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一人暮らしの若者はどれくらい防災対策ができている? JA共済連が防災対策への意識と実態を調査

OVO [オーヴォ] / 2024年8月29日 14時53分

10月19日(土)・20日(日)に熊本県で開催される「第9回 防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」

10月19日(土)・20日(日)に熊本県で開催される「第9回 防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」

 防災への機運が高まる9月1日「防災の日」を前に、JA共済連(全国共済農業協同組合連合会・東京)は、一人暮らしをする全国の15歳~34歳男女400人と、一人暮らしの子を持つ40歳以上の男女400人を対象に、一人暮らしでの防災に関する意識と実態についてのインターネット調査を行った。実施期間は7月12日~16日。

 まず、一人暮らしで不安に感じる自然災害を聞くと、「地震」(78.3%)が最多。次いで「火災」(51.8%)、「台風」(36.8%)だった。

 今回の調査対象者である15歳~34歳の若年層は1990年以降に生まれており、1995年の阪神・淡路大震災後に小学校に入学するなど、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、能登半島地震(2024年)といった国内の大規模地震発生を経験してきた世代。学校の授業での防災教育(災害の発生メカニズムや災害時における危険の認識・日常的な備えについて学ぶなど)について聞くと、72.8%が「学校の防災教育の授業を受けたことがある」と答えた。

 にもかかわらず、「防災対策を十分に行っている」のは16.8%で、およそ6人に1人。防災対策をしていない理由(複数回答)は、「具体的な対応策がわからないから」(40.5%)、「お金がないから」(34.2%)、「面倒だから」(27.9%)などだった。また、全体の66.8%は自分が被災することを「イメージしたことがない」、74.5%は被災後にお金がかかることを「考えたことがない」と答えた。

 一方、全体の6割超(62.3%)が、一人暮らしによって「地震への不安が高まった」と感じており、防災について「もっと学びたい」(71.3%)、「実際に大地震の揺れを体験して学べる場に参加したい」(51.3%)との意欲を見せていた。

 今回の調査では、一人暮らしの子どもを持つ親の気持ちも聞いた。一人暮らしをする子どもの親の約7割は「子どもの地震への不安」(69.5%)を感じ、約8割が一人暮らしの子どもは「防災対策をしていない」(77.8%)、「防災対策ができていない」(80.3%)と感じていた。また、親の60.5%は「子どもに安否確認の連絡をいれている」ものの、17.3%は「連絡が取れず心配を募らせたことがある」と回答。「一人暮らしの子どもの防災対策や防災用品の備蓄を確認した」(20.8%)、「一人暮らしの子どもと防災について話し合っている」(28.0%)は、3割以下の少数派だった。

 災害リスク評価研究所代表(災害リスクアドバイザー)の松島康生さんは、15歳~34歳の世代の防災意識について、(意識が実際に高くないというよりも) 「学校での防災教育は正しく受け、防災知識もあり、身を守るという意識も身に付いている。だからこそ、自分の防災対策が、習ったことに比べて十分ではないと感じる人が多いのではないか」と指摘。また、「今、25歳未満の人は東日本大震災当時、小学生以下で、ニュースを通じて見聞きしている人が多く、親世代も地震や津波の怖さや悲惨さを話したがらない。そのため、自分が被災するイメージができないのではないか」とも分析している。

 「脱・あいまい防災」のための具体策として、「ハザードマップで自分の住んでいる場所にどのようなリスクがあるのかを確認する」「水の備蓄や、トイレのための処理袋・凝固剤などを準備しておく」「住んでいる家の建物の建築年も確認する」「1980年以前の建物は全壊率が高いため、いつ頃建てられたものなのか、耐震化されているのかを、物件選びの際にチェックするようにする」などを挙げている。

 松島さんが最重要と指摘するのは、「人」に対してのソフト対策。学校で教わる防災教育をベースにして、「大地震が起きたらどうなるのか?」というストーリーを親子で話すときに、危険性だけを強調するのではなく、被害に遭わないためにはどんな知識が必要なのか、避難や対策、備えについて「災害と対策」をセットで話すことを勧めている。また、連絡方法は複数共有し、親子が暮らす自治体の防災メールをお互いに登録するようアドバイスしている。

松島康生(まつしまやすお)さん

 10月19日(土)・20日(日)には、「第9回 防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」https://bosai-kokutai.jp/2024/ (内閣府等主催)が、熊本地震発生から8年目となる熊本県で開催される。「『世界津波の日』2024高校生サミットin 熊本」との併催で、災害を教訓とした防災の取り組み、「創造的復興」の取り組みを熊本の地から全国に発信する。

 JA共済連も、「ぼうさいこくたい」に「ザブトン教授の防災教室」を出展。イス型の地震動体験装置「地震ザブトン」により、東日本大震災や熊本地震など、過去に発生した大地震の揺れや、今後想定される南海トラフ地震などの揺れを疑似体験できる機会を提供する。出展にあたっては、地元・熊本大学の学生とコラボレーションし、オリジナルコンテンツを制作。JA共済連は、「地震の瞬間を体験いただき、日頃から“備える”ことの必要性や、一人一人が正しく恐れて対策を考える機会を創出することで、皆さんと防災意識を高めていきたい」としている。

JA共済連の出展

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