よく眠れない原因は「自律神経の衰え」 加齢に伴う睡眠不足を解決するポイント
PHPオンライン衆知 / 2024年12月16日 11時40分
加齢に伴って寝つきが悪くなったり、もっと寝たいのに早く目覚めてしまったり...睡眠に悩みを抱えている人は多いものです。年齢を重ねても質の高い睡眠をとるにはどうしたらいいのでしょうか? スリープトレーナーのヒラノマリさんによる書籍『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』より解説します。
※本稿は、ヒラノマリ著『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』(大和出版)を一部抜粋・編集したものです。
日中は交感神経が優位、夜は副交感神経が優位
「年を重ねるごとに眠るのが下手になった」という人は少なくありません。実際、年をとるとだんだん体内時計のメリハリがなくなったり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量も減ってくる傾向があります。
また、自律神経の働きも加齢によって衰えてくると言われています。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。日中は活動するために交感神経が優位になっており、血管が収縮して、心拍数が上昇し、血圧が高くなります。筋肉への血流量が増し、体が活動しやすい状態を作り出します。
一方、夜は副交感神経が優位になり、血管が拡張して、心拍数が低下し、血圧が下がります。消化器への血流量が増し、深部体温が低下して、眠りやすい体になるメカニズムがあります。
年とともに、特に副交感神経の働きの低下が顕著で、10年ごとに約15%働きが低下すると言われていて、とある研究では、男性は特に30代から、女性は40代から、副交感神経の機能が低下していくことがわかっています。
そのため、寝つきが悪くなったり、うたたねしがちだったり、体内時計もだんだん朝型になっていく人が多いのです。そのように、加齢と共に睡眠も充実しにくくなる傾向は確かにありますが、あきらめないでください。衰えを遅らせたり、補強したりすることはいくらでもできます。
体内時計は運動で調整できる
たとえば、運動の習慣があると体内時計にメリハリが出てきますので、毎日の適度な運動(日々歩くように意識したり、エスカレーターを使わずに階段を使うなど)は、健康はもちろん、質のいい睡眠のためにも効果的なのです。
今できることを実践して、悲観せずに向き合っていただけたらと思います。年齢と睡眠時間の長さにもふれておきましょう。
アメリカの睡眠関係の機関によれば、推奨される睡眠時間は年齢と共に短くなっており、26歳~64歳は7~9時間、65歳以上は7~8時間が推奨されています。逆に、年齢によっては、「寝すぎると認知症になりやすい」というデータもあります。
大切なのは、短すぎず長すぎず、適度な睡眠時間をキープすること。目安としては、働き世代の64歳くらいまでは、最低でも7時間眠ることを目指してください。
体をほぐして自律神経を整える
私たちの自律神経は、交感神経と副交感神経がうまく切り替わることで正常に働きます。仕事や家事で活動しているときは交感神経が、リラックスしているときは副交感神経がオンになっている状態です。
通常、夜になると副交感神経のスイッチが入ります。ところが、忙しい現代人には、そのバランスが崩れて、夜になっても交感神経が活性化したままの人が多いようです。したがって、副交感神経のスイッチをちゃんと入れることが、安眠の大きなポイントになります。そのためにできることを紹介しますね。
1. 目を温める
体の中でも、特に副交感神経が集まっているのは、目、耳、首の後ろ、腰などの部位。そのうち、簡単にリラックス効果を得るには、目を温めることがおすすめです。電子レンジで温めるホットアイマスクを活用するといいでしょう。
仕事が忙しくて眠れないとき、「ホットアイマスクか、熱冷まし用の冷却シートか、どちらを貼るか迷う」という人が多いですが、これは自分の状態によって使い分けることが大切です。
「神経がピリピリして眠れないならおでこに熱冷まし用の冷却シート」「眼精疲労や、こめかみがこって眠れないなら、ホットアイマスク」というふうに使い分けてください。
2. 体(筋肉)をほぐす
自律神経は背骨に沿って集中的に走っているので、肩こりや腰痛があると自律神経の働きが悪くなりがちです。内勤の方、特に長時間同じ姿勢で仕事をすることが多い方ほど、背中をほぐすことを心がけてほしいです。
入浴で血行をよくするほか、凹凸のついたフォームローラーやストレッチポールなどの器具を使って首や背中をほぐしてみてください。これなら整体やマッサージに行かなくても、帰宅時間が遅くても、テレビを見ながら気軽にできます。同じく自律神経に作用すると言われている、アロマも併用するといいですね。
また、眼精疲労があるときは耳の上あたりの側頭筋がこっていることも多いので、シャンプーのときにマッサージブラシを使って、頭皮をほぐしておくといいでしょう。これも質のいい睡眠につながります。
私は、睡眠コンサルやセミナーで「筋肉のこりは、心のこり」とお話することがあるのですが、筋肉はストレスによってもこることがあるので、毎日、こった筋肉をほぐすことが大切です。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
疲れているのに眠れない……熟睡できない人がやっているNG行動とは?
ハルメク365 / 2024年12月5日 18時50分
-
【セルフチェック】その寝汗、放っておくと危険かも⁉ 受診が必要な症状の目安と注意すべき病気とは
ハルメク365 / 2024年12月2日 18時50分
-
中高年女性「ぼーっとする」「落ち込みやすい…」メンタルを回復させる休息の取り方【専門医が解説】
ハルメク365 / 2024年11月28日 21時0分
-
これを口に入れるだけで脳への血流が10~40%増加する…重要局面で最高のパフォーマンスを引き出す秘策
プレジデントオンライン / 2024年11月28日 17時15分
-
「夏はTシャツで寝る」はやめたほうがいい…睡眠のプロが「寝具は夏用と冬用を分けるな」というワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月27日 17時15分
ランキング
-
1仕事を失うことは命を失うのも同然…見栄晴さんは下咽頭がんの手術を選ばなかった
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月16日 9時26分
-
2「解約も下ろすこともできません!」銀行から突き放され…認知症親の財産、8割が“他人”に握られる後見制度の〈恐ろしい実態〉
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月16日 10時15分
-
3安倍昭恵さん×トランプ夫妻「夕食会」の舞台裏…永田町で飛び交う臆測と“パイプ役”の名前
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月16日 11時3分
-
4「生きた心地がしませんでした…」山間部の県道で“あおり運転”され続けた30分間の恐怖。その後思わぬ展開が…
日刊SPA! / 2024年12月16日 8時52分
-
5朝ドラ出演の57歳俳優は元芸人。“まさかの相方”と30年ぶり復活のワケを本人に聞いた
女子SPA! / 2024年12月16日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください