平本穏、絶望の淵からはい上がる男

ParOn.(パーオン) / 2014年11月29日 20時1分

ファイナルQT進出失敗から大逆転でシードを目指す平本穏が首位タイで最終日へ! カシオワールドオープン(2014)(3日目) 写真・村上航

カシオワールドオープン(11月27~30日、高知県・Kochi黒潮CC、7315ヤード、パー72)

 賞金ランキング100位の平本穩が、5バーディ、1ボギーの68で回り、通算11アンダーの首位タイで最終日を迎える。

 平本は今週のラッキーマンとでも言おうか。

 先週の金曜日に終わった来季の出場権をかけたサードQTに出場した平本は、53位で失敗し、ファイナルQTにさえ進めなかった。釣りが趣味という平本は、

「ゴルフもしたくないと思って、家にいると暗くなるので」

 と月曜日の夜に地元広島で夜釣りに出かけた。

「何も釣れなくて、ゴルフもダメでどうなっているんだ」

 と落ち込み、出場権のなかった今大会のウエイティングの登録のために会場を訪れた。平塚哲二が欠場したことで枠が空き、平本よりも上の選手が会場に来ていなかったため、繰り上げで出場できることになった。

「しわい(※広島弁のしびれるの意)パーパットを7、8回入れている」

 と、初日68、2日目69、そして3日目も68にまとめて首位タイに並んでいる。

「自分の弱点は分かっています」

 今年のブリヂストンオープンは、3日目を終えて3位タイにつけていたが、最終日に失速して結局35位タイに終わった。

「ブリヂストンオープンのときには、『優勝できる』『優勝スピーチも考えている』と妄想していましたが、そんな妄想を描いていると優勝争いのプレッシャーがハンパなかった。妄想するのが自分の弱点」

 と崩れた要因が明確になった。

 まだツアー3年目で初めて優勝を意識できる位置で回り、初めて感じる重圧だった。

「『優勝したい』『シードを取りたい』と思うだけでできるなら、誰でもできる。妄想はよくないです。目の前の1打1打をこなすことが大切です。お世話になっている知人の座右の銘が『人事を尽くして天命を待つ』です。その言葉どおり、自分のベストを尽くすことだけを考えます。妄想はよくないです」

 つい1週間前にゴルフをするのも嫌になった男が、心を入れ変えた途端に優勝を狙える位置でゴルフをしている。優勝すればもちろんだが、3位に入れば第1カテゴリー(60位まで)のシードが見え、5位に入れば第2カテゴリー(61位~75位)のシードも視野に入る。また、トップ10に入れば、シードには手が届かないが76位から85位までのファイナルQT受験資格復活の可能性も出てくる。

 月曜日の夜釣りでは釣れず終わった平本が、明日はいったい何を釣り上げるのだろうか。

文・小高拓

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