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M-1王者・令和ロマン髙比良くるまさんが考える「すぐに伸びる人」の確かな条件

PHPオンライン衆知 / 2024年11月26日 11時50分

髙比良くるま

2023年のM-1優勝を経て、配信やテレビ、ラジオなど今や数々のメディアでお見かけする令和ロマン。30代に入ったばかりで多方面に活躍するお二人には、同世代やその下の世代からの支持もたくさん集まります。

髙比良くるまさんは、11月8日に初の著書『漫才過剰考察』(辰巳出版刊)を出版しました。吉本興業のプロフィールに趣味は分析と書くくるまさんが、M-1や漫才を過剰なまでに考えて文章に起こした一冊になっています。

9月に30歳を迎えたくるまさんには、一つ変化があったそう。現在の心境、また、後輩たちを見る中で気づいた「伸びる人」の特徴を教えていただきました。

 

くるまさんが思う「すぐに伸びる人」とは

――令和ロマンのお二人が昨年M-1で優勝されて、経歴とか年齢に関係なく、成功する人はすぐに成功していく現象が目立つようになった気がしています。くるまさんから見て「すぐ伸びるだろうな」って人のイメージは何かありますか?

決め付けられるヤツが早くに成功していくんじゃないですか。

今は選択肢が無限にあるから、僕の運命論みたいに「こうなったらこうだろう」って思わないと進めないんですよね。だから、間違ってるかもしれないけどとにかく決めて進まないとって、後輩とかを見てて思いますね。

膨大じゃないですか、見れるもの、学べるものが。YouTubeとかをちっちゃい頃から観てたら何にだってなれちゃう。だからこそもう、決めないと。

――自分はこの道に進むと早くに決めるべき、と。

そうですね。もう決めるしかないですよね。別に決めたことは変わっていっていいんですよ。僕は初志貫徹みたいな考えは全然なくて。

ボーっとしてると動けなくなっちゃうんで、今の時代は。人を立ち止まらせるためのコンテンツが豊富にあるので。それこそ、こんなのここで言うのもあれですけど、新書を全部読んでる場合じゃないじゃないですか!

――(一同笑い)

ビジネス書って、よくいじられるじゃないですか。「この本の内容を信じてもさあ」みたいに。そう言うけど、いやそれを一つ信じて進まないと進めないから!って。実際にそのビジネス書を足場にしてどんどん前に進んでる人がいるわけじゃないですか、世の中には。僕はそれでいいと思うんですよね。

「いっぱいやり方があるから、どうしよう」とか言ってたら終わりだから。立ち止まるのもそれはそれで大切なんですけど、後々後悔するくらいだったら決めてしまえって。僕から見た伸びそうだなって人は、決められる人が多いかもしれない。

 

30歳になって、やめたこと

令和ロマン・髙比良くるま

――9月に30歳を迎えられましたね。この時代に年齢でくくるのはあまり良くないかもしれないですが、しかしやっぱり30歳って一つの区切りにされることがまだ多いと思います。くるまさんは30代をどんなテーマを持って進みたいかなど、何かお考えはありますか?

僕も今まで年齢でくくってなかったんですけど、先日ちょうどForbesの「FORBES JAPAN 30 UNDER 30」っていう世界を変える30歳未満の30人に選ばれ、自分の中ではなんで?と思いながらも受賞したわけですよ。

そのときの授賞式でいろんな業種の人に会って、「すいません、芸人がこんなところにいて」みたいな態度でいたんですよ。で、普通は「そんなことないですよ」って言ってくれるじゃないですか。今までもそういう場面はたくさんあったんですけど。

でもなんかその時、本当に「そんなことないな」って自分でも思って。「そっか、もう卑屈になっていられる年次じゃないんだ!」って気づいたんです。

自分を下げるようなことを言うのは、人に迷惑をかけてると思うんです。相手にフォローさせるだけじゃないですか。内心は「芸人なんて」と本当に思っていたりもするんです。でもこれを言うことで「そんなことないですよ」ってほら、言わせるだけじゃないですか。それで人との会話をワンターン奪ってしまっていた罪にやっと気づいて。

自分がラクだから、つい癖で言っちゃってたんです。でも「もうこれでは駄目かあ」と悟って。しかも30歳ともなると、どんどん後輩が出てきているわけなんで。年下の人たちが「すごい」って言ってくれてるのに、「僕なんて」って返すのは意味がないことをやっちゃってると思ったんです。

ちょうどそれに気づいたのが30歳になる直前だったので、それから切り替えました。30歳で過剰な謙遜をやめました。とりあえずやめて、なんなら自信過剰ぐらいでいかないといけないのかな、なんて今は考えています。ていうか、それで進んでいかないと僕の命の使い方として意味がないなと。すごい不始末だなと。

――30歳になって、まず謙遜をやめたんですね。

今考えれば、謙遜してしまうのはサービス精神がなかったなって。実際にそれをやめてみて、周りに謙遜している大人がいたら「ずるいな」って思います。「自分なんて」と言われた相手は何も言えなくなってしまうから。

一番大きな変化はここですかね。30代は人とフラットに向き合える10年にしたいって、ざっくりとしたイメージです。

(取材・編集 PHPオンライン編集部 片平)

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