【コラム】父として、さらに大きくたくましくなった“バッバ”

ParOn.(パーオン) / 2014年4月15日 14時42分

2歳になった息子のケレブと喜びを分かち合うバッバ・ワトソン 写真・鈴木祥

 バッバ・ワトソン(米国)がマスターズ2勝目を挙げた。35歳、身長190センチでツアー屈指のロングヒッター。その飛距離を存分に生かして勝利した。

 バッバというのは実は愛称で、本名はゲーリーという。“バッバ”とは「大きなたくましい人」という意味らしい。実際のワトソンはたくましいけれど、とても感情的。何かを一生懸命に話すとすぐに涙が出てくる。

 18番のグリーンに向かう時、パトロンから大歓声を浴びると目には涙が溢れていた。

 ワトソンはこの2年間で大きく変わったのだという。それは「父になったから」と。ちょうど2年前、マスターズで勝つ直前に生後1カ月の男の子を養子に迎えた。妻のアンジーは元バスケットボール選手。結婚する前から子供ができないことが分かっていたが、ワトソンはちゅうちょなく妻に迎えた。そして別の方法で父になる道を選んだ。

「世の中には家族が必要な子供たちがたくさんいる」

 迎えた子供には“ケレブ”と名付けた。勇敢という意味を持つ。

 2歳になったケレブは優勝した父のもとに、なんとも愛らしい姿でヨチヨチと歩いて行った。

「父になったこの2年間、僕はこのケレブのお手本となる人間になろうと決めた。良いゴルファーになるよりも良い父親になりたい。ケレブが将来、僕を目標としてくれる、そんな人間になろうと決めた。もちろん、まだまだ僕は足りない人間だけど、でも少しずつ、いろいろなことを変えてきた」とワトソン。

 昨年はマスターズ・チャンピオンという大きな看板を背負ってプレーした。プレッシャーにもなり、思ったとおりのプレーはなかなかできなかった。それでも妻の提案で練習時間を減らして、家族と過ごす時間を増やした。それがワトソンにとって必要な時間だったのだろう。バッバがもっと大きく見えた優勝だった。

文・武川玲子

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