【コラム】“うつ病”から立ち直った無名ゴルファーの勝利の意味

ParOn.(パーオン) / 2014年4月2日 10時29分

多くの人に希望を与える勝利となったスティーブン・バウディッチ 写真・Getty Images

 スティーブン・バウディッチ(豪州)がバレロテキサスオープン(TPCサン・アントニオ)でツアー初優勝を挙げた。最終日に76と崩れながらも通算8アンダー、1打差で逃げ切り、次週のメジャー初戦、マスターズの出場権を獲得した。

 30歳のバウディッチの大会前の世界ランキングは339位。この勝利で134位にジャンプアップしたが、これまで109試合に出場しトップテンに入ったのは2回だけだった。そんなほとんど無名の選手だが、この優勝は大きな意味を持つ。実はバウディッチは、“うつ病”から立ち直っての勝利だった。

 2006年に下部ツアーからPGAツアーに昇格したバウディッチは、22試合に参戦して予選通過は2試合だけ。60台のスコアより80台のほうが多く、4度の失格も経験。05年からアルコール依存症に陥り、「12日間眠れず、プールで沈もうとしたこともあった」のだという。

 母国の豪州に戻り治療に専念し、「ゆっくりと座って僕の心の中にある問題を吐露した。人として、自分がメンタル面でトラブルを抱えていることを認めるのはつらいことだったが、ようやく大きな肩の荷が下りた」という。

「“うつ病”は誰にでも起こりうること。そして正しい治療を受ければ回復への道に進めることだということを人々に知って欲しい」

 ゴルファーとメンタルは大きな関わりがある。今では“ビヨンドブルー”という“うつ病”から立ち直るための支援活動のアンバサダーを務める。バウディッチの勝利は、ツアー初優勝を目指すプロゴルファーだけじゃなく、多くの人に希望を与えたに違いない。

文・武川玲子

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