手洗い、うがい8割は「増えた・変わらない」 マスク着用は大幅減、新型コロナ意識調査
OVO [オーヴォ] / 2024年11月11日 15時34分
新型コロナウイルス感染症の流行拡大時に比べ、手洗い・手指消毒やうがいが「増えた・変わらない」という人が83%に達する一方、マスク着用は37%が「減った」――。新型コロナが出現して2024年末で5年になるのを前に、第一三共ヘルスケアは実施した意識調査の結果を発表した。新型コロナを心配する人は過半数だったが、20代男性では「心配していない」が64%にのぼり、専門家は「新型コロナは終息したわけではない。油断しないで」と注意喚起している。
▽手洗い、うがいは習慣に
調査は24年10月に、20~60代の男女計1000人にインターネットで実施した。新型コロナに感染することへの不安は「とても心配」「ある程度心配」が58.0%、「あまり心配していない」「全く心配していない」が42.0%だった。男性は「心配」と「心配せず」がほぼ半数ずつだったが、女性は3人に2人(65.6%)が「心配」と答え、男女で差があった。年代が上がるほど「心配」が増え、20代男性は36.0%、20代女性は58.0%だったのに対し、60代男性は63.0%、60代女性は74.0%だった。
新型コロナの流行が拡大した20~23年ごろと現在を比較し、手洗い・手指消毒、うがい、マスク着用、換気といった衛生面での行動の変化を尋ねた。手洗い・手指消毒とうがいは「増えた・変わらない」がいずれも83%台、「減った」は16%台で、多くの人で習慣化している様子がうかがえた。一方、換気は22.6%、マスク着用は37.3%が「減った」と回答。記録的な猛暑により、息苦しくなるマスクが嫌がられ、エアコン利用時間が増えて換気回数が減った可能性がある。
調査結果を分析した正木クリニック(大阪市)の正木初美医師は「重症化するケースが少なくなってきたことで安心しているのかもしれない。だが、ウイルスは完全に消えたわけではなく、若者の中にも重症化したり後遺症に悩まされたりする人がいる。油断せず引き続き基本的な感染対策を」と呼びかけている。
▽市販薬購入時は成分、価格、安全性を重視
医療が逼迫(ひっぱく)し症状があってもすぐに診療をしてもらえないことも多かったコロナ禍を経て、店頭で購入できる市販薬(OTC医薬品)への関心が高まるとともに市場規模が拡大している。調査では、市販薬の使い方や購入する際に重視するものなども聞いている。
自分が風邪をひいたと思ったらどうするかという問いでは、「市販薬で対処する」が44.7%で最も多く、「医療機関を受診する」の33.2%を上回った。年代が上がるほど「医療機関を受診」が増えた。「医療機関での受診や市販薬での対処はせず自宅で安静にする・普段通りの生活をする」人も21.8%いた。
市販薬を買うときに重視するもの(複数回答)は、「よく効く成分が配合されている」46.8%、「価格が安い」35.6%、「副作用が少ない」31.6%の順。ただ、重視する項目は性別や年代によって異なり、20代女性は「価格が安い」が最多、60代女性は「副作用」と「成分」がほぼ並んだ。
▽「要指導」「第1類」医薬品の周知が課題
購入する際に薬局やドラッグストアの薬剤師、登録販売者に相談したことがある人は34.1%、ない人は58.3%で、薬の専門家の知識や経験が十分に活用されていない実態も明らかになった。相談したことがない理由としては「事前に購入したい製品が決まっている」36.7%、「成分などに特にこだわりはない」24.2%、「人に話しかけるのが苦手」23.7%などだった(複数回答)。
市販薬のうち、薬剤師のみが販売できる「要指導医薬品」(薬剤師から対面での指導や情報提供を受ける必要がありインターネットでは購入できない薬)と「第1類医薬品」(薬剤師から説明を聞く必要がある薬)についても質問。「意味や具体的な品名を知っている」人は、要指導医薬品が7.3%、第1類医薬品が10.7%に過ぎず、市販薬を活用しながら自分で健康を管理する「セルフメディケーション」の普及の上で認知度向上が課題であることも分かった。
正木医師は「体調がすぐれないとき、いきなり医
療機関に行くのではなく、薬局で薬を買う人が増えてきた。バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠などで日常的に自分で健康を管理し、軽度な体調不良は市販薬で対処するセルフケア、セルフメディケーションをお勧めする。ただ、薬の不適切な使用は逆効果になることもあるので、薬剤師など専門家に相談しながら使用し、症状が重い場合や長引くときは、医療機関を受診してほしい」とコメントしている。
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