もうすぐパリ2024大会! 現地は盛り上がってるの? フランス在住者に聞くパリの現在
パラサポWEB / 2024年6月19日 7時55分
パリ2024大会の開幕が数ヵ月後に迫る、開催地フランス。現地はどんな様子なのだろうか。パリ在住のフランス人と、トゥールーズ在住の日本人に現地のリアルを聞いた。
<ファニー・ポインテさんに聞くパリの今>パリの3区、10区、11区が交差するレピュブリック広場近くに住むファニー・ポインテさん。環境に配慮した輸送に関する仕事に就いています。アウトドアスポーツが趣味で、パリ在住歴8年です。
――パリ2024大会開幕を約2ヵ月後に控え、街の様子やパリ市民の反応をファニーさんはどう感じていますか。
「競技会場を含め、工事中のところが多く、大会はまだ準備中という印象です。でも、街にはオリンピック・パラリンピックのフラッグがあったり、地下鉄では競技を紹介する広告を見かけたり、着々と準備が進んでいると感じます。パリ市民はワクワクしていますよ。だって、自分が住んでいる近くでこんな大きな国際大会が開かれるんですからね。メディアでは、パラリンピックよりもオリンピックのほうが話題になりやすいですが、私の周りではオリンピック、パラリンピック両方について話をしています。私は車いすフェンシングのチケットを購入済み。今から観戦が楽しみです」
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「ポジティブな意見も、ネガティブな意見もあります。どんなときもネガティブな意見が出ます。フランス人は批判することが好きですからね」
――ネガティブな意見とは、どんなことでしょうか。「まず、生活費の高騰です。大会期間中はいつも以上にたくさんの人がパリにやってきます。その影響で、交通などが制限されるため、在宅勤務が推奨されています。それによって生活費が高くなるのではないかという心配です。もう一つが治安の悪化です。フランスでは国際的なイベントが行われると、たびたびテロが起きます。大会期間中の警戒態勢は非常に高いレベルになると思いますが、『何が起こるんだろう』という不安があります」
――現状、車いす利用者や視覚障がいのある人にとって、パリ市内の公共交通機関や道路は利用しやすいと思いますか。「正直、私は、地下鉄では車いすに乗った人を見たことがほとんどありません。車いすを利用している人は確実にいますから、地下鉄を使うことがどれだけ難しいかわかります。だから、この大会がパリにおけるアクセシビリティの向上に役立つことを願っています」
――パリ2024大会は持続可能が一つのテーマになっています。「建物を大会後に住宅などに再利用するといった、より持続可能な大会にするための努力が行われているのは知っています。大会関連の広告でもそのようなアピールをしていますね。教育現場でも、競技などと併せてこのような取り組みを学ぶプログラムが実施されていると聞いています」
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現在、トゥールーズにある車いすラグビーのクラブチームでインターン中の石井郁(いしい・かおる)さん。日本の大学を卒業した後、フランスの大学院で学びながら、車いすラグビーの国際審判員を目指し、いろいろな国で経験を積んでいます。
――スペインの国境に近いトゥールーズは、パリから高速鉄道で4時間ほどの距離。パリ2024大会の盛り上がりはどうですか。
「大会パートナーのスーパーマーケットでは、大会マスコットや関連商品が置いてあります。キオスクでも大会グッズを購入できますね。だから、オリンピックとパラリンピックのロゴを目にしない日はないと言っていいくらいです」
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「車いすラグビーの審判ができる人がフランス国内に少ないこともあって、イベントがあるときはよく呼ばれますね。『今から審判としてイベントに行ってもらうよ』と突然言われることも少なくありません」
――体験会で使われた車いすに特長があるようですね。「チームでよく使っている体験用車いすはオリジナルで作られたものです。プラスチックの椅子にタイヤをはめ込んだものなので、すごく軽量で持ち運びに便利なんです。大会やイベントに持ち込んで、体験会やプロモーション活動を行ったりしています。車いすラグビー以外の車いす競技体験でも使える仕様になっています」
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「パリで一番発達している公共交通機関が地下鉄です。でも、障がいのある人に一番対応していないのも地下鉄なんですよね。パリ2024大会の組織委員会に知人がいるのですが、話を聞くと、選手向けのアクセシビリティには力を入れているそうですが、観戦に来る障がい者に対しての対応には課題が残っているようです」
パリ2024大会でパリはどう変わるのでしょうか。オリンピックの開会式は7月26日に行われ、パラリンピックは8月28日に開幕します!
text by TEAM A
photo by TEAM A, Kaoru Ishii
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