何でも一人で抱えてしまう人の「自責思考」 他人に頼る力をつけるためのステップ
PHPオンライン衆知 / 2025年2月3日 11時50分
大変な状況に陥っていても、助けを求めることができない...周囲に頼ることができない人が、ヘルプシーキング(救助要請)できるようになる為には何が必要なのでしょうか。書籍『大人の愛着障害』より解説します。
※本稿は、村上伸治 (監修)『大人の愛着障害』(大和出版)を一部抜粋・編集したものです。
甘えきらずに大人になった自分を自立させ大人にする
あなたはいままで「人に頼ってはいけない」と思って生きてきたのではありませんか。愛着に問題を抱えている人は過度に自分に厳しくして、困っていても人に助けを求めることができません。
\あなたはどうして「助けて」と言えなくなったのですか?/
□ いつも期待されていたので、助けを求めることは失敗を意味した。
□ 小さい頃から誰も助けてくれなかったから、自分でなんとかすべきだと思ってきた。
□ 他人を信頼するとろくなことがないので、弱味を見せられなくなった。
□ 助けを求めると、バカにされるのではないかと思ってしまう。
□ 自分は、他人から助けてもらう価値がないと思っている。
□ 自分が主導権を握り、状況をコントロールしないと、安心できない環境で育った。
□ 過去に他人に相談して、ひどい目にあったので、誰にも助けを求められなくなった。
□ 自分の問題で、誰かが負担に感じることが耐えられない。
□ つらい、困ったといった感情を封じてきたので、うまく他人に説明することができない。
□ 助けを求めたら、批判されたことがあり、それ以来助けを求められなくなった。
□ つねに「他人に迷惑をかけるな」と言われて育った。
□ 助けを求めたときに、相手に拒絶されたことがある。
助けを求められない心理を抱えてしまっている
原因のひとつと考えられるのが、幼少期からの体験です。小さい頃に誰かに助けを求めたときに「自分でやれ」と断られたり、「うるさい」と怒られたりしたことはないでしょうか。または「自立しなくちゃ」という思いにとらわれ、人に頼れない人もいます。
「自分ひとりでやらなくては」「自分の問題は自分で解決すべき」と思い込んでいる人もいるでしょう。「こうなったのは自分のせいだから人に迷惑はかけられない」など、自責思考が影響している人もいます。
心の奥底ではSOSを発しているのに助けを求めることができず、限界まで自分を追い詰めてしまう人がとても多いのです。
自立とはヘルプシーキング(救助要請)ができること
「人に頼る」と「助けを求める」のは未熟であり、自立した人ではないと考える人が多いかもしれません。ですが、そうではありません。
赤ちゃんや幼児は、親にしっかりと甘え、依存するなかで心が成長していきます。依存は自立へと向かうために不可欠です。誰も頼らず依存しない幼児は、健全に成長できるでしょうか。恐らく難しいでしょう。乳幼児期からしっかり依存することが、後の自立へとつながります。
また、自立を「誰にも頼らないこと」だと考える人が少なくありませんが、自立とは本当は「依存先を増やすこと」です。
たとえば車いすで生活をしている人は、多くの人や物に助けてもらう必要があります。頼る先が特定の人に集中するのは避けるべきですが、多くの人に少しずつ上手に依存して、自分なりの生活をしている姿は、自立しているといってよいのです。
このように「自立とは上手に依存すること」です。人が育つ過程でもっとも身につけなくてはいけない能力のひとつは「上手に人に助けてもらう能力=ヘルプシーキング能力」です。
自分の人生を俯瞰し、「よくがんばったね」とねぎらう
いままでひとりでがんばってきた人がヘルプシーキング能力をつけようとしても、一朝一夕にはできません。段階を踏んで進めましょう。
最初のステップは、自分の心と向き合い精神構造に気づくことです。
自分の心を直視するのはラクなことではありません。つらい気持ちになった方も多いと思います。けれども、心の治療には自分の精神構造に気づくことが必要です。自ら精神のよりどころや弱点を理解して、初めて心を補強できるのです。
あなたは、何度もつらい気持ちに耐えながら、ここまでやってきたのではないでしょうか。これまでの人生をふり返り、がんばった自分に「よくここまで生きてきたね」と労をねぎらってあげましょう。懸命に生きてきた自分をイメージし、「よしよし」とほめてあげてください。自分の労をねぎらえたら、次のステップに進むことができます。
成長のタイムラインをつくってみよう
長期的な視点で自分の成長のタイムラインをつくってみましょう。たとえば下記の方法をくみ合わせ、記憶のフックを刺激し、自分に起きたできごとを見つめてみます。
素直に自分のがんばりを認められないときは、たとえばそれが自分ではない他人のできごととして考えてみたらどうでしょう。「がんばってきたね」と声をかけたくなりませんか?
・人生年表をつくる
年代別に社会的なできごとと個人的なできごとを書き出していく。時系列で人生を整理することで、多角的に自分をふり返ることができる。
・写真、手紙などを見返す
写真、手紙、思い出の品などの視覚的な要素を使うと、記憶がよみがえりやすくなる。
・マインドマップをつくる
自分を中心に、仕事や家族、趣味など、どんどん枝分かれさせ連想していく。それぞれの分野での経験や成長を書き出すことで、自分の人生の全体像を把握する。
・自分の伝記をつくる
自分の伝記を構想するつもりで、人生の章立てを考えてみる。各章にタイトルをつけ、その時期のできごとや自分の感情、価値観の変化などを要約する。
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