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なぜ一流ビジネスパーソンほど多趣味なのか? 成果を出す人の休日の過ごし方

PHPオンライン衆知 / 2024年11月19日 11時50分

休み方

「働き方改革」の取り組みがスタートして5年、あなたの働き方は本当に変わったでしょうか。きちんと「休日」をとっていますか? 「休日」に、何をして過ごしていますか? 日本人は、「休むこと」も「休日の過ごし方」も下手であると、800社以上の働き方改革を支援してきた越川慎司氏は指摘します。
世界のトップビジネスパーソンが実践している、仕事のパフォーマンスを上げる「休み方」とは、どのようなものなのでしょうか。

※本稿は越川慎司著『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋編集したものです。

 

休んでもやることがない日本人

日本のビジネスパーソンの顕著な特徴として、有給休暇の取得率が低い人ほど、「休んでも、やることがない」と考えている傾向が見られます。

この傾向は、管理職になるほど高くなっており、「無理して休みを取っても、コレといってやることがない。家にいても邪魔にされるだけ」という理由から、休みを取らない人が多数を占めているのです。

欧米のビジネスパーソンであれば、1週間の休みが取れたら、「家族とキャンプに行って、メジャーリーグ観戦やバイクでツーリングもできるな」と即座にスケジュールが決まります。

日本人の場合は「何をすればいいのか......」と悩んでいるうちに、2~3日の休みを消化してしまう人も珍しくないようです。

こうした人に共通するのは「趣味がない」ということです。日本のビジネスパーソンには、「仕事以外に趣味と呼べるようなものがない」という人が少なくありません。

仕事に追われるような毎日を送っているため、時間的にも、気持ち的にも、趣味に当てられるような余裕を見出せない人が多いのだと思います。

趣味と呼べるものがないと、休日をどう使えばいいのかわからず、土日はダラダラと寝て過ごすことになります。

それで疲れが取れればいいのですが、身体も心もスッキリとすることはなく、頭の切り替えができないため、脳の働きが活発になることもありません。

 

「締め切り効果」で仕事が効率的に

弊社が日本のビジネスパーソンに実施したアンケート調査によって、仕事で数多くの成果を上げている優秀な人は、有給休暇の消化率が20%以上も高く、複数の趣味を持っていることが明らかになっています。

仕事ができる人に共通する特徴は、「週末にテニスをしたいから、効率的に仕事を進める」とか、「海外にフィッシングに行きたいから、1週間の休暇を取るために仕事のスケジュールを前倒しで回す」など、趣味を楽しむために仕事のスケジュールを逆算して考えて、業務効率を高めていることです。

「休めそうなら休む」とか、「暇になったら休む」と考えてしまうと、いつまで経っても休みが取れず、趣味を楽しむこともできません。

彼らは、先に休む日を決めて、それに向かって計画的に仕事を進めることで「締め切り効果」をフル活用しているのです。

締め切り効果とは、期限を設定することで集中力が働き、効率的に作業を進めることができる......という心理現象を指します。

決められた期限に間に合わせるのではなく、自分の楽しみのために設定した自分だけの期限を守るために仕事をする......という思いがモチベーションのアップにつながるなど、仕事のできる人たちは自分の趣味を上手に使って、仕事の生産性を高めているのです。

 

趣味を楽しむことで「自己効力感」を高める

休日とは、他人から評価されることのない自分軸の時間です。

自分が主役の時間を自分がコントロールして、自分が選んだことをやっている......という感覚が、生きがいや働きがいに大きく影響します。

主体的に時間を使うことを、私は「時間自律性」と呼んでいます。

クライアント企業の社員17万人の「働きがい」を調査して明らかになったのは、この「時間自律性」に気づき、それを高める努力をすることが、自分で自分を評価することにつながるということです。
他人依存ではなく、自分軸の評価が、働きがいだけでなく、生きがいも高めることがわかっています。

グローバル企業のエグゼクティブであっても上司がいますから、彼らも評価される側であることは同じです。

彼らが休日を楽しんでいる背景には、誰からも評価されることのない自分だけの自由な時間を謳歌することで、生きがいや働きがいを見出している......という側面があるのです。

世界の一流が休日に自分の趣味を楽しんでいるのは、休日を通して「自己効力感」を高めようと考えていることに理由があります。

 

「やってみたら、できた」という感覚を養うのが休日

自己効力感とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「自分なら必ずできる」とか「きっとうまくいく」と思える感情や自信のような感覚を指します。

自己効力感が高い人は、どんな状況でもポジティブに行動できるだけでなく、次のような5つの特徴を持っています。

①新しいことに積極的にチャレンジする
②どんなことでも素早く行動を始める
③失敗しても過度に落ち込まない
④できない理由ではなく、どうすればできるかを考える
⑤周りから学ぶ姿勢を持っている

私の経験でいえば、「自分にはできないだろう」と勝手に自分の能力に蓋をしていましたが、いざ蓋を開けてみたら、意外とできたことに自分自身が驚きました。

この「やってみたら、意外とできた」という自信が自己効力感の本質であり、世界の一流は休日や趣味を通して、この感覚を養っているのです。

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