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ジェンダーに基づく暴力に立ち向かう女性たちを支援 JICAとPanasonicがケニアの無電化地域にソーラーランタンを寄贈

OVO [オーヴォ] / 2024年11月26日 16時30分

ジェンダーに基づく暴力に立ち向かう女性たちを支援 JICAとPanasonicがケニアの無電化地域にソーラーランタンを寄贈

 国際協力機構(JICA、東京)はパナソニック ホールディングス(大阪府門真市)と協働して11月19日に、ケニアの無電化地域に住む女性や少女たちに、太陽光で電力を発電するソーラーランタン100台を寄贈した。

 ケニア南西部に位置するカジアド県のオリニエ村は、広大な草原と乾燥した土地を持ち、多くのマサイ族が住んでいる。家父長制に基づく伝統的な慣習や文化が根強い地域としても知られ、村に住む女性や少女の多くが夫や家族からのドメスティック・バイオレンスや性暴力、児童婚などの深刻な問題に直面している。教育や経済的自立の機会が限られる中、女性たちは家庭や地域で支配権を持つ男性からの暴力を日常的に経験しながらも、声を上げることができていない。

 このような状況に対してJICAは2023年からカジアド県政府とともに、「GBV(Gender-Based Violence、ジェンダーに基づく暴力)のないスマートな地域づくり」に向けた取り組みを支援。女性たちが自信を高め、知識やネットワークを強化し、経済的に力をつけることで、GBVに立ち向かう力をつけていけるように、また、男性の理解や行動、村における支援体制の強化に向けた取り組みも進めている。

 ソーラーランタンの提供はこの活動の一環。無電化地域で暮らすオリニエ村の女性や少女たちが、あかりを手にすることによって、安全に夜間の学習や経済、社会活動を行えることを目的にしている。
 

 寄贈式の当日、村の教会に集まった約100人の女性たちに対して、パナソニックグループの多田直之氏が「このあかりでみなさんの将来を明るく照らしてほしい」とメッセージを発信。オリニエ村の女性リーダーからは「このソーラーランタンは私たちのこれからの人生を明るく照らし、私たちの人生のレベルを一段階上げてくれるものです」と感謝の言葉が述べられた。実際にソーラーランタンを手にした女性たちは、「このあかりあれば家でも勉強できる」「夜の活動時間が増える」と目を輝かせた。JICAの支援が始まって以降、村でGBVの撤廃に向けた歌づくりを始めた女性は、「夜にあかりがあればGBVの撤廃を呼びかけるための歌がもっとたくさん作れる」と喜びを語った。

 JICAは、「女性や少女が平和で安全に暮らしていける社会の実現に向けて、今後もさまざまなパートナーとの連携や知の共創を図りつつ、ジェンダーに基づく暴力の予防と撤廃に向けた国際協力を推進していきます」としている。

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