観戦の予習に読みたい! 車いすバスケットボールのおすすめ本
パラサポWEB / 2023年1月18日 8時21分
2021年の東京パラリンピックで銀メダルを獲得し、昨年行われた男子U23世界選手権でついに世界一の座をつかんだ車いすバスケットボール男子日本代表。国内の大会も続々、再開されている。そこで、もっと選手について知りたい、東京パラリンピックの裏側を知りたいという人にピッタリの本をご紹介。観戦の予習にいかが。
■チームリアル『Another REAL 車いすバスケ日本代表はいかにして強くなったのか!?』![](https://parasapo-wp-prd.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/05223601/IMG_5189.jpg)
世界で勝てないチームだった男子日本代表が東京パラリンピックで史上初の銀メダルを獲得。そのサクセスストーリーは、監督として東京大会を闘った元選手、及川晋平氏の長い苦闘の歴史なくしては語れない。
約30年前に車いすバスケットを始め、「どうせやるなら」とアメリカ留学。そこで出会ったキャンプや“世界最高のコーチ”によってバスケット観が変わったこと。そして、指導者になってから、日本のスタイルを作り上げていく過程も描かれる。
紆余曲折がありながらも、ブレずに「すべては東京パラリンピックで勝つため」という信念を貫く及川氏。同時に、ダブルエースとして日本代表をけん引した藤本怜央、香西宏昭の苦悩も描かれ、日本代表はいかにして強くなったのか紐解かれるとともに、この競技に情熱を燃やしてきた男たちの生きざまや思考からさまざまなことを学ぶことができる。
表紙イラストは、映画『THE FIRST SLAM DUNK』で話題の井上雄彦氏(原作・脚本・監督)。週刊ヤングジャンプ『リアル』(井上雄彦)の担当編集者を中心とした取材歴20年超のチームが執筆した書とあって、日本代表チームが変わっていく様子やニュースではわからなかった選手たちの本音にも迫っている。
【作品データ】出版社 :集英社 発売日 : 2022年8月
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パラリンピックデビューとなった東京大会で、ミドルシューターとして日本チームの銀メダル獲得に貢献した古澤拓也の自伝エッセイ。
2017年の男子U23世界選手権でキャプテンを務め、その後、「A代表」に選出されるなど順風満帆な競技人生に見えるが、実は仲間内で一人だけジュニアの選抜チームに入れなかったり、2歳下の鳥海連志に先を越されたりと、悔しい思いもしてきたという。
しかし、そこであきらめずに努力を重ね、東京大会で活躍するまでに成長できたのは、ベースに「逃げていいから挑戦しなさい」という母の言葉と、人と違うことでほめられた経験があったから。いまや古澤の代名詞となった3ポイントシュートも、練習開始当初は、国内ではハイポインター(4.0以上)の専売特許で、3.0の古澤がチャレンジするのに否定的な雰囲気もあったという。しかし、「これから必要になる」と確信した古澤は、人目を気にせず練習に打ち込み、習得。シューターとしての地位を築いた。
人は環境を言い訳にしがちだが、「置かれた状況で人生は決まらない」「他人と同じである必要はない」という信念を体現し続ける古澤の26年間の半生は、だれもが自分で自分の人生を切り拓ける可能性に満ちている、と教えてくれる。
【作品データ】出版社 : 小学館 発売日 : 2022年6月 <電子書籍あり>
■鳥海連志『異なれ』
![](https://parasapo-wp-prd.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/05223557/Z9A_8865.jpg)
東京パラリンピックで攻守にわたり活躍し、国際車いすバスケットボール連盟のMVPを獲得した鳥海連志が明かす思考法。
現在の鳥海はなんでもこなすオールラウンダーだが、日本代表で唯一の高校生としてリオパラリンピックに初出場したときは、ディフェンス力が光る選手だった。その後、プレースタイルを変えたのは、クラスが近い主将・豊島英にかなわなかったから。豊島に勝って東京パラリンピックのスタメンになりたいと試行錯誤を重ねる中で出会った言葉が「優れるな、異なれ」。「僕は前に誰もいない僕だけの道で、ぶっちぎりの先頭になろう。」と思えたことで視界が開け、オールラウンダーへの道を歩み出した。「僕だけの道」をつくるために、国内外の選手のプレーを研究し、周囲からのアドバイスに耳を傾け、取捨選択しながら上手に取り入れているところは、あらゆることに通じる学びの極意だろう。
試合後にチームメイトに当たってしまったことがあること、勉強が苦手で時間にルーズなことなど、人間らしいエピソードもちりばめられていて、親しみも覚える。俯瞰する力や感情のコントロール術は、さすが一流のアスリートといったところだが、努力で身につけたものも多いと知ることで、努力次第でなりたい自分に近づけると思わせてくれる一冊。
【作品データ】出版社 : ワニブックス 発売日 : 2022年3月 <電子書籍あり>
text by TEAM A
photo by X-1
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