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藤原紀香、控えめ梨園妻が打破した「オンナに好かれるオンナ」の欺瞞

OTONA SALONE / 2019年2月1日 21時0分

「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に女優・波野久里子と共に藤原紀香が出演しました。二人は舞台「華の太夫道中」で共演中です。久里子は十八代目中村勘三郎の姉にあたります。紀香にとっては先輩女優であるだけでなく、梨園つながりで広義で言えば親戚のようなもの。紀香もかなり気を使って、久里子を立てていたのでした。

 

紀香は、控えめ妻をマスターした!

極端に口数が少なく、「あなたの話を聞きたい」という態度を久里子に取っていた紀香。梨園妻としての生活のたまものかもしれません。徹子に「愛之助のどこが好き?」と聞かれても、はっきり言わない紀香。実は三田寛子も婚約会見の際、「橋之助(当時)のどこが好き?」「いつ結婚を意識した?」と聞かれても「桜がすごくきれいで~」と例の声ですっとぼけた答えを返していましたが、これはファンの人に対する気遣いだと私は思っています。ファンがあっての役者稼業。ファンそれぞれの心の中に、それぞれの役者の人格があるわけで、夢を壊さないために明言しなかったのではないでしょうか。

 

ケンカをしたことがない、食事は同じものを連続で食べたがる、こたつに入ったら動かないという愛之助エピソードも他で話していることですが、徹子に「梨園に嫁入りすることについて、ご両親はどう思っていた?」と聞かれた紀香が「もう会えなくなってしまうのかと思っていた」と答えてしまうことにピンときた人は、重度の皇室、もしくは紀香ウォッチャーでしょう。

 

紀香は赤十字広報特使として活動しており、2009年の全国赤十字大会で、美智子さまよりお言葉を賜る機会がありました。その際の紀香の服装が、白いスーツにお皿のような帽子。つまり、美智子さまのまるパクリなのでした。美智子さまと言えば、ご皇室入りされてから、美智子さまのご両親が気を使って御所に上がることはほとんどなく、美智子さまも極端にお里帰りが少なったと報道されていますが、紀香の「もう会えなくなってしまう」発言に、紀香ったらまたロイヤル癖出しちゃったなぁと思うのでした。

 

いろいろ叩かれていた紀香ですが、いい結婚をしたのではないかと思います。
プレイボーイとして知られていた愛之助ですが、今のところ女性問題は出てきていませんし、紀香も舞台を中心に仕事をしています。アニメ化50周年を記念して、舞台版サザエさんで主役を演じることも発表されています。テレビに出なくなることを都落ちという人もいるかもしれませんが、拘束時間がはっきりしている舞台は、仕事と梨園の妻業という二足のわらじをはく紀香にとって、いい環境ではないでしょうか。

 

愛之助との仲もよいようで、「華の太夫道中」のポスター撮りの際は愛之助がかけつけてくれたり、太夫が三味線を弾くシーンがあることから、三味線を買いに行ったところ、会計を愛之助が済ませておいたなど、紀香に協力的。経済力、人脈を持つ紀香は切符を大量にさばいてくれるでしょうし、紀香がいると場が華やかになるので、愛之助も誇らしいでしょうし、ごひいき筋も喜ぶ。紀香は「藤原主義」(幻冬舎文庫)で、化粧品やトレーニングの詳細など、美にまつわる努力を明かしていますが、こういう努力家の女性にとって、梨園の妻のような難しい、もしくは面倒くさい役割のほうが燃えるでしょう。

 

オンナに好かれるオンナとは?

オンナに好かれるオンナとは、何か?

紀香は「週刊文春」(文藝春秋)が企画する「女が嫌いな女」にランク入りする不名誉を経験していますが、それでも2016年は4位、2017年は9位、2018年は17位と緩やかに順位を落としています。バッシング熱が冷めて、紀香を嫌う人が減っているということでしょう。ランキングには入らないに越したことがないのでしょうが、その一方でオンナに好かれるオンナって何かなと思うのです。

 

NHK放送文化研究所が実施していた「好きなタレント調査」で、久本雅美が3年連続第一位を獲得したこと。「なぜ、好かれると思うのか?」と聞かれた久本が、「私がちょっと不幸だからでしょ。結婚でもしてみなよ。好感度落ちるから」とユーモアを交えて答えたのです。確かになんでも持っている人よりも、“抜け”があるほうが支持されるのは事実です(このあたりを熟知しているのが、元NHKアナウンサー・有働由美子でしょう)

 

でも、そういう「下に見られる」ことで得られる“好き”に意味があるのでしょうか。
「上に行った」と思われて離れていく人はいるでしょうが、そういう人はそもそもファンなのでしょうか?

 

芸能人はより多くの人に好かれなくてはいけない仕事です。しかし、実際問題、すべての人に好かれるのは無理がある。となると、コンパスで大きな円を描くことをイメージしてほしいのですが、軸をどこに置くかがポイントになってきます。紀香にとって軸足を置く場所は、夫がいる歌舞伎界でしょう。軸がブレブレでは円は描けません。愛之助とひいき筋という場所にしっかり軸を置くことで、大きな円も描けるはずです。

 

かつて「かんさい情報ネットten.」(関西テレビ)で「みんなに好かれたいと思っていた」と語っていた紀香。みんなが何を指すのかは定かではありませんが、オトコでもオンナでもなく、大事な人に好かれる段階に入った紀香は、ネクストステージに上がった気がするのです。

 

≪フリーライター 仁科友里さんの他の記事をチェック!≫

 

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