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中2レベルなら海外暮らしもできる...大人が「英語力を底上げする」方法

PHPオンライン衆知 / 2024年5月23日 11時50分

大人のための英語勉強法

人生100年時代といわれる昨今、学生時代に一度挫折した英語に再びチャレンジする"大人の学び直し"が増えているようです。

『7日間で英語がペラペラになる カタカナ英会話』(Gakken)が話題の甲斐ナオミ先生と、シリーズ続編の『やっぱり英会話は筋トレ。20の動詞をモノにする反復法』(かんき出版)が好評な船橋由紀子先生、話題のベストセラー作家のお二人に「大人の学び直し」に効果的な方法について聞いてみました。前・中・後編の3回に分け、今回は中編をお届けします。(構成/山岸美夕紀 撮影/斉藤秀明)

 

大人が英語を上達させるためのポイント

甲斐ナオミ,船橋由紀子

――私自身、英語の学び直しをしているのですが、なかなか上達しないんです。大人が上達するためのポイントはありますか?

【甲斐】まずひとつは、「目標をはっきりさせること」でしょうか。私の生徒さんでも、「雑談が上手になりたい」「たわいのない日常会話ができるようになりたい」といったリクエストをされる方が多いのですが、それではちょっと弱いんですよね。

もっと「海外に行ってゴルフをしたい」や「大好きなハリウッドスターのインタビューを英語で聞き取れるようになりたい」など、明確な目標がほしいところです。

【船橋】かなりピンポイントですね。

【甲斐】はい、すごくピンポイントな目標があるといいんです。あまりにも漠然としていたり、目標が高すぎたりするのでは、途中で挫折しやすいかもしれません。

たとえば、大人の学び直しで多いニーズのひとつに「海外のテレビドラマを字幕なしで聞き取れるようになりたい」というものがありますよね。ですが、いきなり「フレンズ」などを見始めるのではちょっとハードルが高すぎるかもしれません。

私は、8割は理解できて、2割わからないことがある、という「8:2」のバランスがもっとも英語力が伸びる比率だと思っているんです。ドラマや映画でいえば、幼い子どもが主役のものであれば会話の内容はだいたい日本の中学英語レベルなので、8割くらいは理解できるのではないかと思います。

【船橋】「8:2」が最適なんですね。たとえば、「アイ・アム・サム(I am Sam)」という映画がありますが、7歳で知能が止まってしまったサムというパパさんが主人公の物語なので、たしかに、このサムの英語がとてもよく聞き取れます。

ハリーポッターシリーズなども、イギリス英語ですが、初期の作品であれば登場人物の年齢がまだ低く会話も聞き取りやすいので、そういった映画を選ぶといいかもしれませんね。

【甲斐】私がキッズのレッスンでよく使う動画に、YouTubeで公開されている「CAILLOU(カイユ)」というものがあります。カイユとはフランス語なんですが、私の出身地・モントリオールでつくられたアニメなんですね。

カイユも最初は3歳くらいで、少しずつ成長していくにつれて英語も上達していく。さらに、もっと幼いカイユの妹はカタコトのような英語でかなり聞き取りやすく、大人の学び直しとして利用するのもおすすめです。

【船橋】それはとても良さそうですね! 私もチェックします。

 

「実際に使える」英会話を身に着ける

船橋由紀子

【船橋】会話ができるようになるためには、そういった動画や映画を観ながらインプットをすることは大事ですが、それだけだと先ほど(前編で)お話ししたように「インプットメタボ」になってしまいがちですから、同時に、良質なアウトプットも組み合わせましょう。

【甲斐】船橋先生の『英会話は筋トレ。』シリーズは、まさに効率よくインプットとアウトプットが同時にできるように構成されていますね。実際に使える100のフレーズに絞って、「I like ○○」「I like △△」というように反復して発音することで体に覚え込ませるという。

【船橋】ありがとうございます。英会話も筋トレと同じく反復がとても大事だと思っていて。自動的に口からフレーズが出るところまでもっていかないと、実際に英会話で「使える」ようにならないですよね。

私自身、筋トレ愛好家なのですが、筋トレには「ビッグ3」なるものがあって、それがベンチプレス、デットリフト、スクワットの3種目。体の大腿四頭筋や広背筋、大胸筋などの筋肉を複数使うトレーニングがその3つなんです。

大きな筋肉を鍛えたほうが、体は早く変化しやすいんですよね。英語も同じだと思っていて、もっともよく使うフレーズを反復してトレーニングしていくことが上達への近道だと思っています。

【甲斐】「中学生レベルの英語」ではなく、「中2レベルの英語」というのもポイントですね。

【船橋】はい、"中3までいかなくていい"というコンセプトです。初学者がつまづくのって「関係代名詞」とか「現在完了形」のあたりが非常に多いんですね。なので、それらの少し難しい文法は省き、長い1文になるなら2文に分ければいい、という形で作っています。

それから、heやsheといった三人称代名詞も入れていません。英語のコミュニケーションにおいて何から鍛えたほうが効率よく伸びるかと考えた時に、まずは「I」と「You」、「私とあなた」という2者間の関係性を成立させることが大切だと思うので。このほか、itやthat、疑問文などは日常においてよく使うため、多少取り入れています。

【甲斐】そうですね、itはよく使いますもんね。私の両親も、2人とも日本人なのですが、まさに中2レベルくらいの英語力で何十年もカナダで暮らしていますから、実践力としてはじゅうぶんだと思います。

【船橋】そうなんですね! ナオミ先生のお墨付きをいただきました(笑)

【甲斐】私の両親に限らず、ネイティブもあまり複雑な単語や表現は使いませんよね。日常会話では基本的な動詞を使いまわしていることが多いです。

私の生徒さんでも、たとえば「服を脱ぐ」という表現をする際に「remove」?「delete」?など難しい単語を探す方も多いのですが、「脱ぐ」は「Take off」。

基本的な動詞と前置詞をセットにした「句動詞」で表します。「Get up」とか「Wake up」など、句動詞や熟語は日常生活でかなり使うので覚えた方がいいかなと思います。

【船橋】そうですね。シリーズ続編の『やっぱり英会話は筋トレ。』の方で、それらを取り上げています。動詞のなかでも簡単で身近な「20の基本動詞」を題材に、100の例文パターンにしてトレーニングしていく構成です。

【甲斐】シリーズ2冊をマスターすればバッチリですね。

【船橋】はい。まずこれだけで英語がペラペラにはならないかもしれないけれど、限られたもので"スラスラ感"を味わっていただきたい、という意図で作りました。この2冊に、ナオミ先生の『カタカナ英会話』も組み合わせれば、発音もネイティブレベルになれますね。

改めて、「カタカナ発音法」って本当にすごい発明だと思います。実は先日、『カタカナ英会話』をパートナーにも読ませてみたんですが、まず「難しい」と言ったんですね。なぜかというと、カタカナの下に書かれた英文に引っ張られちゃうんです。下手に英語の知識があると、そっちに意識がいってしまう。

なので、英文を見てはダメ、と。とにかく一回このカタカナを信じて、そのとおり読むんだと言い聞かせまして(笑) そうすると、本当にネイティブのような発音になって驚いていました。

【甲斐】そうでしたか。たしかに、この『カタカナ英会話』も、今まで日本人が覚えてきた英語や従来のカタカナ英語の発音を一回忘れてもらって、まっさらな気持ちで取り組んでもらうといいかもしれません。

【船橋】むしろ初学者のほうが吸収しやすいかもしれませんね。ぜひ、みなさんにもネイティブになった感覚を味わってみていただきたいです。

甲斐ナオミ,船橋由紀子

 

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