姫路城で世界レベルの BMXフラットランド・バトル キメラ主催の夏のエンタメに家族連れも大興奮
OVO [オーヴォ] / 2024年7月10日 16時47分
日本伝統の城を背景に、アーバン・ストリート系スポーツの自転車BMXの技を競う「キメラ A-SIDE BMX フラットランド・バトル姫路城編」が7月6、7日、兵庫県の姫路城・大手前公園で開かれた。会場にはBMXのほかダブルダッチ(2本の大縄飛び)とフリースタイルけん玉の体験スペースや、地元グルメのキッチンカーも用意され、多くの家族連れが夏の日のエンターテインメントを楽しんだ。イベントを主催した一般社団法人「CHIMERA Union(キメラ・ユニオン)」の文平龍太代表理事は「地元の自治体や学校の協力もあって、子どもたちに見たこともない新しい体験をしてもらえた」と話した。今回は3月に行われた熊本城編に続くシリーズ2戦目で、11月には名古屋城で最終戦を予定している。
▽熱量アップ
「ヤバい! ヤバすぎる!」「間違いなく世界最高レベルの戦いだ!」――。10メートル四方のフラットランドの舞台に、ビートの利いた音楽と、DJの声が響きわたる。自転車と舞い踊るような競技だが、前輪だけや後輪だけの滑走は当たり前。飛び上がって自転車の一方のサイドから逆サイドに飛び移ったり、車軸の横に突き出た棒に足を乗せスピンしたりと、度肝を抜く動きの連発に、観客は驚嘆だ。
もう一つの盛り上がりの仕掛けは競技ルール。通常はフィギュアスケートのように選手は自分のプログラムを最初から最後まで演技し採点を受ける。しかし、今シリーズは文字通り「バトル」形式で、2人の競技者が同時に舞台に登って5分間、交互に技を出し合う。そして最後は旗判定。文平代表理事は「見る人にとっての分かりやすさが一番。結構、一般のスポーツでは置き去りにされる部分なんだよね」と説明した。
選手の熱量もアップ。男子決勝で片桐悠選手を下し熊本城編に続く連覇を果たした佐々木元選手は「今年はこの大会に向けての練習を一番頑張った。バトル方式は、自分の思いを乗せ、お客さんを引き込まないと勝てない」と言葉に力を込めた。女子決勝で戸高千翠選手に勝って2連勝の梶原沙璃耶選手は「相手の技の出来を見て臨機応変に作戦を立てないといけない。バトルの方が楽しい」と笑顔で話した。
▽いい流れ
男女とも上位には、世界選手権などの優勝経験もある選手がずらりと並ぶ。子どもたちにアーバン・ストリート系のスポーツを届けることを目的とした各種活動を展開するキメラ・ユニオンが、BMXフラットランドを一つの柱に据えるのは「世界的に日本勢のレベルがぶっちぎりで高いから」(文平代表理事)というのが大きな理由だ。
今回BMXの体験コーナーを担当した次田浩介さんは「初めてBMXに触る子がほとんどだけど、実際に見てから体験に来るので非常にいい流れ」と話した。姫路市の小学5年の男の子は「サドルの前に足を乗せて、もう一つの足をブレーキのところに乗せる技を教えてもらって、できた」とうれしそうだった。
ほかのスポーツに気軽に挑戦できる環境が整っているところも魅力だ。フリースタイルけん玉を紹介していたISAMUさんによると、けん玉は10年ほど前にスノーボードの選手が休憩中に遊んでいる動画をアップしたことで、アーバン・ストリート系スポーツ選手の間で人気が急上昇してきたという。幼稚園のころからけん玉が好きだったという小学2年の男の子は「楽しかった。後で大縄跳び(ダブルダッチ)と自転車もやってみる」と額に汗を浮かべた。ダブルダッチを教えていた関西大のサークル「ミックスパッケージ」の多田錬司さんは「子どもたちの動きがとてもオリジナルで、『勇気があるなー』と感心した」と刺激を受けていた。
今回、現場を訪れた家族連れ客のほとんどは、子どもが学校で案内のプリントを受け取ったことがきかけだ。小学2年の長男と訪れた会社員の男性(48)は「学校で教えられなければ知らなかった。体験会ではレベルの高い指導者もいて、子どもにとってとてもいい経験になった」と話した。
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