれるはず

 

から

『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』

覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社

 

≪主婦の友社 OTONA SALONE編集部さんの他の記事をチェック!≫

 

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