1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

継続が苦手な人ほど「今日だけ」に目を向けるべき納得の理由

PHPオンライン衆知 / 2025年1月27日 11時50分

谷崎玄明著『今さらだけど、あらゆるムダを省いたら最難関試験に一発合格した!』

「日々計画的に勉強を続けているのに、思うような結果が出せない」「また『三日坊主』で終わった」

一念発起して資格取得を目指したものの、こんな状況に陥ってしまう人は多いでしょう。現役の公認会計士として働く谷崎玄明氏もかつてはそうでした。しかし大学4年生のとき、公認会計士試験に一発合格。辿り着いたのは、「あらゆるムダ」を省く勉強法です。

谷崎氏によれば、ムダには大きく分けると「心の力」「効率化」「習慣化」の3つがあるそう。ここでは「習慣化」のムダについて解説します。

※本稿は、谷崎玄明著『今さらだけど、あらゆるムダを省いたら最難関試験に一発合格した!』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。

 

「習慣化のジレンマ」という落とし穴

あなたは、未来を見通すほど、かえって習慣化が難しくなるという事実をご存じでしょうか。
では、その謎解きからスタートしましょう。

未来のことをしっかり考えて資産形成しましょう、未来に役立つことを学び、資格を取っておきましょう。このように「しっかりと考えなければ」と思う心は大切です。しかし、習慣化においては、その限りではありません。

むしろ、未来を見通すほど、習慣化は遠ざかっていくという残念な事実があります。
この事実を、ヤマアラシのジレンマをなぞって「習慣化のジレンマ」と名づけました。

ご存じかもしれませんが、「ヤマアラシのジレンマ」とはショーペンハウアーの寓話に由来した言葉です。

冬にヤマアラシたちが暖を求めて群がったものの、お互いの身体のトゲによって刺されるので、離れざるを得なくなったというもので、矛盾や葛藤をあらわしています。つまり、「習慣化したいのに、できない」という矛盾や葛藤こそが、このジレンマです。

一方で、こういった矛盾や葛藤というジレンマをなくすことで、つまりはそういった「習慣化」のムダを省くことで、本当の意味での習慣化を手に入れることができます。

他でもない、わたしも習慣化のジレンマに陥っていたことがあります。わたしが公認会計士になろうと思ったのは、経営コンサルタントに漠然と憧れていたからです。

経営コンサルタントを調べると、国家資格として「中小企業診断士」が検索結果に出てきますが、大学生1年生の頃のわたしは、中小企業診断士を受けて経営コンサルタントになろうと思っていました。何も得ていない自分に焦りを感じる年頃で、何か専門性のあるものを得たいと思ったのです。

そして大学に入って中小企業診断士のテキストを買ったものの、とにかく続きませんでした。
2日勉強して、2週間勉強しない期間が続いて、次は3日勉強して、3週間勉強しない期間が続いて、その後も「勉強しなければ」と思うたびに机へ向かうものの挫折し、それを繰り返していくうちに、いずれ勉強しようという気持ちごと葬り去られてしまいました。

受験を決めたときの、やる気やモチベーションはどこへやら、そのときにわたしが落ちてしまっていた穴が、習慣化のジレンマだったのです。いくら必死に這い出ようとしても、なかなか出ることができない深い穴です。

 

「今日だけでも」で一日坊主になる

深い穴に落ちていたわたしが、習慣化に対して抱いている難易度はとても高いものでした。テレビやネットなどで紹介されるような、習慣化に成功して、あらゆる習慣を身につけている人に対して羨望の眼差しを向けていました。

そして「どうしてあの人は、習慣化できたのだろう」「どうして自分は、こうも習慣化が苦手なのだろう」と、いつも考えていました。これは劣等感とも呼べるかもしれません。習慣化できている人に対して劣等感を抱き、自分を卑下し、どうせ自分には無理なのだ、とあきらめの感情が渦巻いていました。

そしてこのあきらめの感情を引きずった末に、わたしはこう思いました。

「習慣化のことを考えるのはやめにしよう。考えてもどうせ続かないのだから。だったら、せめて"今日だけでも"頑張ってみよう。今日だけなら、わたしでもできる」

これが、わたしが習慣化のジレンマから這い出る方法を見つけ、習慣化のムダを省いた瞬間です。

「今日だけでも」には、今日しかありません。完全に今日だけに集中しています。

明日のことなんて知らないし、どうにもならないのだから考えない、という、ムダを省いた極めてシンプルな考え方です。これは心の視野を狭めるとも表現できます。

 

千里の道を歩いている人は、千里先を見ていない

たとえば「千里の道も一歩から」という継続の大切さを説いたことわざがありますが、もし千里の道を歩こうとしている人が千里先を見ながら歩いた場合、どうなるでしょうか。足元に石があったら躓き、そして嘆くでしょう。こんな道は歩きたくない、歩ける気がしない、と。

もしくは「あぁ、まだこんなに歩かないといけないのか」とため息交じりに呟いてしまうかもしれません。到底、体力が持つかもわかりませんし、喉が渇いてきたし、そろそろ休憩しようか、と。そしてそのまま再び歩き出すことはありません。

これは億劫さによる挫折です。

対して、実際に千里の道を歩いている人は、千里先を見ていません。千里先のことをどれだけ考えても、目の前の一歩がラクになることがないことを知っているからです。

いつ到達できるかわからない千里先のことを考えるくらいなら、目の前の一歩に集中しようと思うからです。石に躓き、億劫さに負けた人と、目の前の一歩のことだけ考えた人。この両者の違いは「心の視野が広いか、狭いか」だけです。

 

一日坊主はそもそも「続けようとしない」坊主

わたしは「今日だけでも」をきっかけに、心の視野を狭め、習慣化することだけではなく、計画を立てること、立てようとすることも同時にあきらめました。

計画を立てることは、あくまでも明日以降に期待することです。明日に期待することよりも、今日を大切することにしました。

習慣化できない人のことを「三日坊主」と呼びますが、わたしは「今日だけでも」の言葉通りに勉強をしていくことで、三日坊主から脱することができました。三日坊主から千日坊主や一万日坊主になったわけではありません。逆です。

こうして、わたしは一日坊主になりました。公認会計士として働く今でも変わらず、一日坊主です。

三日坊主が続かない坊主だとすれば、一日坊主はそもそも続けようとしない坊主です。ただ今日だけを見ている人のことです。つまり、この記事を読み終えたあとの、あなたのことです。

とはいえ「今日だけでも」を心でいくら決めたとしても、それを続けることは難しいことです。そこでわたしが生み出した具体的な方法が「今日だけでもリスト」です。

 

「今日だけでもリスト」で一日坊主習慣術を実践

ムダなプレッシャーがかからない「今日だけでもリスト」。これを持っておくだけで、プレッシャーが薄れ、勉強がするすると進んでいきます。

ここで紹介していく「今日だけでもリスト」には「今日だけでも、これはやっておきたい」ことをすべて書いていきます。

「今日だけでもリスト」の作成方法は、いたってシンプルです。

1.上部の左側に今日の日付を書く
2.今日の想定勉強時間を決める(頭のなかで決め、リストには書きません)
3.線を引き、下に今日やることを書く
4.やることの右に「想定所要分数」を書き、丸で囲む(15分単位で書きます)
5.丸のなかに書かれた数の合計が、2で決めた想定勉強時間の近くになるまでこれを繰り返す
6.書き終わったら、日付の右側に合計分数を書き、それを~時間換算とする

ここで「想定所要分数」についての注意点です。
「~時間勉強するために、これを勉強する」ではなく「このくらいの勉強をすれば、だいたいこのくらいの勉強時間になるだろう」が想定所要分数の正しい書き方です。だからこそ、先に3で「やること」を書き、4で想定所要分数を書く順番にしています。

 

切り離せるメモで「枠」を活用する

なお、ここで作成したリストには、その後、原則としてつけ足さないように気をつけましょう。こうすることで、やるべきことを「これだけ!」に絞ることができて、減らすことができます。

また、「今日だけでもリスト」に使用するメモ帳ですが、わたしは無印良品で購入した、切り離せるメモ帳を使っていました(今でも仕事や私生活で使用しています)。
〔無印良品メモパッド 約140×100㎜・200枚〕

今日だけでもリスト

メモ帳には、綴りのもの(切り離せないもの)もありますが、わたしがあえて「切り離せる」ものを利用していたことに大きな意味があります。

なぜなら「今日だけでもリスト」は今日を切り取る「枠」だからです。「枠」があれば、明日以降へと拡がりがちな心の視野を今日だけに絞り、目の前のやるべきことに集中することができます。

こうして、切り離せるメモという枠を活用することができれば、一日坊主習慣術も簡単に実践することができるでしょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください