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日本選手権初優勝のfree bird mejirodaiを盛り立てた! キャプテンの園部優月の成長

パラサポWEB / 2022年1月28日 15時5分

創立6年目、日本一を目指したチームがついに頂点にたどり着いた。「第19回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権」決勝ラウンド。優勝のかかる一戦を圧巻の4発で制したのは、筑波大学附属視覚特別支援学校の生徒、OBで構成されるfree bird mejirodaiだ。フィールドプレーヤー4人全員で攻めて4人全員で守る「トータルフットボール」を掲げるfree bird mejirodaiは、過去に2度準優勝を経験しているbuen cambio yokohamaを相手に、立ち上がりからエンジン全開。エースストライカー鳥居健人が立て続けに2点を挙げた。

2度目の決勝進出となったfree bird mejirodai 狙い通りのダメ押し弾

free bird mejirodaiの勢いは止まらない。相手のマークを引きつけて鳥居のゴールを演出していた丹羽海斗が前半18分にゴールを決めると、縦横無尽にピッチを駆け回っていた園部優月に得点のチャンスが巡ってくる。前半19分、丹羽からのパスを受けて左壁からドリブルで中央に切り込んだ園部が右足でゴールをゲット。4点目のダメ押し弾を決めたキャプテンは、スタンドに向けて右手を勢いよく突き上げた。

ダメ押しとなるゴールを決めると、スタンドに向かって右手を突き上げ喜びを表した

「落ち着いて相手の位置を見る(認識する)ことができ、狙ったところに蹴ることができた。大きな自信につなげられました」

そう得点シーンを振り返る園部。ドリブルで相手2人の間をすり抜け、最後の一人はスピードで置き去りにしてシュートコースを作り出した。

鳥居とゴールの喜びを分かち合う

試合は、後半もスコアは動かず。free bird mejirodai が4-0でbuen cambio yokohamaを破り、初優勝を飾った。

「心の底から嬉しいです!」。ピッチで声を出し続けたゆえ、枯れた声で優勝インタビューに応えた園部は、「みなさんの応援のおかげで優勝できました」とチームを代表してブラサカファンや関係者に感謝を表した。

キャプテンの園部は充実した表情をのぞかせた

初めて決勝に進出した2019年の前回大会は埼玉T.Wings に7-1で大敗したが、その悔しさをバネにした。ストライカーの鳥居以外も全員がシュート力をつけて挑み、決勝でも「みんなに自分が得点を取ろうという意識があった」(鳥居)。選手たちがどん欲にゴールに向かった結果、一人に頼るのではなく、複数の選手が得点を決められるチームになった。

「一つひとつのシュートでチームが盛り上がっていきました。全員でボールをつないでゴールを決めるというところを意識して練習してきたので、本当に良かったです」

得点でも貢献したキャプテンの園部は、チームが創設時に掲げた日本一という目標の達成を純粋に喜んだ。

創立6年目。若い力で初めて頂点に上ったfree bird mejirodai 「未来の10番」が手にした自信

クラブチームでは、他の大会でも日本一になることを目指す園部。中学時代から日本代表チームでも活動しており、未来の10番を背負うとして期待される存在だ。

ブラインドサッカー日本代表がパラリンピックに初出場した2021年の東京大会では、最年少でメンバー入り。途中出場ながら全4試合のピッチに立った。

5位で大会を終えた直後の報道エリアでは、大舞台で得点を獲れなかった悔しさを口にし、「国際大会で点を獲れる選手になるために、これからシュート技術も、フィジカルも磨き、点を取れるようにがんばりたい。自分のクラブチームの試合でも自分が得点をして勝っていけるような選手になりたいです」と、前を向く園部の姿が強く印象に残っている。

近未来の日本代表エースの呼び声高い園部

2024年のパリでチームを勝利に導く大黒柱になる。そんな思いを秘める園部はクラブチームでシュートを練習するときの意識も変わったという。

「東京パラリンピック以降、取り組んでいるのは、ドリブルで中央に運んでからシュートを撃つことです。練習では、相手の位置を意識して中央に運び、その上で、シュートのタイミングや足の振り幅を意識し、GKの止めにくいシュートを撃つように意識しています」

その結果、まずはクラブチームでしっかりと得点し、2022年最初の大会で優勝。園部にとって最高のスタートになったに違いない。

日本代表としては今年、インドでブラインドサッカーのアジア選手権が予定されている。この日は、1月に発表された中川英治新監督もスタンドで園部のプレーを見守った。

試合を通して走るスタミナもアップした

「自分よりも体の大きな選手に対して当たり負けせずに戦えるということや、中央に運んで点を獲れるということをアピールできていたら嬉しいと思います」と園部。

アジア選手権は2019年に代表戦デビューを飾った舞台だ。日本にとって大きな壁になっている中国を倒さなければ、世界の上位には到底届かない。

2022年はどんな年にしたいか尋ねると、園部はこう答えた。

「当たり負けしない体幹と体力をつけて、アジア選手権の日本の勝利に貢献することです」

成長著しい18歳は、パリに向けて飛躍のときを迎える。

text by Asuka Senaga

photo by Atsushi Mihara

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