【コラム】世界が五輪に向けて動き出した! 3大会で感じたW杯の変化

ParOn.(パーオン) / 2013年12月1日 11時0分

日本代表は3位入賞。互いの健闘をたたえ合う谷原秀人と石川遼 ISPS HANDA ワールドカップ・オブ・ゴルフ(2013)(最終日) 写真・秋山義和

ISPS HANDA ワールドカップ・オブ・ゴルフ(11月21~24日、豪州 ザ・ロイヤル・メルボルンGC、7046ヤード、パー71)

 石川遼と谷原秀人の日本代表ペアがW杯で3位タイになってから、1週間が過ぎた。中国・海南島から舞台をオーストラリア・メルボルンに移した今大会。2009年から3大会を取材する機会に恵まれ、その“変化”をより肌で感じた。

 熱狂的なギャラリーが多く、時折プレーを中断してしまうほどのハプニングが起きていた中国大会だったが、今回はそういうことはほとんどなく、一部の熱狂的なファンを除き静かにゴルフを楽しむ人が会場に足を運んだ。もちろん、好きな選手を前に写真撮影をしたい衝動に駆られ、人目を忍んでスマートフォンで撮影している人もいたが、こちらと目が合うと申し訳なさそうにする姿は、やはりオーストラリアにおいてゴルフがスポーツ文化として浸透していることをうかがわせる。

 そして、もっとも注目されたのは、国際オリンピック委員会に提案した2016年リオ五輪での競技方法を採用した点だろう。

 競技方法は72ホールストロークプレー。大会前にティム・フィンチェム米PGAツアーコミッショナーがこんな言葉を口にしていたことから、やはり“試金石”という意味合いが強かった。
「まずは今週のW杯で、五輪フォーマットがチーム戦に合っているのか、合っていないのか見てみましょう。この方法がダメなら、合うように修正するだけです。いろいろいう前に、まず今週やってみてフォーマットの話は来週にすべきです。まずはどうなるか、一緒に見てみましょう」

 この会見後、初日、2日目のペアリングが配られ、過去2大会とは違う強烈な違和感を覚えた。

 初日、谷原が10時12分ティオフに対し、石川は12時32分。2日目、石川は10時24分で谷原が12時20分。話には聞いていたとはいえ、日本代表の二人が同じ組ではなく、W杯本来の団体戦色が薄くなってしまったのは否めない。せめて初日、2日目でも同じ国の選手同士が回るようにすれば、ストロークプレーとはいえども普段とは違うモチベーションでプレーできたのではないか。もちろん、観戦しているほうもそうだ。

「勝てばこのフォーマットは好きになるよ。でも、チーム戦としてジェイソン(・デイ)と一緒に4日間戦えたらと思っています。そして、4ボールでプレーできたらね」(アダム・スコット)

「(最終日、15番で谷原さんのバーディを見た後、自身が17番でバーディをとって)やっと、あそこで団体戦の雰囲気を感じました」(石川遼)

 そんな選手の声があったとおり、前回よりW杯本来の団体色が薄まったことは否めない。

 この方法が五輪に対していいのか、悪いのか。判断するのは時期尚早といえるが、来年の全米オープン&全米女子オープンが2週連続で開催されるように、16年の檜舞台に向けたトライ&エラーは続く。そういう意味では、約100年ぶりとなる五輪の舞台に向けて、世界のゴルフ界が本格的に動き出したことを強く感じた今回のW杯だった。

文・秋山義和

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