【コラム】B・ワトソン、子供たちに夢を与えるミラクルチップイン!

ParOn.(パーオン) / 2014年11月10日 14時44分

バンカーからのチップインイーグルを決め、ガッツポーズを決めるバッバ・ワトソン 写真・Getty Images

 中国の上海で開催された今季最初の世界選手権シリーズ、WGC-HSBCチャンピオンズを制したのは、今年のマスターズ覇者、バッバ・ワトソン(米国)だった。

 最終日、一時は首位に5人が並ぶ大混戦。ワトソンは17番(パー3)でダブルボギーを打つと首位から脱落、これで終わりかと思われたが、最後にミラクルが待っていた。

 18番(パー5)、第2打をグリーン左のバンカーに入れたが、この25ヤードのバンカーショットはグリーンに落ちると、カップに向かって転がりイン。見事にイーグルを決めると、同組のティム・クラーク(南アフリカ)と並んで通算11アンダーでホールアウト。戦いはプレーオフにもつれ込んだが、1ホール目にバーディを奪ったワトソンが、初の世界選手権を制した。

「やっぱり、ワトソンは何をするか分からない選手だ」と驚くのは、同組で回っていたリッキー・ファウラーだ。

「どんな状況になってもポジティブに考えて、まだ1打、残されていると考えないといけない」とワトソン。

「僕の素晴らしいキャディは、『まだショットが残っている』って、そう僕にささやいた。だから、『僕もまだ諦めてないさ』と応えたよ」

 最後まで諦めない気持ちがワトソンを勝利へと導いた。

 ワトソンの目標は、通算10勝を挙げることと、米国の外で勝つことだった。外国で勝つ目標を中国で達成したワトソンは、興奮してこう話す。

「最初の18番で僕が打ったあのバンカーからのチップイン。もちろん僕も興奮したけれど、観客も大いに沸き上がった。もし中国のジュニアゴルファーがあのショットを見ていたら、きっと大きな刺激を与えたに違いない。中国だけじゃなくて世界中でだ。あれを見たら、きっとゴルフをしたいと思うかもしれない。例えばパスケットボールのように、勝利を決めるショットを打ちたい、そう思うに違いない。僕は声を失うほど興奮した。もしかすると見ていた子供たちは、バッバ・ワトソンが勝ったか、クラークが勝ったか、分かっていなかったかもしれない。それでもギャラリーが興奮したのは伝わったはず。こういうドラマが、きっと子供たちに大きな刺激になったと思うんだ」

 米国外で勝つことが目標だった意味は、こんなゴルフが少しでも世界に広がること、そして、子供たちに夢を与えることだったのだ。なんとも心優しい、ワトソンらしい話だが、もう一つの目標、通算10勝まで、あと3つに迫った。いやいや、先週36歳になったばかりのワトソン。あと3勝どころか、これからますます強くなるに違いない。来年もワトソンに注目だ。

文・武川玲子

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