B・ランガーが6度目のチャンピオンズツアー賞金王に 強さのヒミツとは?

ParOn.(パーオン) / 2014年12月2日 18時0分

ケガをした2011年を除き、7年で6回チャンピオンズツアーの賞金王になったベルンハルト・ランガー 写真・Getty Images

 50歳以上の選手で競うチャンピオンズツアーは、レギュラーツアーのような華やかさはないが、キャリアを積んだおなじみのベテランたちによる味のあるプレーで手堅い人気がある。2014年シーズンもチャールズ・シュワブカップ選手権(10月30日~11月2日、米国アリゾナ州・デザートマウンテンC)で公式日程の25試合を終了し、ベルンハルト・ランガーが3年連続、通算6回目の賞金王に輝いた。

 チャンピオンズツアーは、通算45勝・賞金王3回のヘイル・アーウィンが、69歳の年齢から力の衰えを隠せず成績が降下した後、ランガーがトップの座を維持している。一般的に55歳くらいがピークといわれるチャンピオンズツアーの選手の中で57歳のランガーは重鎮といってもいいだろう。

 第2次大戦中、チェコ生まれのランガーの父親は、ソビエト軍の捕虜となったが、シベリアへ搬送中の貨車から飛び降り脱走に成功、米軍基地に逃げ込んで一命を取り留めた。息子のベルンハルトがゴルフと出合ったのも米軍の影響だ。当時、ドイツでゴルフはまったくのマイナースポーツだったから、運命的である。

 クソがつくほど真面目な性格でこつこつと精進し、ティーチングプロのアシスタントから17歳でプロ転向。欧州ツアーで1980年(23歳)初優勝、マスターズに初めて出たのは82年だが、当時はおかしなパッティンググリップの選手という以外ほとんど印象がなかった。両手を離したスプリットで、しかもクロスハンド。「25歳を前にイップスになり、ありとあらゆるグリップを試み続けている」と、90年代初めからは長尺パターを使い始めて現在に至っている。

 85年マスターズに初優勝し、世界的に名を知られるようになったランガーのゴルフは文字どおり堅実のひと言に尽きる。強さの秘密はとにかく体が頑丈なことだろう。好きなサイクリング中に転倒し、肩などを痛めて夏ごろまで試合に出られなかった11年は賞金王を逃したが、それ以外は故障がない。趣味の一つが「聖書を読む」ということから見ても、生真面目な性格であるのが分かる。

 目下のところ、一番のライバル候補は今年4月から有資格者になった強豪、デービス・ラブIIIだろう。しかし、今年のラブIIIはまだレギュラーツアーへの出場が多かった。来年は本格的にチャンピオンズツアーで激突することになるだろうが、今のランガーを見ていると、少なくともあと2年くらいはツアーを牛耳るのではないかと思わされるのだ。

文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2014年12月16日号)掲載


岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年にフリーのゴルフジャーナリストに転向。以降、現在まで米PGAツアーを中心に世界のゴルフを追いかけている。

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