短期集中連載「素顔の宮里藍」7

ParOn.(パーオン) / 2017年9月14日 12時0分

5月26日、今シーズン限りでの引退を発表した宮里藍。その後、米女子ツアーに復帰し、いつものように「全力で」残り試合に臨んでいる。過去にパーゴルフPLUSで“今週の藍ちゃん”というコーナーを持ち、宮里藍と懇意にしているジャーナリストの武川玲子が、フィナーレまでの期間、“藍ちゃん”の知られざる素顔を公開していく。
宮里藍にとって現役最後の試合、エビアン選手権が間もなく始まる。

その予選ラウンドのペアリングが発表され、一緒に予選ラウンドを回るのはポーラ・クリーマー(米国)とヤニ・ツェン(台湾)の二人になった。「大会からリクエストできると話をいただいたので。最後までいい緊張感を持って回れる二人を選びました」と理由を語った。

思い出されるのは2010年5月、当時世界ランキング1位だったロレーナ・オチョア(メキシコ)の引退試合。オチョアの母国、メキシコのモレリアで開催されたトレスマリアス選手権(4月29日~5月2日)だ。

このときオチョアが「最後に一緒に回りたい」と選んだのが、宮里藍とナタリー・ガルビス(米国)の二人だった。

「ナタリーは大学時代にずっと一緒にプレーして、助け合ってきた。藍はツアーの中で最高の女性。母国からの大きなプレッシャーを受けながらも、自分をコントロールする姿に感心してきた。藍のことが大好き。彼女の未来がうまくいくことを本当に祈っている。だから、最後に一生忘れない2ラウンドを一緒に楽しみたいの」(オチョア)

宮里にとっても、オチョアはルーキー当時からずっと面倒をみてもらってきた先輩だ。ゴルフでもプライベートでも彼女にとって憧れであり、目標の存在だった。

初日に宮里藍は10バーディー、ノーボギーの63をマークし、大会新記録で単独首位に立った。

「ロレーナのために絶対にこの試合で勝ちたい」

と、宮里はその後も気合十分のプレー。最終日、18番で4メートルのパーパットを沈め、ステーシー・ルイス(米国)を1打差で抑えて逃げきった。

その表彰式が感動そのものだった。オチョアが宮里に走って駆け寄り、「ロレーナ!」と宮里も大きな声で叫んで抱き合った。二人は一緒に涙を流していた。

式が始まると二人は並んで立っていた。アナウンスが始まったころだろうか。宮里はこっそりとウイニングボールをオチョアへ手渡してた。

「ボールをあげたくて。勝ったら絶対にあげるんだと決めていました。本当に自分でその姿をイメージしていた(笑)。彼女に私ができることはそれくらいしかない。本当にありがとうといって、手渡しました」

自身の引退を目前にし、当時を回想する。

「今度は私の番がきました。アテストのテントの中でロレーナが泣いていましたが、きっと私も同じ思いになると思います。でも、それもいい思い出になるのだと思う。寂しくないといったらウソになる。でも、それよりも最後のメジャーの挑戦を頑張りたい」

ポーラ・クリーマーとヤニ・ツェン。仲間に囲まれた最後の予選ラウンドは、日本時間9月14日の15時7分にティオフを迎える。

文/武川玲子

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