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女性が筋トレ? という時代に生まれたダンスフィットネス 米国生まれ「ジャザサイズ」が日本上陸40周年イベント

OVO [オーヴォ] / 2024年12月4日 12時30分

(左から)シャナ・ミセット・ネルソンさん、コナミスポーツの室田健志社長、ジュディ・シェパード・ミセットさん、スカイラ・ネルソンさん

 ダンスフィットネス「ジャザサイズ(Jazzercise)」の日本国内活動40周年記念イベント「40th celebration Dance Party」が11月30日と12月1日、大阪府内で開催された。

 ジャザサイズとは「ジャズダンス+エクササイズ」を由来とする、1969年に米国で生まれたフィットネスプログラム。全米最新のヒット曲に合わせて、ダンスワークアウト、筋力トレーニング、ピラティスやヨガの要素を取り入れた運動をすることで、楽しみながら引き締まった体づくりを目指す。

 年齢や運動経験を問わずに始められるとして、世界16カ国以上で展開されている。参加者の多くは女性。日本国内では1984年から運営が開始され、現在では約300カ所におよぶ。コナミスポーツ株式会社は日本国内総代理店として、長きにわたりプログラムの普及に務めてきた。

 創設したのは米国人のジュディ・シェパード・ミセットさん。今、さまざまな場所で気軽に体験できるようになったフィットネスは、当時の米国でも生まれたばかりだった。ジュディさんはその著書に「スポーツジムにはほぼ男性しかいない。女性は筋肉をつけるとスタイルが悪くなると信じていたので、あえて体を鍛えることはしなかった」と記している。そのような時代に「体を鍛えるエクササイズは楽しくなれるし、楽しくあるべきだ」と、シカゴで創業した。

 女性が起業することもまれだった時代、フィットネス業界で最初にフランチャイズ制度を導入し、女性が好きなことを職業にできる機会を提供したという点でも知られている。

 そんなジャザサイズの日本での活動40周年を記念して開催されたこのイベントには、創業者のジュディさんをはじめ、現在Jazzercise,Inc.のCEOでインストラクターとしてもステージに立つ娘のシャナ・ミセット・ネルソンさん、孫で同じくインストラクターを務めるスカイラ・ネルソンさんらが来日した。イベントに先立ち、ジュディさん一家と、日本の総代理店であるコナミスポーツの室田健志社長に話を聞いた。


——ジャザサイズの魅力とは何でしょう?

ジュディ すべての人を包み込むことです。ジャザサイズの内容はどんな人にとっても楽しく効果的ですが、お互いを支え合うコミュニティーがあること、これが非常に重要だと考えています。みんなが集まって、一緒に汗をかき、友達になる。そして健康を維持する。私たちは、そういった価値すべてをお客さまに提供しているつもりです。

シャナ 母の言った通りです(笑)。ジャザサイズは長年にわたり成長し進化してきました。特に女性、母親である人にとても便利なものと考えています。お母さんたちが気軽にワークアウトできるという点で、社会に貢献したいと思います。

スカイラ ジャザサイズと他のフィットネスとの違いは、若い人が、母親ぐらいの、もしくは祖母ぐらいの年齢の人とでも同じ運動ができることです。人生経験の違う年齢層の人が一つの場で、互いの目的に向かってワークアウトする、それが魅力だと思っています。

——ジャザサイズは米国で55年も続いてきたそうですね。

ジュディ 感慨深いです。55年間を通して経験できたことを、私は本当にありがたいと思っています。振り返ると、ジャザサイズは本当は存在していなかったのかな? と思う時があります(笑)。私が始めた当時、大きなビジネスになるとは夢にも思っていませんでした。モデルケースやお手本も、何もありませんでした。それが自然な形で進化して、成長した。私一人でやってきたとは思っていません。周りの素晴らしい人々のおかげでここまで来られました。その一つはもちろん家族です。私にとって家族は最も大切なものです。

——ジャザサイズが創設された当時、女性がダンスで体を鍛えるという考え方はなかったそうですね。

ジュディ 当時、ただダンスが好きという気持ちから始めました。私はダンスが、音楽が大好きです。人々にどんな楽しさを与えるかという純粋な気持ちでスタートして、それをみんなに伝えたのです。

 初めてのレッスンはまさにゼロから始めましたが、気づいたら部屋が参加者でいっぱいになっていました。


——現在CEOのシャナさんが、ジュディさんから引き継いで大切にしていることと、今の時代に新たに取り入れていることはありますか?

シャナ 私が母から学んだことは、いつも良い人に恵まれるようにということです。私より素晴らしい人、私より優しい人、私を超えてくれる人が周囲にいることを大切にしています。私たちのビジネスに情熱を注いでくれる人です。

 一方で、お客さまのニーズに合わせて最新の要素をプログラムに取り入れること、質の高い指導ができることも重要だと思っています。今のお客さまは多くの情報を持っています。インターネット、インスタグラムやフェイスブックなどのSNSを通じて、エクササイズプログラムの最新のニーズを知って応えていくことが重要です。

 もちろん、楽しみながら踊ることこそ私が受け継いだジャザサイズのスタイル。全員が楽しむことを大切にしています。

——特に女性のファンに支持される秘訣は?

シャナ 親しみやすいのではないでしょうか。インストラクターとして重要なのは、親近感を持ってもらうこと。インストラクターのことを、同じ経験をしている仲間だと思ってほしい。女性として、母親として、働く人として、私たちはそういう方々のお手本になりたいと思っています。

——孫娘のスカイラさんもインストラクターですが、毎日どんな思いで活動していますか?

スカイラ 力強い母と祖母という、良いお手本があったからここまで来られたと思っています。ジャザサイズを知らない私と同年代の方たちに知ってもらうことが、私の役割です。

——日本で40周年ということで、ジャザサイズが継続してきた要因をどう考えていますか?

室田 これまで3人が話してきたことではありますが、要因は3つあると思います。まずジャザサイズのプログラムがとてもシンプルで参加しやすく、最新の音楽に合わせた振り付けがなされていて、楽しくて飽きがこないこと。そして参加する女性がコミュニティー、仲間を作りやすいこと。質の高い優秀なインストラクターがいて、その情熱によりクラスに帰属している感覚が持てるプログラムであることが、日本に定着した要因ではないでしょうか。


——シャナさんから見て、日本のジャザサイズはどのように見えますか?

シャナ 非常にプロフェッショナルで、情熱的です。皆さんダンスが美しい。インストラクターもお客さまも、美しく踊ってくれます。イタリアでも同じことを感じましたが、日本の皆さんはクラス全体がきれいに同じ動きをしてくれます。インストラクターとして、それを見るととてもうれしいですね。

ジュディ 日本に来て初めて大きなグループを教えたときも、私が初めて公開した振り付けを完璧に踊ってくれて感動しました。すばらしいです。

——今後のビジョンを教えてください。

シャナ アメリカでは今、スタジオでの体験に焦点を当てています。コロナ禍を経て、対面のレッスンに戻りたい、そこで踊りたいという熱意を感じます。加えて、体に効果のあるプログラムをしっかり提供するのが大事です。今は情報がたくさんある世の中なので、本当に体に良いことをお届けできるのが、今後も重要だと考えています。

室田 米国も日本もコロナ禍の影響が大きくて、お互い非常につらい時期を過ごしてきました。そんな時にもコナミスポーツは日本の総代理店として、米国の本部とコミュニケーションを欠かさずに、目指す方向性など共通認識を持ちながら進めてきました。

 日本では今現在、約1000人のフランチャイジー、ジャザサイズのインストラクターがいます。今、ジャザサイズのインストラクターもお客さまも、とても元気になっていると感じます。この方々を核に、それぞれのコミュニティーがより強固になって、参加してくださる方がさらに増えていけばと願っています。人口が減少する時代ではありますが、日本でまだ展開できていない地域もありますので、少しでも全国に広げていけたらいいですね。

ジュディ お客さまのニーズにあったものを楽しく体験していいただく。それが私が当初から持っていた哲学です。末永く、ジャザサイズが皆さんをサポートし続けられればと思います。

イベント詳細はコナミスポーツのホームページへ。

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