在宅患者の心不全悪化を早期発見/クラウドで病院と連携 大阪大が遠隔モニタリングシステムの有用性確認
OVO [オーヴォ] / 2024年12月24日 9時0分
大阪大学などの研究チームは12月18日、在宅患者の就寝時の体動を感知するセンサーで得られたデータから、心不全の悪化を医療機関で早期に検出できる遠隔モニタリングシステムの有用性を確認したと発表した。症状が重くなる前に治療を始めることで、入院の抑制や回復につながると期待されている。
システムでは、患者が使用するベッドなどの寝具に、呼吸、心拍などの体動を感知するセンサーを設置。患者が寝ている間に、センサーから得た体動信号がクラウドシステムに自動送信され、安定した呼吸パターンが何秒続いているかを示す定量指標(呼吸安定時間=RST)を算出する。
健常者の呼吸安定時間は平均で約50秒だが、心不全が悪化した人は20秒以下に下がる。ただ、低下してからしばらくは症状が顕在化しないため、病気の進行が分かりにくい。遠隔モニタリングシステムでは、在宅患者の連日の呼吸安定時間を病院などが遠隔追跡でき、低下がみられた場合に早めに治療できる。
治験では、低下した呼吸安定時間を治療で上昇させられた場合、入院に至らなかった。また、呼吸安定時間が低下してから症状が発出するまでには、1カ月ほどの時差があることも分かったという。来年初めから予定している臨床研究には、全国20カ所余りの医療機関が参加予定だ。
大阪大学国際医工情報センターの宮川繁教授は、これまで使用されてきた肺動脈センサーなどに比べ、コストが抑えられるほか、患者の体への負担が小さいなどの利点を指摘。また、中国、米国、欧州(英国、フランス、ドイツ)で国際特許を取得しており、「日本以外の患者を救う可能性もあり、世界に誇れる医療機器になると思う」とコメントした。
呼吸安定時間という指標は、同センターの麻野井英次招へい教授が発明。算出プログラムを、ハートラボ(神戸市)が開発。今年8月に診断などの医療行為を支える「プログラム医療機器(SaMD)」として、国の承認を取得した。
臨床研究では、パラマウントベッドが開発した睡眠計測センサーを使用する。パラマウントベッドは先ごろ、ハートラボの発行済み株式の過半を保有し、ハートラボを子会社化したと発表した。パラマウントベッドによると、日本国内の心不全患者の数は約120万人。在宅から救急搬送される患者の病気別で最も多いという。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
パラマウントベッドが睡眠環境を向上させる多機能ライト「Active Sleep BEDSIDE LIGHT」を発売
IGNITE / 2024年12月23日 21時0分
-
Kite、イエスカルタの再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫への治癒の可能性を裏付ける新データをASHで発表
共同通信PRワイヤー / 2024年12月20日 13時0分
-
【新商品】多機能ライト「Active Sleep BEDSIDE LIGHT」を発売~やすらぎの光と音に包まれ、ここちよい眠りへ~
PR TIMES / 2024年12月18日 16時15分
-
「学びを国で生かす」カザフスタン医師団、横須賀の高齢者医療現場を視察
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年12月11日 5時50分
-
閉経後はリスクが3倍増!女性も気を付けるべき「睡眠時無呼吸症候群」の対策を医師が解説
HALMEK up / 2024年12月10日 18時50分
ランキング
-
1「クリスマスにはシャケを食え」農水省がXで呼びかけ、トレンド入り きっかけは特撮
産経ニュース / 2024年12月24日 14時44分
-
2「1000億円投資」ジャパネットが握る長崎の"命運" 異例の「民設民営」スタジアムに見る"究極の地元愛"
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 12時5分
-
3いつから言われているの!? たまに聞く「単車」という言葉の意味とは?
バイクのニュース / 2024年12月24日 10時10分
-
42024年の「ドラマ視聴率トップ10」驚きの結果 流行語「ふてほど」は?1年のドラマ総まとめ
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 7時40分
-
5ケンタッキー公式 自宅で「オリジナルチキン」を温めなおす方法 SNS「クリスマスにぴったりな情報」
オトナンサー / 2024年12月24日 20時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください