イ ボミの専属コーチが語る“スマイルキャンディ”の現在地

ParOn.(パーオン) / 2014年10月1日 18時34分

賞金女王へ向けて、コーチと二人三脚で歩みを続けるイ ボミ 日本女子オープン(2014)(事前情報) 写真・佐々木啓

日本女子オープン(10月2~5日、滋賀県・琵琶湖CC栗東・三上C、6522ヤード、パー72)

 現在賞金ランキング1位のイ ボミは、先月中旬に父を亡くして韓国に戻ったあと、先週のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン出場し今週を迎える。

 指定練習日の今日、練習ラウンドで入念にコースの状態をチェック。

「奥からのアプローチだとボールが止まらないので、ピン手前へ寄せられるように、クラブの選択などいろいろと考えてプレーしていきます」

 気丈に振る舞うイだが、その表情からは本来の彼女の姿ではないような気がした。確かにイ自身も、

「賞金女王を獲るために父と母のためにがんばりたいけれど、心身ともに100パーセントの状態ではありません。少しずつ体の状態を以前のいい状態に戻していけるようにがんばりたい」

 と語っており、多少無理をしているような気がしてならなかった。

 そんなイを心身ともに支えているのが、専属コーチの趙範洙(チョ・ボムス)氏だ。現在満61歳の趙氏だが、アマチュア時代は韓国代表チームの1期生として6年間活動し、1986年にプロになったあとは優勝も経験。97年からコーチの道を歩み始めた。

 米女子ツアーで活躍する金寅敬(キム・インキョン)などを育てあげ、韓国ゴルフ界では指折りの名コーチとして名をはせた。現在は韓国の京畿道(キョンギド)でゴルフアカデミーを運営しながら、将来有望なジュニア選手の指導に明け暮れる。

 趙氏はイが高校3年のときに初めて出会った。

「当時はまだ粗削りで、修正しなければならない部分がたくさんありました」

 と笑う。

「ただ、プロになってから大きく成長しました。彼女の長所は高い集中力と技術の習得がほかの選手よりも早いこと。プレーにおいてもすべてのバランスがいいので、ミスをしても次にカバーする能力が抜群に高い。何よりもゴルフに対しては努力家で、メリハリのある生活ができる選手。だからこそ成長が早いんです」

 イを指導してから9年目を迎えたという趙氏は、

「今ではあまり教えることはなくなりました」

 と話すが、イが父を亡くしたあとの体や精神面の状態に気付かないわけがない。

「スイングのタイミングやバランスなど、ベストの状態ではないので、その部分の修正はアドバイスをしています。精神的な部分で今はしんどいとは思いますが、これまで安定した結果を残してきているので、そこまで成績が悪くなる心配はしていません」

 練習ラウンド中も、イのことをそばで娘のように見守る姿が印象的だったが、長らく指導を受けてきたイにとって、趙氏は“第2の父親”のような存在なのかもしれない。

 イの父親は生前、口をすっぱくして、「賞金女王になれ」と娘に語っていたという。イと趙コーチはその“遺言”の実現に向け、二人三脚で歩みを続ける。

文・キム ミョンウ

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