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12月から園児の紙おむつサブスク実験 磐田市とBABY JOB、保育の負担軽減に向け

OVO [オーヴォ] / 2024年11月29日 11時35分

サイズ別に分けられた「手ぶら登園」おむつを使う保育士(大阪府内で、BABY JOB提供)

 静岡県磐田市、子育てサポート事業のBABY JOB株式会社(大阪市)は12月1日から2カ月間、磐田市内の公立保育施設6園で、同社が提供する紙おむつ・お尻拭きのサブスクリプション(定額利用)サービス「手ぶら登園」などを利用した、保護者や保育士の負担を軽減するサービスの実証実験を始める。期間中の費用は同社がすべて負担する。

 「手ぶら登園」以外にも、磐田市と同社は「“保活”の負担軽減や保育のDX推進に向け、保護者の保育施設探しや園見学予約を支援するサービスの導入、2026年度から本格スタートする『こども誰でも通園制度』や一時保育などの利用料金のキャッシュレス化」も検討している。

 「手ぶら登園」を使うと、紙おむつ・お尻拭きが保育施設に直接配送され、保護者は紙おむつ1枚ごとに名前を書いて持参しなくて済み、保育士も紙おむつを子どもごとに管理する手間が省けるという。今回は、保育士が簡単におむつのサイズを見分け、スムーズに交換できるように開発した「手ぶら登園」専用おむつも静岡県内の公立保育施設で初めて採用する。「手ぶら登園」はBABY JOBが19年からサービス提供を開始し、現在は全国5千施設以上で導入されている。20年には「日本サブスクリプションビジネス大賞」のグランプリも受賞した。

 子育てを巡っては、すでに「こども誰でも通園制度」が全国で施行的に始まっている。同制度は6カ月〜2歳の未就園児を対象に、1カ月当たり10時間程度を上限として、就労要件を問わず利用できる新たな通園給付。「日本の子育て環境を大きく変えるポテンシャルを持っている」ともいわれるが、BABY JOBは「現状の課題を残したままでは、親や保育士に負担がかかり、せっかくの機会を十分に生かせない」と指摘。自治体などと協力し、関係者の負担を軽減できる子育て支援サービスの開発、提供を進めている。

 BABY JOBの事業は5月に、東京都のスタートアップ(新興企業)支援事業TOKYO SUTEAMの協定事業者として株式会社ソーシャル・エックス(本社・東京都渋谷区)が提供する、成長支援プログラム「ソーシャルXアクセラレーション(第1期)」で優秀賞を受賞。BABY JOBがソーシャル・エックスの運営する官民共創のマッチングサービス「逆プロポ」を通じ「すべての人が子育てを楽しいと思える社会づくりを一緒に目指す」自治体を募集し、応募自治体の中から磐田市が実証実験先に選ばれた。実験後にソーシャルインパクト評価が行われる。

 今回の事業について、磐田市の草地博昭市長は「民間事業者との共創により、保護者、保育者の負担軽減を図り、子どもと向き合う時間を増やすことで、安心して子育てができる環境を整えていきたい」と話している。BABY JOBは「官民が連携し、スピード感をもって保護者と保育士の負担軽減に取り組むことで、すべての人が子育てを楽しいと思える社会を実現していきたい」としている。

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