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予選から激戦必至! メダル獲得を目指す5人制サッカー日本代表

パラサポWEB / 2021年8月7日 8時0分

2004年アテネ大会から採用されている5人制サッカー(ブラインドサッカー)。東京2020パラリンピックでは、日本は開催国枠での出場となり、初めてパラリンピックの舞台を踏む。

リーグ戦の組み合わせ抽選は、8ヵ国を4つのポット(アメリカ枠、ヨーロッパ枠、アジア枠、アフリカ&開催国枠)に振り分け、ポットごとに抽選を行ってプールAとプールBに組み分けられた。開催国枠の日本はプールAに自動的に割り当てられた。

リーグ戦の各プール上位2チームの計4チームが決勝ラウンドに進出し、下位4チームで順位決定戦を行う。

日本代表メンバーには、キャプテンの川村怜、黒田智成、佐々木ロベルト泉、田中章仁らベテランFP(フィールドプレーヤー)8人と、佐藤大介らGK(ゴールキーパー)2名の計10名が大舞台に挑む。

【日本代表メンバー】

<FP>

川村 怜 黒田 智成 佐々木 ロベルト泉 田中 章仁 佐々木 康裕 園部 優月 寺西 一 日向 賢

<GK>

佐藤 大介

神山 昌士

日本はパラリンピック四連覇中の王者・ブラジルと同組

日本は5月から6月にかけて開催された「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」(以下WGP2021)で、同大会で初めて決勝に進み、世界ランキング1位のアルゼンチン相手に健闘。もちろん課題こそあったものの、準優勝という達成感のある結果となり、本番に向けていい流れをつかんで大会を終えた。

そして、8月のパラリンピック本番。日本は暑さ対策などのシミュレーションキャンプを重ねて臨むが、予選を勝ち上がるのは決して容易ではなさそうだ。日本と同じプールAの顔ぶれは、ブラジル、フランス、中国と強豪ぞろい。なかでもブラジルと中国との試合は、タフな試合展開になること必至だ。メダル獲得を目指す日本の第一関門となる予選で対戦する各国の特徴を挙げてみたい。

【予選グループ組み合わせ】

●プールA

日本、ブラジル、フランス、中国

●プールB

モロッコ、アルゼンチン、スペイン、タイ

<フランス>

日本が初戦で対峙するのはフランス(同14位)。世界ランキングだけで見れば、日本(同12位)より格下の相手となるが、2012年ロンドン大会では銀メダルを獲得している実績を誇る。以降は低迷が続いたが、代表を退いていたエースのフレデリック・ヴィルルが復帰。WGP2021では日本には1点差で敗れ最下位に終わったが、2024年のパリ大会に向かう強化の中で、さまざまな戦略を試しているところだといい、決して侮れない相手だ。フィジカルの強さと脚の長さは日本が苦手とするところで、選手が思っている以上に相手の足が伸び、攻撃の形を崩される恐れもある。ただし、試合でマッチアップした選手からは、それほどの脅威ではないと力強いコメントも。フランスのパワーに対して、日本は運動量で勝負する。

5月の対戦で、日本は大柄で手足が長いフランスの選手に苦戦したものの勝利を手にしているphoto by JBFA/H.Wanibe <ブラジル>

世界屈指のドリブラー・リカルディーニョ(リカルド・アウヴェス)を擁するブラジルは、予選リーグ最大の脅威となる相手。現在、世界ランキングはアルゼンチンに次ぐ2位だが、パラリンピック過去4大会すべて金メダルという絶対王者である。日本とブラジルの戦いを振り返ると、2014年フレンドリーマッチ0-4、2016年ブラジル遠征0-5、2017年さいたま市ノーマライゼーションカップ1-4、2018年南米遠征0-4、0-0と敗退が続いている。日本はまだ王者に土をつけたことはないが、日本が誇る分析力と堅守で相手を封じ込めることができれば勝ち点獲得のチャンスはある。

パラリンピックで負け知らずの絶対王者ブラジル(写真はリオ2016パラリンピック)photo by X-1 <中国>

世界ランキングでは5位に位置し、アジアのトップに君臨するのが中国。2019年10月、東京大会出場をかけた「IBSAブラインドサッカーアジア選手権2019」の準決勝で日本は中国と対戦、前後半2-2で引き分け、PK戦2-3で敗退。この大会を制したのは中国だった。中国は2008年北京大会を機に国を挙げて強化に取り組んだ結果、アジアトップにまで上り詰めた。個人のプレーに頼るというよりはチームで戦略的に戦うというスタイルが特徴。リーグ戦では日本同様にブラジル戦以外の2戦は絶対に落としたくないゲームであり、難しい試合展開が予想される。日本は直前にWGP2021で実戦を経験できたアドバンテージを活かしたいところ。

日本代表は長年立ちはだかってきたライバル・中国の厚い壁を崩せるか(写真は2015年のアジア選手権)photo by X-1 好守からの攻撃と多彩な戦術とで勝利を掴め!

高田敏志監督が日本の強みを「いい守備からいい攻撃につながるところ」と表すように、日本は好守からの攻撃を得意としている。

「絶妙な距離感を保ちながら相手に時間とスペースを与えない、つまり相手の長所を消すプレーができるのが日本。また、晴眼者のGKから攻撃の起点を作るという日本ならでは攻撃パターン」(高田監督)

WGP2021でもこの戦術が功を奏し、素早い攻撃展開からシュートという場面が機能した。もちろん他のチームも日本の戦術に対応した策をとってくると思われるが、豊富な攻撃のバリエーションで局面ごとに最も機能する攻守ができれば勝利のチャンスを掴めるだろう。

日本のエースでありキャプテンでもある川村怜 photo by X-1

またここ数年、選手たちはフィジカルトレーニングに加え、メンタルトレーニング(そして、ボイストレーニングも!)を取り入れ、ブラインドサッカーに必要なあらゆる力を鍛えてきた。WGP2021で蒸し暑い日が続く中、初戦のスターティングメンバ―をほぼ交代することなく出場させた高田監督は、試合後、「パラリンピックのシミュレーションとしてメンバーを変えずに連戦を戦え抜けるか試した。選手の心拍数や走行距離などをモニタリングしたが、走り負けしなかった」と語った。

予戦からチームカラーの異なる相手と戦う日本。三者三様の相手に、多彩な攻撃を仕掛け、どのように攻略するのか。自国開催のプライドを胸に、華やかなパラリンピックデビューを飾る瞬間をファンは待ち望んでいる。

text by TEAM A

key visual by JBFA/H.Wanibe(Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川)

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