T・ワトソン、「若者よ、世界No.1を狙え!」

ParOn.(パーオン) / 2014年4月4日 17時24分

トム・ワトソンが若手選手に叱咤(しった)激励! 写真・Getty Images

 石川遼と松山英樹の主戦場である米PGAツアーでは若手の台頭が著しい。その一角を担っている22歳の日本人選手以外にジョーダン・スピース(20)、パトリック・リード(23)、そして世界ナンバーワンにもなったロリー・マキロイ(24)ら多くの20代が結果を残している。そんな彼らに対し、自分自身も20代のときに多くの勝ち星を積み重ねた、“新帝王”トム・ワトソンが最近、当時の自分をこう振り返っていた。

「初めてPGAツアーで勝ったのは24歳で、1974年のウエスタンオープンだった。71年10月にツアー入りし、何度か優勝の機会があったがダメだった。勝てなかった。だから、初優勝まで少し時間がかかったのです」

 そして、

「当時の私は、単純に“このPGAツアーの選手になろう”としていたということです。『ボクはプロゴルファーとして十分な力を備えているのだろうか?』と、常に疑問を抱いていた。自分の中では少しはその力があるとは思っていましたが、全部ではなかった。練習に関しては他の選手よりも頑張っていたし、自分のゴルフを向上することを心掛けていました。でも、このツアーで通用しているとは思っていなかったのです」

 71年にプロ転向後、わずか3年で初優勝を成し遂げたワトソンが、そう感じていたとは驚きだ。学生時代にツアー優勝を飾ったフィル・ミケルソンやルーキーイヤーで2勝もしたタイガー・ウッズと比べれば遅いが、彼の初勝利は早いほうだ。その勝利後、帰省したワトソンは「世界No.1になりたい」と父の前で宣言した。

「74年に初優勝した後、地元カンザスに戻り、父もいて、父の友人が私の初優勝について話していた。その時、『世界一のゴルファーになりたい』という事を始めて周囲に打ち明けた。そんな言葉は今まで口にしたことがありませんでした。以来、それが私の目標となり、世界で一番うまい選手になろうと努力しました。でも、もし目標に届かなくても、それに向かって努力することが大切だという事を、私は今の若手選手に伝えたい。当時、父の友人には、『おい、そんな事をいうんじゃない』と言われました。でも、それが私の目標だった。世界一を目指し、しばらくしてから、ようやく自分が米ツアー選手として十分に力を兼ね備えているのを感じる事ができた。それは、ターンベリーで行われた97年の全英オープンで初めて勝った後でした」

 ワトソンが20代の頃、現在のような世界ランキング(86年マスターズで、前身のソニーランキング発足)はなかったが、あれば間違いなく世界No.1に輝いていたことだろう。「世界一になりたい!」という、高い目標があったからこそ、自分の疑問を払しょくする事ができた。若者よ、高い目標を持て! 現在の成功に満足せず、高い目標を持って挑み続けろというのが、ワトソンが送った若手選手へのアドバイスだった。

文・秋山義和

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