高齢経営者の2割「生涯現役」の意向 生活費賄う目的、日本公庫総研の小企業調査
OVO [オーヴォ] / 2025年1月21日 12時29分
全国で小規模事業者の高齢化が進み、事業承継への関心が高まる一方で、2割を超す高齢経営者が事業を売却・譲渡せずに「生涯現役で経営を続けたい」と考えていることが、日本政策金融公庫総合研究所の「小企業の事業継続に関するアンケート」で明らかになった。こうした「生涯現役」経営者の8割近くは、理由として「生活費を賄うため」と回答している。
今回の調査は、事業承継をしない高齢経営者の実態を探り、事業の継続に向けた支援策を検討する目的で、2024年9月に実施した。同公庫の国民生活事業が23年4月から24年3月にかけて融資した小規模事業者のうち、14年以前に創業された、経営者が60 歳以上の1万4千社余りにアンケートを行い、6354社が回答した(回収率44.7%)。
アンケートによると、全体の72.6%は後継者が既に決定、または事業の売却・譲渡意向のある承継希望経営者だったが、残りは「働けるうちは経営を続けたい」という生涯現役経営者が21.6%を占め、一定年齢に達したら経営をやめたいという引退希望経営者も5.8%いた。
うち生涯現役経営者の事業は、平均従業者数が3.3人と引退希望経営者(4.6人)や承継希望経営者(8.6人)の事業より少なく、経営形態も個人経営が62.3%(残りは法人)を占めるなど、相対的に規模が小さい。事業収支をみると黒字基調は12.7%にとどまり、残りは収支トントンか赤字基調だが、54.7%が事業からの収入がなくなった場合は「新たな収入や援助がないと生計を維持できない」と答えている。
このため、生涯現役経営者が経営を続ける理由(複数回答)では「生活費を賄うため」が77.2%と最も多く挙げられ、次いで「借入金の返済が残っているから」が56.7%だった。その一方で、経済的な理由以外の「健康を維持するため」や「仕事が生きがいだから」も、それぞれ3割超あった。また、生涯現役経営者が将来、経営をやめる理由になりそうなこと(複数回答)としては「体力・気力の衰え」と「自身の健康上の理由」が、それぞれ6割超挙げられた。
今回の調査結果を受け、同研究所の井上考二主席研究員は、今後も小規模事業が継続されていくためのポイントを「現行事業のブラッシュアップ、小規模事業に関心を持つ承継先の開拓、再就職のあっせんも含めた収入源の確保―の3つが考えられる。こうした取り組みを官民の支援機関とも協力して進めていく必要がある」と指摘している。
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