呉阿順の優勝で中国ゴルフの躍進が始まる

ParOn.(パーオン) / 2013年11月10日 18時4分

ウイニングパットを沈め、勝利のポーズを決める呉阿順 HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦(2013)(最終日) 写真・佐々木啓

HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦(11月7~10日、茨城県・美浦GC、6953ヤード、パー71)

 朝から吹き荒れる強風に各選手が悩まされた。時折10メートルを超す風速にグリーンをとらえるショットをあきらめ、いかに安全な場所に運ぶか、というゴルフを強いられた。

 そんな中、4打のリードを持って首位からスタートした呉阿順が、2バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの75。通算11アンダーで、2位の金亨成を1打差で振り切ってサバイバルゲームを制した。

「風が強くてコンディションが難しかったです。金(亨成)さんと小田(孔明)さんという強い二人を相手に勝ち取った厳しい戦いでした。後半は思い通りにいかなくて、最悪のシナリオも考えていました。プレーオフも仕方ないと」

 2番でボギーが先行したが、5番でバーディを奪い返し、スタート時の15アンダー、2位の小田と金に4打差のまま折り返した。後半は強くなる風に苦戦し、フェアウエー、グリーンをとらえることができなかった。まともなアゲンストとなる11番(パー4)ではカラーから3パット。12番(パー3)では、ティショットが風に戻されあわや崖下のショットで辛くもボギー。この時点で小田に2打差に迫られた。その後は16番までをイーブンとし、金に2打のリードを取って迎えた17番(パー4)で試練が訪れた。

 ティショットが左の深いラフにいき、グリーンを狙ったショットがシャンク気味に右の池に吸い込まれた。結局このホールはダブルボギー。1ホールを残して金と並んだ。

「刻む選択もありましたが、攻めようと思いました。後悔はしていません」

 攻めた結果と割り切り、難易度1番の最終ホールではフェアウエーをキープし、セカンドもグリーンをとらえた。対する金はティショットが右斜面のラフから結局3オン。3メートルのパーパットを外し勝負は決した。

「プレーオフにならなくてよかったです。これで2回目の優勝ですが、中国には実力ある選手がもっといます。彼らが日本に来て、来年は一緒に日本ツアーでプレーしたいです」

 今回の優勝賞金はツアー最高額の4000万円だが、使い道もその“同志”に使うという。

「今までで獲得した賞金で一番です(笑)。自分はある人のお世話になって、若手ゴルファー強化チームにお世話になっています。今も多くの選手がそのチームで頑張っているので、賞金はチームの活動に使いたいと思います」

 先週には、来年から始まる中国PGAツアーの発足が発表された。これからますます発展する中国ゴルフ界のホープとしてこの勝利は序章に過ぎない。

「今後の目標は将来的に米ツアーもそうですし、リオ五輪にも出たいです。再来週はワールドカップにも出ます。パートナー(梁津萬)も今調子がいいので、またサプライズを起こすかもしれませんよ」

「日本ツアーは環境が素晴らしい」と口にし、毎日日が暮れるまでショットと入念なパッティング練習を行った。笑顔を絶やさず、向上心にあふれた28歳のチャイニーズが、自国のためにさらなる活躍を誓った。

文・高桑均

ParOn.(パーオン)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング