じっくり楽しめる“遠州ならでは”の魅力がいっぱい! 【静岡西部に行ってきました その2】

OVO [オーヴォ] / 2019年5月31日 18時18分

ゆったりのんびり旅をするなら天浜線がおすすめ。

 静岡西部エリアの厳選観光地を巡る「静岡デスティネーションキャンペーン(以下、静岡DC)」のプレスツアーも2日目。この日は渋好みの観光スポットが多かったような気がします。でも、“ここならでは”の見どころがある個性的なところばかりですので、【静岡西部に行ってきました その1】に引き続きご覧ください。

見事な庭園でじっくりと大河ドラマの世界や歴史に浸りたい「龍潭寺」


 静岡西部(あるいは遠州)といえば、2017年のNHK大河ドラマ『おんな城主直虎』の舞台。中でもこの龍潭寺(りょうたんじ)は、主人公の井伊直虎とゆかりの深い古刹です。ドラマでも重要な役割を果たした南渓和尚(小林薫が演じていました)がいたあの寺ですね。

 井伊家といえば、徳川四天王の井伊直政(24代)や幕末の大老井伊直弼(36代)など、日本史に名を残す家柄。龍潭寺はその菩提寺で、井伊家の墓所があり、歴代当主の位牌も祀(まつ)られています。

 広さ1万坪以上の境内には見どころがたくさんありますが、まず見るべきは、小堀遠州によって江戸時代初期に作られた龍潭寺庭園です。国指定名勝となっているだけあって、手前の池と数多くの石、そしてきれいに手入れされた植栽は一つの宇宙を創出しており、腰を下ろして眺めているだけで心が落ち着きます。

 大河ドラマを思い出して感動をよみがえらせるのもよし、歴史に思いをいたして感慨に浸るもよし、庭園を眺めて禅の心を探求するもよし。あわただしく観光というより、じっくり味わいたい場所かもしれません。


江戸時代前期に再建された本堂。ご本尊様の秘仏虚空蔵菩薩が祀られている。


現在、本堂では伊井家歴代当主の位牌と木像を公開中だ。


遠州最大の大仏「釈迦牟尼仏」は、明治の廃仏毀釈の際に子どもたちによって顔や胸に傷を付けられた。


左甚五郎の作と伝えられる一刀彫の龍。


境内の一番高い所に位置する伊井家の墓所。正面右が初代共保、左が直虎の父・直盛の墓。直虎は左列の奥から2番目。境内にはこのほかに、戦国時代の伊井家を支えた家臣団の墓や歴代住職の墓もある。

龍潭寺

*所在地:〒431-2212 浜松市北区引佐町井伊谷1989
*拝観時間:9:00~16:30(17:00閉門)
*拝観料:大人400円、小人150円
*問い合わせ:053-542-0480

天竜浜名湖鉄道の「洗って!回って!列車でGO!」で楽しい乗車体験


 鉄道ファンやお子さんが大喜びしそうなのが、「洗車機体験」「転車台乗車体験」「鉄道歴史館見学」ができる、天竜浜名湖鉄道のスペシャルツアー「洗って!回って!列車でGO!」です。

 昭和15年に建設されたという天浜線天竜二俣駅の情緒あふれる駅舎に集合し、特別列車に乗車。列車はすぐに構内の洗車機に向かいツアー客を乗せたまま車体を丸洗いしていきます。自動車の洗車機の大きなやつという印象ですが、横にいたマニアはうれしそうです。さらに列車は転車台に移動し、回転を体験! 転車台とは、一方向にしか走れない蒸気機関車を方向転換させるための回転式の設備です。両方向運転できる電気・ディーゼル機関車の普及で姿を消しつつありますが、天竜二俣駅には稼働する転車台が現存し、国登録有形文化財となっています。乗車したまま転車台で回転を体験した後は、外からもダイナミックな回転を見学することができ、これまた大満足。「いつもより余計に回っておりま~す」なんてサービスもあるかもしれません。

 そのほか同駅には、面白い鉄道アイテムをたくさん展示した「鉄道歴史館」や扇形車庫、登録有形文化財の運転区事務室、運転区休憩所、運転区浴場、高架貯水槽など貴重な鉄道の歴史遺産があり、鉄道ファンには至福の時間となるに違いありません。


木造平屋建、切妻造、桟瓦葺の天竜二俣駅本屋(駅舎)。


風情あふれる天竜二俣駅上り上屋及び上りプラットホーム。柱や桁には大正期ごろ作られた古レールも転用されている。


転車台は、扇形車庫に列車を入れるためにも使用されている。


鉄道歴史館には珍しい鉄道アイテムがいっぱい。


天竜二俣駅構内には、写真の運転区事務室など、多くの国登録有形文化財が遺されている。

天竜浜名湖鉄道「洗って!回って!列車でGO!」

*場所:天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅
*開催日:土・日・祝日 (予約制/定員50人)
*開催時間:11:30~12:15
*料金:1人500円。
*予約・問い合わせ:天竜浜名湖鉄道 053-925-2276

風鈴と精進料理と立派な大東司と・・・さまざまな顔を持つ「可睡齋」


 「可睡齋」とは不思議な名前ですが、こちらは600年の歴史を持つ曹洞宗のお寺で、東海道一の禅の修行道場でもあるそうです。その名の由来は、徳川家康が幼い頃から世話に

 なった和尚が会席で居眠りしているのを見て「自分を愛児のように思ってくれている親密さの表れじゃ。睡(ねむ)る可(べ)し」と言ったことだとか。

 こちらは、現在、「遠州三山風鈴まつり」(~8月31日まで)が行われている3つのお寺のひとつで、本堂に至る小道や庭には約4,000個の色とりどりの風鈴がつるされています。目に美しく、耳に涼やかな風鈴は、(由緒あるお寺に失礼ですが)インスタ映えすること間違いなし!

 また、可睡齋は精進料理でも有名で、昼食の各種御膳が予約でいただけます。6月中は数量限定でお茶どころ静岡らしい「お茶御膳」(要予約 ¥5,000)も提供中。お茶の天ぷら・茶飯・抹茶胡麻豆腐などお茶ずくめの珍しい精進料理は、どれも滋味あふれる深い味わいでした。でも、典座和尚の「小金山泰玄」師が「断ればよかった」と思わずもらされたように、13皿の献立を考案するのは大変だったようです。

 そして可睡齋で見落としてはいけないのが82年前から水洗(日本最古?)だというトイレ。トイレとは思えないような芸術的なデザインに目を奪われますが、中央には烏枢沙摩(うすさま)明王という“トイレの神様”?までいらっしゃいます。修行の一貫ということで、使うのがもったいないほど全体がピカピカに磨かれていました。


可睡齋に上る階段の横には立派な大木が。


袋井茶や抹茶をふんだんに使った「お茶御膳」は実に上品な味わい。ここでしか食べられないお茶の精進料理だ。


御本尊の聖観世音菩薩を祀った本堂。


中庭には、魔除けの意味を持つとされる真っ赤な風鈴1,000個で作られた赤富士のオブジェが。


東司(トイレ)の中央には、「烈火で不浄を清浄とする」烏枢沙摩明王が。

秋葉総本殿 可睡齋

*所在地:〒437-0061 袋井市久能2915-1
*受付時間: 16:00まで
*拝観料:大人500円、小人無料
*アクセス:東海道本線袋井駅下車、秋葉バス遠州森町行きまたは気多行きで「可睡齋」入口下車
*問い合わせ:0538-42-2121

「世界農業遺産認定・茶草場農法の里 東山さんぽとお茶摘み体験」


 静岡の名産といえばおいしいお茶ですが、せっかく静岡を訪れたからには、「お茶摘み体験」しちゃいましょう! そしてどうせなら、2013年に世界農業遺産に認定された「静岡の茶草場(ちゃぐさば)農法」を実践している茶畑に行っちゃいましょう! というわけで訪れたのが、掛川市東山です。この体験ツアーでは、伝統農法が守る里山で、地元農家の案内による散策とお茶摘みを体験できます。

 ところで、“茶草場”って何でしょう? 静岡では、おいしいお茶を作るためにススキやササなどの草を刈り取って乾燥させ、有機質肥料として茶園に投入しているそうです。茶園の周囲にある、このススキやササを刈り取るための場所が茶草場なんですね。その半自然草地には多様な生物が生息していることから、農業と生物多様性が両立していることも海外から評価されているようです。

 さぁ、いよいよ茶摘みです。お茶の葉を手摘みするときは、できるだけ柔らかい新芽をていねいに摘み取ることが大切だそうです。上から葉っぱ2~3枚程度の部分の茎を指の腹でポキッと優しく折っていきます。中には硬くて指で簡単に折れないものもありましたが、それはすぐに断念して次へ。なにせお茶の葉はいくらでもあります。摘み取った葉は、直射日光に当てないように、配られた新聞紙製の手提げに入れていきます。初体験のせいか楽しくて、つい熱中してしまいました。傾斜地に作られたお茶畑もありますから、くれぐれも靴はすべりにくく、汚れてもいいものを履いていきましょう。

 茶摘み体験のあとは、休憩所の「東山いっぷく処」で新茶をふるまっていただきました。口当たりが柔らかく甘くて香り高いお茶はお値段を聞いてびっくり。かなりの高級品でした。


茶畑を見下ろす粟ヶ岳の山頂近くには、ヒノキを植えて造った「茶」の文字が。


「茶草場農法」では、ススキやササなどの草を刈り取って乾燥させ、短く刻んで有機質肥料として使う。


茶摘みの際には、柔らかい新芽の上から葉っぱ2~3枚程度の部分を摘み取る。


やり始めるとけっこう夢中になってしまう「茶摘み体験」。


JR掛川駅などにも、「茶草場農法」で作られたお茶が何種類も売られている。

世界農業遺産認定・茶草場農法の里 東山さんぽとお茶摘み体験

*場所:〒436-0001 掛川市東山 1173-2 東山いっぷく処
*開催時間:平日10:20~12:00、土日祝日10:40~12:20
*参加費用:1人2000円(税込)
*アクセス:JR掛川駅北口7番のりばから掛川バス東山行きで約30分、東山下車徒歩3分。
*問い合わせ:掛川観光協会 0537-24-8711

 さて、静岡西部の魅力を2回にわたって紹介してきましたが、これらは静岡DCのほんの一部。詳細情報についてもっと知りたいという方はこちらの「静岡デスティネーションキャンペーン特設サイト」をのぞいてみて下さい。また、記事で紹介した場所に電車で行く場合は、「ふじのくに家康公きっぷ」 というフリーきっぷでお得に行くことができます。さらに、静岡を旅するなら、観光地や旅行商品の紹介、開催中のキャンペーン、特別な体験ができる観光列車の情報などが掲載されたJapan Highlights Travel静岡特集ページ」も参考になるはずです。

 では、ぜひ静岡で元気旅を楽しんできて下さい!

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