「運が悪い時期」に取った方がいい行動
PHPオンライン衆知 / 2025年1月7日 11時50分
人生には運がいい時もあれば、当然、悪い時もあります。どうにも物事が上手くいかないと感じた時、どのように対処すべきなのでしょうか? 中島輝さんの書籍『ホントのあなたは絶対に運がいい!』より紹介します。
※本稿は、中島輝著『ホントのあなたは絶対に運がいい!』(扶桑社)を一部抜粋・編集したものです。
失敗の数を数えていこう
自分の得意技を発揮できる場を見つけることは、自信と勇気と自立を育むために非常に重要です。そして人生には表裏一体の側面があり、成功と失敗は切り離せない関係にあることを理解することが大切です。
太極図のように、失敗があるからこそ成功が輝くのです。
太極図とは陰と陽を表現したものです。失敗はいわば「陰」に当てはまります。物事はすべて陰からスタートし、「陰」がないと「陽」、つまり成功もないのです。そして陽の中にも陰があり、その陰の中にもまた陽があるというわけです。この考え方を持っている人は、自分に対して強い自信を持てるでしょう。
一般的に「成功には失敗がつきもの」と言われますが、私は「失敗が成功を育む」と考えています。多くの人は成功にばかり目を向けがちですが、実際には失敗の数を数え、その積み重ねが成功へとつながることを知っておくと、心が楽になります。
成功を過度に求めると、失敗が恐れの対象になりますが、失敗があるからこそ成功が生まれるのだと理解すれば、未来に対して希望を持つことができます。
私は「自己肯定感基金」を設立するという目標があり、そのために100万部のベストセラーを達成したいと考えています。これは、ただの夢ではなく、実現に向けた強い意志と計画に基づいています。
また、社会の文化的催眠状態、つまり「土日が休みであるべき」といった固定概念からも解放される必要があると思っています。社会の枠組みにとらわれず、自分自身の道を切り開く覚悟を持つことが、自信を持つための鍵になるでしょう。
人生は与えられるものではなく、自分自身で創り出すものです。このように考えることで、自信を持って未来に向かって進むことができるのではないでしょうか。私は同世代である身として中高年の方に対して「もったいない」と感じるのは、多くの人がその可能性を見逃しているからです。
どん底を経験したからこそ、もっと積極的に夢や時間を作り出していくことが重要だと考えています。夢や時間は作るものであり、表裏一体の法則を理解すると人生が楽になるでしょう。
たとえば、喜びがあれば悲しみもあり、成功があれば失敗もある。これらは互いに切り離せない関係にあります。この法則を知ると、自分のなかにある嫉妬心や羨望の気持ちが、実は自分がそうなりたいと望んでいる部分から来ていることに気づくでしょう。
私自身も家族を持ちたかったと思っています。家族の経験がほとんどないからこそ、幸せそうな家族ばかりが目に入り、嫉妬心を感じることがありました。
しかし、それは自分がその状況を望んでいるからこその感情であり、受け入れて認めることで、自分自身を愛し、大切にすることにつながります。その感情を認めてあげれば、不思議とどうでもよくなってくるものです。家族が自分にとって本当に必要なのか、それとも私にとって仕事や夢の実現よりも優先されるべきものなのか。
そうしたことと正直に向き合うことで、ムダに引きずることなく、自分に優しく接することができるようになります。「楽」に生きるとは楽しいこともそうですが、心の負担をなくして生きることでも得られます。あなたも世間の目や他人と比べるのは全部やめて軽やかに生きていいのです。それも、運が良くなる秘訣です。
運が悪いときはほっておく
私は、運がいいなと思うときには、ものすごく大きな勝負に出ます。悪いなと思うときは、「見ざる聞かざる言わざる」で何も動きません。つまり自分が今、どの辺りにいるのかというのを見極めながら動いているのです。
運が上向きのときは動くのです。
たとえば、世界の情勢や人口動態などを見ていき、「やっぱりこっちだな」とリサーチをして投資したり行動していく。これはお金やビジネスに関する話だけではありません。人生の流れにおいてもそう動いています。
運が下向きのときや、停滞しているように感じるときは動かずに、引きずられたり引っ張られないように、ほとんど見て見ぬ振りをしてしまいます。ネガティブな批評があったとしても、受け止めて反省したあとは前を向くだけで、「以上!」と行動します。
なぜなら、そのタイミングは違うことを考えるチャンスだからです。下向きのときは、ほかのことを準備する時間なのです。
占いでは、人生の運気の流れを春夏秋冬でたとえることがあると聞きます。うまくいく時期があったり、どんどん動く時期があったり、下がっていく時期があったり、それぞれ、そのときに何をどれだけできるか。
東洋の占いは、すべてに「死と再生」という意味が含まれています。なくなって新しいものが生まれるという繰り返し。
西洋の占いは、宇宙が土台で、森羅万象でたとえます。宇宙は「破壊と創造」の象徴です。ビッグバンで破壊されて新しいものが作られる。死や破壊というネガティブなことも、すべて新しいこと、創造につながっているのです。
運がいい人は、「死と再生」「破壊と創造」を潜在的にも顕在的にも自分の人生に取り込むことが上手な人です。運が悪いときでも、その後に必ず再生・創造となる幸運のときがやってくると考えられるくらい、自己肯定感を高く持って生きているからです。
運を持っている人は、そのタイミングを読む感覚と知性が優れているのです。だからこそ成功している多くの経営者やスポーツ選手も、指針を得るために占いに行くのです。
それは、占いによって決めてもらうのではなく、今後の動きはどうなっていくのかという指針の確認をしたり、今後の方向性の見定めをするのです。彼らは占いの知識がなくても、その感覚を心でわかっています。占いの結果を聞いて、「じゃあ今は種まき期だ」とか、「今は何が起こっても行動したほうがいい」と受け入れるのです。
一生安定を求めるのは不可能です。この森羅万象のなかで、絶対に安定はありません。無理なことを求めるというのは、つらいこと。無理だとわかったうえで、どううまく生きていくかということを自分で考えたほうが楽しいはずです。苦しんだり悩んだりするのが人間ではなく、苦しんだり悩んだりできるからこそ人間なのです。
「許すこと」が運を良くする方法の一つ
健康やお金、人間関係でうまくいっている人は、あまり人を憎みません。というよりも、他人を憎むことが自分自身を醜くすることを知っているのです。そのことを理解しているため、自分を許し、他人を許すことができるのだと思います。自分が醜くならないためにも、許すことが運を良くする運用方法の一つだと考えるのです。
人を憎むことには何の得もありません。憎むことによって自分の心が疲れ、相手の感情を増長させることになる。また、憎んで戦って勝ったとしても成果はほとんど得られない。むしろ人を許すことにこそ大きな価値があり、それが人間の成長につながると考えます。
ライバルに負けたと潔く認めたときに、初めて次にどうやって勝つかを考えることができる。つまり本当に勝ちたいなら負けを認めることが重要であり、負けを認めない限り、次の勝利は決して訪れないのです。そしてそのことが「なんとか次は絶対勝ってやる」という気持ちにもつながります。
たとえばお金持ちの友達に対して羨ましさを感じることから、憎しみを抱く人がいます。しかし人生の幸せの価値はお金にあるのではなくて、人生を快適に過ごすために必要な価値としてお金があるのです。自分には莫大なお金はないけど、些細なことを喜べる豊かさがあると思えたら十分幸せです。
私自身、たくさんの挑戦をしていると、さまざまな人と関わるのですが、「この人と関わっている時間がムダ」だと思うことがたまにあります。自分の目標設定に必要な人であれば、落ち込んで悩むこともありますが、そうでないならば、その人のことを早く忘れる練習をしています。
まさに「もうやーめた」という感じで、あえてもう考えないようにします。その人は初めからいなかった! という気持ちで新しい人生を創りましょう。
人間関係を感情でうまくコントロールできれば、基本的にはいろんなことが自分のなかでうまく咀嚼できるようになり人間関係を良くすることができます。
人間関係の原則とは自分との関係性です。自分との関係性がいい人は人間関係もいいし、人間関係がいい人は、助け合う関係性も上手です。
「負けるが勝ち」というパターンが人生には多くあります。だからこそ、相手を勝たせることを覚えました。「どうぞ、勝ってください」という感じです。対抗することもしません。
負けるという選択肢を自分で選んでいるので、相手が「勝った」と喜んでいても、それは自分の計画通り。「相手が勝った、悔しい!」ではなく、「相手が勝った、予定通り!」と思えるようになりました。
「許す」という行為は非常に大切で崇高なものだと考えています。相手を許すという行為は、自分の価値や存在を肯定する力につながり、自己理解と自己受容に結びつくからです。相手を許すことで、自分自身も完全ではなく、間違いや弱さを持っていることを認識します。
そして、その欠点や不完全さを受け入れることで、自分に対しても「価値がある」と認めることができるようになります。このプロセスを通じて、自分の価値や存在を肯定する力が育まれるのです。
さらに、相手に対して「価値がある」と許すことで、人間関係がより豊かになり、自分が他者に対しても影響力を持つ存在であることを実感します。
これが自己肯定感を高め、自分の価値や存在をより強く感じることにつながります。つまり他者を許すことは、最終的に自分を許し、自分の価値を認める力となるのです。
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