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東京パラリンピックはここに注目!金メダル候補をPICK UP

パラサポWEB / 2021年7月20日 13時48分

8月24日に幕を開ける東京2020パラリンピック競技大会。開催国という地の利を活かして金メダルを獲得する日本選手は? ここでは東京パラリンピックの金メダル候補を紹介したい。

水泳木村敬一、リオの雪辱なるか?

リオ2016パラリンピックでは日本選手最多の銀メダル2、銅メダル2の計4個を獲得した木村敬一。ただ、金メダルを目標にしてブラジルに乗り込んだだけに、悔しい気持ちも大きかったはずだ。事実、燃え尽き症候群のように、リオ後1年はゆっくり過ごしたという。

その後、人生に刺激と緊張感を入れようと2018年に単身渡米。新たな練習環境のもとでトレーニングに励み、2019年9月にロンドンで行われた世界パラ水泳選手権では100mバタフライで見事、世界王者の称号を手にした。

東京本番でも100mバタフライ(S11=視覚障がいクラス)で悲願の金メダルへの期待がかかるが、金メダル候補として注目を浴びる中で「健常者の選手に見劣りしない選手でありたい」、「人間の可能性を見せたい」と語る。

迫力のある泳ぎはもちろんのこと、表現力豊かな木村のコメントにもぜひご注目を。

(写真は2021年6月の記者会見) photo by X-1
陸上競技佐藤友祈、世界記録で2冠なるか?

ロンドン2012パラリンピックをテレビで観て、「リオ大会で金メダルを獲得する」と目標を立てた佐藤友祈にとって、これまでで最も悔しかったレースはリオパラリンピックの400mと1500mでアメリカ選手に敗れて銀メダルに終わったことだという。

その後、東京パラリンピックでの雪辱を誓い、2017年の世界パラ陸上競技選手権大会では400mと1500mで金メダル。2018年には両種目で当時の世界記録を塗り替え、2019年の世界パラ陸上競技選手権でも再び2冠を達成した。まさに向かうところ敵なしといったところだ。

さらに、「挑戦」という言葉が好きな佐藤は、2021年1月にプロ転向を発表。本人は東京パラリンピックの目標を「世界記録での金メダル獲得」と公言している。金メダルに最も近い男・佐藤は、400mと1500m(T52=車いすクラス)の2種目に出場予定。リオで金メダルゼロだった日本代表選手団に複数の金メダルをもたらしてくれるはずだ。

練習拠点の岡山にて photo by prierONE
マラソン道下美里、世界記録保持者として挑む!

マラソンを始めたきっかけはダイエットという何とも親近感のある道下美里(T12=視覚障がいクラス)は、身長144㎝の小柄な身体で世界と戦う。

視覚障がい女子マラソンが正式種目となったリオパラリンピックで銀メダルを獲得。以降も、道下の快進撃は続いている。

2017年の防府読売マラソンで当時の世界新記録(2時間56分14)をたたき出すと、2020年2月に行われた第69回別府大分毎日マラソンで、自身の世界記録を1分52秒更新する2時間54分22で世界新。さらに同年12月の第51回防府読売マラソンでは、終盤失速したものの世界記録をさらに9秒縮めて2時間54分13と、ここでも世界新をマークした。

コロナ禍では、伴走者と頻繁に練習できなかった代わりに、ひとり地道に筋トレに励んだというが、結果的にそれが功を奏し、全身を使って走れるようになったという。マラソンはパラリンピック最終日。道下のはじけるスマイルが見られるか。

(写真は2020年12月の第51回防府読売マラソン) photo by Jun Tsukida
バドミントン里見紗季奈、単複で金メダルを狙う!

交通事故により車いす生活となった里見紗季奈(WH1=車いすクラス)がパラバトミントンを始めるきっかけは、父親に半ば強引に連れていかれた練習会だった。初めこそ気乗りしなかったようだが、実際に体験した打ち合いは楽しかったという。

その場にいたパラバドミントン日本代表の村山浩はこう証言する。

「 一発目で(強く奥に打つ)ハイクリアを打っていた。この子は絶対強くなると思った」

迎えたデビュー戦でシングルス3位となり、同年12月の日本選手権で2位、2018年7月に赴いた初の海外遠征では、日本のエース・山崎悠麻とダブルスを組んだことでパラリンピックでのメダル獲得を意識するようになった。

2019年の国際大会ではほぼ毎回表彰台に上がる快挙を見せ、世界の強豪にも勝ったことで、本人も「金メダルが見えてきた」と自信をのぞかせる。現在、世界ランキング1位。東京パラリンピックは単複金メダルを狙える位置にいる。

東京パラリンピックでもダブルスを組む山崎悠麻(写真左)と里見紗季奈(写真右)(写真はヒューリック・ダイハツJAPAN パラバドミントン国際大会2019)photo by X-1
車いすテニス国枝慎吾、金メダル奪還を期す

国枝慎吾を表現するとき、多くのメディアが“レジェンド”という言葉を使う。

パラリンピックでは過去4大会で金メダル3、銅メダル2の計5個のメダルを獲得。日本でもっとも有名なパラアスリートのひとりだが、その国枝も前回のリオ大会では金メダルを逃している。

2016年4月、リオパラリンピック本番を前に右肘の手術を受けるも、6月には肘の痛みが再発。大会本番では痛み止めを打って試合に臨んだ。

結果は、男子ダブルスで銅メダルを獲得したものの、男子シングルスはベスト8と苦汁を飲まされた大会となった。それだけに、東京パラリンピックでの金メダルにかける思いは強いはずだ。

2018年には3年ぶりに全豪を制し、見事な復活を果たすと、2019年以降も主要大会で表彰台に上がる活躍。現在の世界ランキングはシングルス1位、ダブルスは6位。日本代表選手団の主将も務める東京大会では、ロンドン大会以来の金メダル奪還に期待がかかる。

(写真はインドネシア2018アジアパラ競技大会) photo by Haruo Wanibe
車いすラグビー、最強JAPANを証明せよ!

前回のリオパラリンピックで銅メダルを獲得し、日本代表選手団を盛り上げた車いすラグビー日本代表。

その翌年、アメリカとカナダで指導経験のあるケビン・オアーHCが就任し、2018年8月にオーストラリアで行われた世界選手権では初優勝。決勝戦はシーソーゲームの末、日本がリオパラリンピック金メダルのオーストラリアに1点差で競り勝つドラマチックな展開となり、日本のパラスポーツ史に残る快挙となった。

2019年には日本中がラグビーW杯に熱狂する中、車いすラグビーワールドチャレンジ2019が東京体育館で行われ、日本は予選全勝通過。優勝は逃したが、アメリカ、オーストラリアに次ぐ3位となった。

東京パラリンピック日本代表には、日本が世界に誇るハイポインター(※) 池崎大輔池透暢らに加え、近未来を担う若手も多数選出され、チームの活性化がもたらす好循環に期待大。

日本代表が目指すのは「全勝優勝」とはエースの池崎。世界王者としてのプライドを胸に、自国に金メダルをもたらすつもりだ。

※ハイポインターは障がいが軽く持ち点が高い選手のこと。

2018年の世界選手権で初優勝を飾った車いすラグビー日本代表 photo by Asuka Senaga

↓東京2020パラリンピック日本代表選手一覧はこちら https://www.parasapo.tokyo/topics/19901

text by TEAM A

key visual by X-1

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