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集客に成功している女性起業家ほど、“SNSに頼らない”これだけの理由

PHPオンライン衆知 / 2024年12月4日 11時50分

吉田淑恵著『さよならSNS集客』

今や、広報の第一選択肢となっているSNSによる集客。しかし、起業初期に手を出すと、思うように効果を得られないばかりか、無駄な努力を続けることで、疲弊してしまうことにもなりかねません。起業初期の女性起業家がSNS以上に高い効果を得られる集客方法について、企業育成コンサルタントの吉田淑恵さんに聞きました。

※本稿は、吉田淑恵著『さよならSNS集客』(秀和システム)より一部抜粋・編集したものです。

 

起業初期にSNS集客しても徒労に終わる

女性が起業をすると、多くの人が真っ先にSNSでの集客を考えます。

InstagramやLINE公式アカウントの使い方を学ぶセミナーに参加することが一般的ですが、じつはこれがいちばんの落とし穴なのです。

起業のはじめにまず取り組むべきは、SNS集客ではありません。

SNS集客が効果的でない理由は、事業の軸が整っていないからです。事業の軸が整わないと、発信の内容がブレてしまい、どれだけがんばっても効果は出ません。

まずは自分の事業について、次のことを明確にする必要があります。

これらが明確になっていない状態でSNS発信をしても、反応が得られないばかりでつかれ果てて、起業自体をやめてしまおうと考える人さえいます。

有料広告を使ったとしても、選ばれる理由がなければお金をムダにするだけ。とくにSNSのアルゴリズムは頻繁に変わるため、起業初期の段階で労力をかけるのは非効率です。

SNSはモノを売る場ではなく、認知を広げる場です。SNSでつながった後には、見込み客が購入ステップへ進む仕組みが必要なのです。

 

ターゲットを絞るほど顧客対象者は増えていく

自分の商品について発信するとき、ターゲットを広げたほうが多くのお客様を獲得できるのではないか、と考えることがあるかもしれません。

多くの女性起業家が、ターゲットをしぼることに対して不安を感じています。ターゲットをしぼると、対象となる人が少なくなるのではないかと心配するのです。

しかし、それは間違いです。

むしろターゲットをしぼることで、実際にはより多くのお客様を引きつけることができます。

たとえば「◯◯のための」とターゲットを明確にすることで、専門性が生まれて、その商品やサービスが特定の困りごとを解決するものであると感じてもらえます。「これは自分のための商品だ」と感じてもらうことで、興味を持ってもらいやすくなります。

ターゲットをしぼる際には、以下の二つの方向からアプローチします。

【アプローチ①属性やカテゴリー】

年齢、地域、職業、役割などの属性やカテゴリーを考えます。

たとえば「子育て中のお母さん」といった広いカテゴリーではなく、「3歳以下の子どもを持つお母さん」といった具体的な属性を設定します。

【アプローチ②心理状態や困りごと】

ターゲットの心理状態や、具体的な困りごとに焦点を当てます。

たとえば「子どもの抱っこで腰が痛いたいお母さん」といった具体的な問題に焦点を当てることで、ターゲットにとっての商品の必要性が明確になります。

そして、ターゲットをしぼる際には、実在の人物をモデルにすると効果的です。

理想的な顧客像を架空で描くのではなく、実際に存在する人をモデルにすることで、より具体的なターゲット像を描くことができます。

 

集客の鉄則は「知らない人」へのPRより「知っている人」

ビジネスをはじめると、SNSで集客して知らない人に売ろうとする女性起業家が多いのはなぜでしょう。

この理由の第1位は「友だちに商売したくないから」。

女性起業家の多くが友だちに売りたくない理由には、以下の三つがあげられます。

理由①セールス=悪いものという思い込み、理由②不要なものを売る罪悪感、理由③商品への自信の欠如です。

セールスは「相手の困りごとと、自分の持つ解決策のマッチングの場」です。これを前提にできると、友だちに売ることには多くのメリットが見えてきます。

【メリット①信頼関係が構築できている】

購入ステップのいちばんのハードル「信頼関係の構築」が、友だちとのあいだにはすでにできているため、買ってもらいやすいです。また「同じ商品、どうせ買うならば友だちから買いたい」と、信頼している人から買いたいという心理が働くため、応援してもらえます。

【メリット②お客様の声がもらいやすい】

近くにいる友だちは、サービスを利用した後のフィードバックが得やすいです。ポジティブな意見だけでなく、率直なフィードバックももらいやすく、商品やサービスの改善に役立ちます。

【メリット③いい紹介につながりやすい】

友だちの紹介で来るお客様は、次のお客さんとしても信頼できることが多いです。友だちの紹介は信頼性が高く、良質なお客様を呼び込みやすいのです。

【メリット④雑談で自然なPRができる】

友だちとの雑談の中で、さりげなく自分の商品やサービスを紹介することができます。

たとえば、私がアイシングクッキーの認定講師だったとき、ママ友とのお茶の席で「今、講師養成講座に通っている」というお話をしました。すると「講師になったら教えてね」と言われ、親子1組5000円の講座を開催したところ、30名の親子が参加してくれました。

このように、知らない人を当てにしてSNSでがんばるよりも、まずは友だちに売ってみてください。友だちに売ることのメリットを生かし、ビジネスを成功させましょう。

 

「フォロワー」が増えても「見込み顧客」は増えない

SNSでの集客をはじめると、どうしてもフォロワーを増やすことに注力しがちです。

フォロワー数が多いと人気があるように見えますが、それが売上につながるわけではありません。買うつもりのない人を集めても、そのリストでは契約や購入に結びつく率が下がるだけです。

そして、フォロワー数を増やすために「いいね」回りや相互フォローをしてしまうと、自分のフォローしているジャンルがバラバラになります。

こうなると、SNSの仕組みが「何屋さんかわからない」と判断し、本当に届けたい層への投稿の表示率が下がってしまうのです。

売上=単価×見込み客数×成約率×リピート率で、売上は構成されています。この中で重要なのは"リストの数"ではなく"見込み客の数"です。

興味がある人10人を集め、その人たちにパワーを注ぐほうが、興味が薄い100人を集めるよりも効果的です。興味のある見込み客を集め、その対応に集中することで、成約率が上がり、売上も伸びます。

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