30代ビジネスパーソンは、自分から話すのが苦手? 有川真由美さんに聞く「声がかかる人の特徴」
PHPオンライン衆知 / 2024年12月27日 12時0分
ビジネス書を中心とした本の要約サービスflier(フライヤー)が発表した、「2024年最も読まれた著者」として選ばれた作家の有川真由美さん。同媒体でいくつかご著書が取り上げられる中で、『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)への読者の関心が一番高かったといいます。
その理由を有川さんはどのように分析するのでしょうか。同書や今回の受賞についてお話しをうかがいました。
※2024年最も読まれた著者ランキングは「flier」の有料会員を対象に、スマホアプリおよびウェブのアクセス数(要約閲覧数)を、著者別で集計し、順位付けをしています。集計期間は2023年12月1日~2024年11月15日です。
フライヤーにて「年間で最も読まれた著者」に
――本日は取材のお時間を頂きありがとうございます。本の要約サービス「flier(フライヤー)」が発表する「2024年最も読まれた著者ランキング」にて1位に選ばれましたね!あらためまして、おめでとうございます。今回の受賞について率直なご感想を教えてください。
【有川】11月にフライヤーさんのオフィスでお聞きしたんですが、もう本当に驚きました。最初にこの知らせを聞いたとき、心の底から喜びが込み上げてきて。まさか自分が...という感じでしたが、今はただ感謝の気持ちでいっぱいです。
私の本を何冊も取り上げてくださったフライヤーの皆さん、編集の姥さん、校正さんやデザイナーさん、営業さん、書店員さん、読者の皆さん......みんなで一緒に歩んで、みんなで作り上げた喜びだと思います。一人じゃなくて、みんなと一緒に作り上げてきた道のりを、しみじみ感じています。
それに、フライヤーさんの要約の仕方がとてもお上手なんです。自分の本ではないと思ってしまうくらい、最初の導入の部分から最後までよく書いていただいていて。
――私もいくつかご著書を読ませていただいていたので、今回のこの結果をとても嬉しく思いました。
【有川】ありがとうございます。私の本を読んでくださっていた方にそう言っていただけるのは、とても嬉しいんです。身近なお友達とか、お世話になった方に伝えると、本当に自分のことのように喜んでくださるんです。見守ってくれていた方々が喜んでくださるのがとても嬉しいですね。
――フライヤーさんにていくつか要約が掲載されている中でも、『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』が特に読まれていたそうですね。この傾向を有川さんはどう分析されますか?
【有川】フライヤーさんの読者は30代、40代が多いと聞きました。職場で周りの人に自分からは話しかけられなかったり、どんなふうに接したらいいのか分からないと感じている人が多いのではないでしょうか。
そして、仕事の交流会や友人の集まり、婚活パーティーなど、人と会う機会はたくさんあるのに、上手に会話を続けるのって結構難しい。誰かから話しかけてほしいと思っている人の方がきっと多いんですよね。そんな人たちの気持ちに、少しでも寄り添えたらいいなって思っています。
そういう読者のことを、『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』を執筆するときからずっと考えていました。
話しかけられやすいのは、隙のある人
――同書に関連したお話しになるのですが、話しかけられやすい人の特徴はずばり何だと思いますか。
【有川】華やかで完璧な人が話しかけられるかというと、それだけでもないと思います。例えば職場で話しかけやすい人って意外とそういう人じゃなくて、ちょっと話を聞いてくれそうな人だったり、ニコニコしているような人の方が話しかけやすいんです。
つまり、隙のある人の方が話しやすいのではないでしょうか。バリアを張っていない、心が開いている人というのは話しかけやすい。自分はちゃんとしていますとかではなくて、自然体でそういうのを見せちゃってもいいかなっていうような安心感を持っているから、相手もちょっと心地よくなるというか。
また、自分のことではなく相手に関心を向けられる人も話しかけられやすいと思います。「今日は素敵な服を着ていますね」「髪を切りましたか?」といった、相手にベクトルを向けられる人には安心して話せます。相手を受け入れられる人、そして好奇心のある人は話しかけられやすいんです。
話しかけづらい人は、意識が自分に向いている
――反対に、話しかけづらい人の特徴はどのようなものでしょうか?
自分のことを常に気にしすぎる人は、話しかけられにくいですね。よく思われたいという意識が強すぎると、緊張して縮こまったり、逆に自分を大きく見せようとしたりしてしまいます。交流会などで、自分がどう見られるかを気にしすぎると、むしろ距離を置かれてしまうんです。
―― 具体的に見た目や振舞いに共通点はありますか?
最近は、服装だけで「怖そう」と判断されることは少なくなっています。ただし、むっとした表情や、帽子を深くかぶって表情が見えない人は話しかけにくいでしょう。サングラスをしていたり、腕を組んで偉そうにしていると、さらに話しかけにくくなります。
意図的に、あるいは無意識に「話しかけないで」オーラを出している人もいると思います。真剣に仕事や作業に集中しているときは、それも仕方ありません。しかし、交流したい場面では、スマートフォンを見続けるなどして遮断的な態度を取ると、話しかけられにくくなってしまいます。
取材・編集=PHPオンライン編集部 片平奈々子
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