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ロサンゼルス大会で初採用! パラクライミングの世界

パラサポWEB / 2024年8月5日 9時47分

2024年の6月、壁に魅せられた人たちに朗報が届きました。

2028年ロサンゼルスパラリンピックの競技にクライミングが採用されたのです。

パラリンピックでは初お目見えとなる“パラクライミング”。

注目度上昇中のその魅力を探りました。

登れた高さを競う

パラクライミングとは、障がいのある人によるクライミング競技。視覚障がいあるいは身体機能障がいのある選手が、高さ15mほどの壁に設定されたルートを登り、登った高さを競います。

取材にお伺いした「パラクライミングジャパンシリーズ第2戦(秦野大会)」は、屋外クライミングウォールで行われました

climbing(クライミング)とは、英語で「手足を使ってよじ登る」という意味。ホールドと呼ばれる突起物に手足をかけながら、自身の筋力と技術を駆使して壁を登る競技です。

落下もあるため、競技は必ずロープで安全を確保しながら登ります

パラクライミングは、オリンピックでいう「リード」種目で競います。

ルールは健常者のスポーツクライミングとほぼ同じ。ルート検証するオブザベーション(観察)の時間もあります。

それぞれの目標に向かって登るのがパラクライミングの魅力。壁を攻略したいというチャレンジ精神は、目が見えなかったり、体の動きに制限があったりしても変わらないのかもしれません。

視覚障がいと身体機能障がいの選手が出場

出場するクライマーの障がいカテゴリーは「視覚障がい」と「身体機能障がい」があり、さらにその中で障がいの程度に応じたクラス分けが行われます。

左大腿切断ながら見事にバランスを取って登っていくAL2クラスの選手

国内では年に2回、ジャパンシリーズが行われ、ガンなどの病気や事故により受傷した選手などが出場。ジャパンシリーズが世界の舞台への登竜門となってるそうです。

<上肢機能障がい>

【AU2】と【AU3】クラスがあり、数字の小さいほうが障がいが重いクラスです。

カラフルな人口の石がつけられた壁を登っていきます <下肢機能障がい>

【AL1】と【AL2】クラスがあり、数字の小さいほうが障がいが重いクラスです。

片足で登るAL2クラスのトップクライマー。ちなみに世界には義足で登る選手もいます

パワーだけではなく、さまざまなテクニックを総動員させて登っていることがわかります。

足を結束して登るAL1クラスの選手。スタミナが不可欠なのは言うまでもありません…… <関節可動域および筋力の機能障がいなど>

【RP1】と【RP2】と【RP3】クラスがあり、数字の小さいほうが障がいが重いクラスです。

RP3クラスの高野正選手は、2023年のパラクライミング世界選手権(スイス)を制した世界的クライマー!

同じクラスでも選手たちの残存機能はさまざま。それぞれ体の使い方が異なるのがパラクライミングの見どころといえるかもしれません。

RP2クラスには半身まひの選手も <視覚障がい>

【B1】と【B2】と【B3】クラスがあり、数字の小さいほうが障がいが重いクラスです。

B1(全盲)クラスの會田祥選手は現在27歳。ロサンゼルスパラリンピックで金メダルが狙える有力選手です

視覚障がいカテゴリー(B1~B3)では、地上にいるサイトガイドがトランシーバーを使って指示をすることが認められています。サイトガイドとのコンビネーションも注目ポイントです。

指示の方法は選手(チーム)により異なります 日本が強豪!

日本パラクライミング協会によれば、視覚障がいカテゴリーの日本代表は他を圧倒する強さを誇っており、これまで出場した国際大会すべてで金メダルを獲得しているそうです。

B2(弱視)の濱ノ上文哉選手は世界選手権で金メダルを獲得。今後の活躍にも期待が集まります

パラクライミングがパラリンピックの競技になったことを受けて、日本パラクライミング協会の小林幸一郎代表は「大変喜ばしいこと。4年後には、パラクライマーが躍動する姿から、世界は新たな人間の可能性を目にすることとなるでしょう」と話します。

そして、「日本はこれからも強豪国として国際大会で結果を出し続けられるよう、努力を続けます」とコメントしました。

日本パラクライミング協会の小林代表は、パラクライミングの世界選手権・B1クラスで4連覇を達成したレジェンド

オリンピックでは、東京2020大会で初めて実施されたスポーツクライミング。ロサンゼルスパラリンピックで実施されるパラクライミングの種目はまだ決まっていませんが、日本代表のメダルラッシュに期待がかかります。ロサンゼルスパラリンピックでは“パラリンピックのアーバンスポーツ”パラクライミングに注目です。

ライバル同士称え合う選手たちの姿もありました

text by TEAM A

photo by X-1

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