私の「箱買い」【蝶花楼桃花 コラムNEWS箸休め】

マカロンの入ったかわいい箱

　「箱買い」という言葉がある。言い換えの言葉で「大人買い」。玩具付き菓子などの子供向け商品を、大人が一度に大量に買うことを表す俗語だが、これとは全く違う意味で、私は箱買いをしてしまう。箱そのものに弱いのだ。

　もちろんどんな箱でもよいわけではない。綺麗（きれい）なお菓子が入っている箱。ブランド物が入っていた、これもそこそこの値段ですと言わんばかりの箱。ディズニーランドのお菓子缶。中身のお菓子などではなく箱目当てで買ってしまう、これが私の箱買い。

　いまはこれらをエイっと捨てても、これだけはなかなか捨てられないというのが、ラデュレというパリのマカロン発祥ブランドの箱。小ぶりのマカロンが箱に並んでいるのを見るとテンションが爆上がる。マカロン自体も大好きだが、箱がとにかくかわいいのだ。

　そして、必ずその時期限定の箱というのが出るのだが、これが厄介レベルにすてきなの。コラボものや、イベントや季節によってデザインが変わる。

　期間限定にも弱い私は、今までの限定の箱をいくつ持っていることか･･･。

　さらにこの箱の難点は、かわいいけど何も入らないということ（笑）。

　「何も」にはさすがに語弊があるが、本当にごくごく小さなものしか入らない。そりゃ、マカロンを入れていた箱だからねぇ。

　「アクセサリー収納にするしっ!」という自分言い訳で買うのだけれど、アクセサリー入れのほうが、アクセサリー数を上回る現状･･･。このままだと、ひとつの箱にピアス片方を入れる具合になる。箱を入れておく、箱が必要な状態。

　「ひとつ買ったら、ひとつ捨てる」。毎回この自問自答が店頭にて行われ、あの子にサヨナラはできないからと、買わないことができたこともある。

　そんなに悩むくらいならと、最近はラデュレを避けるように、近寄らないようにしてる始末。

　それなのに、末廣亭の出番の時に新宿ラデュレ前をうっかり通ってしまった。そのときはディズニーアニメ「ふしぎの国のアリス」とコラボしていた。

　見たくなかった、あなたに会わなければよかったよと、懐メロの歌詞みたいな気持ちに。

　さぁ、私はこの誘惑に打ち勝つことができたのだろうか。それは、このコラムの写真を参照。まぁ、そういうことです♡

【KyodoWeekly（株式会社共同通信社発行）No. 28からの転載】

蝶花楼桃花（ちょうかろう・ももか）／ 東京都出身。春風亭小朝さんに弟子入り後、二ツ目・春風亭ぴっかり☆時代に「浅草芸能大賞」新人賞を受賞。2022年3月、真打ちに昇進し高座名を「蝶花楼桃花」と改める。昇進披露興行、初主任興行、企画にもかかわった全出演者女性による「桃組」はいずれも大入り。7月1日から池袋演芸場で31日間連続ネタおろし独演会「桃花三十一夜」開催中。